「慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー」の版間の差分

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  ・POEMS症候群、骨硬化性骨髄腫、糖尿病性・非糖尿病性腰仙部神経根叢ニューロパチーなどの脱髄性ニューロパチーをきたすその他の原因。リンパ腫、アミロイドーシスは脱髄所見を呈することがある。<br>
  ・POEMS症候群、骨硬化性骨髄腫、糖尿病性・非糖尿病性腰仙部神経根叢ニューロパチーなどの脱髄性ニューロパチーをきたすその他の原因。リンパ腫、アミロイドーシスは脱髄所見を呈することがある。<br>
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|+表3. 慢性炎症性脱髄性多発神経炎の電気診断基準(EFNS/PNS診療ガイドラインから引用)[6]
! style="text-align:left"|(1) Definite: 以下のうち少なくとも1項目を満たす
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| (a) 2神経以上で遠位潜時が正常上限値の50%以上延長。<br>
(b) 2神経以上で運動神経伝導速度が正常下限値の30%以下に低下。<br>
(c) 2神経以上でF波潜時が正常上限値の30%以上延長(複合筋活動電位振幅が正常下限値の80%未満の場合には50%以上延長)。<br>
(d) 複合筋活動電位振幅が正常下限値の20%以上の2神経でF波消失、および他の1神経以上でその他の脱髄所見aのいずれかを満たす。<br>
(e) 伝導ブロック:遠位部複合筋活動電位振幅が正常下限値の20%以上である2神経で近位部の複合筋活動電位振幅が遠位部と比較して50%以上低下、または1神経で伝導ブロックがみられ他の1神経以上でその他の脱髄所見aのいずれか満たす。<br>
(f) 異常な時間的分散(2神経以上で近位部・遠位部間での30%以上の複合筋活動電位持続時間延長)。<br>
(g) 遠位部複合筋活動電位持続時間が1神経以上で延長(フィルターが20Hz〜2kHzの場合、正中神経6.6ms以上、尺骨神経6.7 ms以上、腓骨神経7.6 ms以上、脛骨神経8.8 ms以上)、および他の1神経以上でその他の脱髄所見aのいずれかを満たす。<br>
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! style="text-align:left"|(2) Probable
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| 脛骨神経以外の遠位部複合筋活動電位振幅が正常下限値の20%以上である2神経で近位部の複合筋活動電位振幅が遠位部と比較して30%以上低下、または1神経でこの基準を満たし他の1神経以上でその他の脱髄所見''<sup>a</sup>''のいずれかを満たす。
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! style="text-align:left"|(3) Possible
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| (1)の基準を1神経のみで満たす。
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''<sup>a</sup>''(a)から(g)で定めた所見


== 病態生理 ==
== 病態生理 ==