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'''SCA6''' | '''SCA6''' | ||
SCA6変異アレルでは''CACNA1A'' | SCA6変異アレルでは''CACNA1A''遺伝子の最終エクソンに存在するCAGリピートが軽度に伸長(正常: 4-19, 患者: 19-33)している。''CACNA1A''はP/Q 型電位依存性カルシウムチャネルのメインサブユニットCav2.1をコードし、CAGリピートはチャネルC末端部細胞質内ドメインに存在するポリグルタミンに翻訳される。Cav2.1はシナプス終末からの神経伝達物質の放出に重要な役割を果たし、特にプルキンエ細胞に強く発現している。主に40才から50才代の中年に発症する患者が多い。患者は、失調性歩行、四肢の運動失調、構音障害、注視眼振などの小脳失調症を呈し、臨床的に小脳症状以外に目立った症状がなく、いわゆる純粋小脳型の特徴を示す。経過は緩徐進行性で生命予後は比較的良好である。神経病理学的には小脳PCにほぼ限局した選択的な神経脱落を示す。Cav2.1陽性ユビキチン陰性の封入体が細胞質・樹状突起近位部を中心に認められるのが特徴的である。CAGリピートの伸長はCav2.1チャネルの基本的機能には影響しない<ref><pubmed>18687887</pubmed></ref>。 | ||
'''SCA7''' | '''SCA7''' | ||
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'''DRPLA ''' | '''DRPLA ''' | ||
本邦に多い常染色体優性遺伝性疾患である。表現促進現象が認められ、中年期に発症する患者では運動失調・アテトーゼ様不随意運動・認知症を主症状とする脊髄小脳変性症、20才以下の若年発症型ではミオクローヌス・てんかん・精神遅滞を主症状とするミオクローヌスてんかんの臨床像を示す。若年発症型の大部分は父親からの遺伝である。神経病理学的には歯状核赤核系及び淡蒼球外節ルイ体系の変性を主体とする。変異アレルではアトロフィン1(atrophin 1)をコードするDRPLA遺伝子エクソン5に存在するCAGリピートが異常伸長している。アトロフィン1は標的遺伝子の転写を負に制御するコリプレッサーの1つ<ref><pubmed>11792320</pubmed></ref> で、ポリグルタミン鎖の伸長によりその機能が変化し、神経変性に導くものと考えられている。 | |||
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'''Huntington disease-like 2 (HDL2)''' | '''Huntington disease-like 2 (HDL2)''' | ||
ハンチントン病と同様の臨床的・病理学的特徴を有する成人発症の常染色体優性神経変性疾患で、変異アレルでは16q24.3に存在する'' | ハンチントン病と同様の臨床的・病理学的特徴を有する成人発症の常染色体優性神経変性疾患で、変異アレルでは16q24.3に存在する''JPH3''遺伝子のエクソン2Aの存在するCTGリピートが異常伸長(40-59; 正常6-28)している。患者脳組織で抗ポリグルタミン抗体陽性の神経細胞核内封入体が認められ、またBACトランスジェニックマウスを用いた解析で、JPH3アンチセンス鎖からポリグルタミン鎖をコードするHDL2-CAGが転写されることが示された<ref><pubmed>21555070</pubmed></ref>ことから、ポリグルタミン病である可能性が高い。一方、JPH3ノックアウトマウスは運動障害を発症し、また患者脳において''JPH3'' がコードするjunctophilin-3の発現が低下していることからloss of functionの機構も病態に関与している可能性がある<ref><pubmed>22367996</pubmed></ref>。 | ||
<references/> | <references/> |
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