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クロザピンは、1988年に米国のKaneらによって治療抵抗性統合失調症に対するクロルプロマジンとの[[wikipedia:JA:二重盲検比較試験|二重盲検比較試験]]で優位性が証明されたのを受け、1990年米国で承認された。現在厳密な副作用モニタリングのもと、世界100ヶ国以上の国々で上市されている。 | クロザピンは、1988年に米国のKaneらによって治療抵抗性統合失調症に対するクロルプロマジンとの[[wikipedia:JA:二重盲検比較試験|二重盲検比較試験]]で優位性が証明されたのを受け、1990年米国で承認された。現在厳密な副作用モニタリングのもと、世界100ヶ国以上の国々で上市されている。 | ||
本邦では2006年にD<sub>2</sub>受容体[[部分作動薬]]の[[アリピプラゾール]](aripiprazole)が、2008年に[[ブロナンセリン]](blonanserin)、2009年にクロザピン、2011年にリスペリドンの主要活性代謝産物である[[パリペリドン]] | 本邦では2006年にD<sub>2</sub>受容体[[部分作動薬]]の[[アリピプラゾール]](aripiprazole)が、2008年に[[ブロナンセリン]](blonanserin)、2009年にクロザピン、2011年にリスペリドンの主要活性代謝産物である[[パリペリドン]](paliperidone)、2016年にアセナピン(asenapine)、2018年に2番目のD2受容体部分作動薬のブレクスピプラゾール(brexpiprazole)、2020年にルラシドン(lurasidone)が上市され、2021年7月現在11種類の第2世代抗精神病薬が統合失調症の薬物治療の中心となっている。特に、アリピプラゾールやブレクスピプラゾールといったD<sub>2</sub>受容体部分作動薬は、第1世代抗精神病薬や第2世代抗精神病薬とは異なる機序でドーパミン伝達の安定化作用を有しているため、第3世代抗精神病薬 (Third-Generation Antipsychotics)と位置付ける研究者もいる。 | ||
なお欧州神経精神薬理学会が中心となり、現在までの神経科学の知見に基づいた向精神薬の新しい国際的分類法である多軸命名法(Neuroscienc-based Nonmenclature: NbN)が提唱されており、抗精神病薬の分類もNbNに準拠すべきであるという最近の流れがある<ref name=ref2>European College of Neuropsychopharmacology (ECNP): Neuroscience-based Nomenclature (https://nbnomenclature.org/)</ref>。 | |||
== 対象疾患 == | == 対象疾患 == |