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<font size="+1">[http://researchmap.jp/t-kikkawa 吉川 貴子]、[http://researchmap.jp/noriko1128 大隅 典子]</font><br> | <font size="+1">[http://researchmap.jp/t-kikkawa 吉川 貴子]、[http://researchmap.jp/noriko1128 大隅 典子]</font><br> | ||
''東北大学大学院医学系研究科''<br> | ''東北大学大学院医学系研究科''<br> | ||
DOI:<selfdoi /> | DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2012年5月7日 原稿完成日:2012年10月25日 一部改訂:2021年8月2日<br> | ||
担当編集委員:[http://researchmap.jp/fujiomurakami 村上 富士夫](大阪大学 大学院生命機能研究科)<br> | 担当編集委員:[http://researchmap.jp/fujiomurakami 村上 富士夫](大阪大学 大学院生命機能研究科)<br> | ||
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胚発生における特定[[wj:遺伝子|遺伝子]]の機能を知るためには、時間的、空間的に制御可能な遺伝子操作が必要である。近年の[[wj:遺伝子工学|遺伝子工学]]技術はめざましく、[[トランスジェニック動物]]や[[ノックアウト動物]]などの技術が開発され、さらに[[cre-loxP]]システムによる条件つき遺伝子改変が可能になったものの、その作製労力を考えると決して簡便ではない。全胚培養法を用いれば、[[電気穿孔法]](エレクトロポレーション法)を組み合わせることによって、他の方法の適用が困難な発生の早期においても遺伝子を直接細胞内に導入することができる<ref><pubmed> 11327800 </pubmed></ref>。導入する遺伝子は単独である必要はなく、複数の遺伝子を導入時に、あるいは時間差で導入することも可能である。また、[[ドミナントネガティブ分子]]による機能阻害実験、[[siRNA]]による[[ノックダウン]]実験<ref><pubmed> 16237179 </pubmed></ref>、および[[ウィルスベクター]]を用いた遺伝子導入も可能である。これらの技術は基礎研究だけでなく、特定の疾患[[モデル動物]]を対象とした遺伝子治療の研究にも有効であると考えられる。 | 胚発生における特定[[wj:遺伝子|遺伝子]]の機能を知るためには、時間的、空間的に制御可能な遺伝子操作が必要である。近年の[[wj:遺伝子工学|遺伝子工学]]技術はめざましく、[[トランスジェニック動物]]や[[ノックアウト動物]]などの技術が開発され、さらに[[cre-loxP]]システムによる条件つき遺伝子改変が可能になったものの、その作製労力を考えると決して簡便ではない。全胚培養法を用いれば、[[電気穿孔法]](エレクトロポレーション法)を組み合わせることによって、他の方法の適用が困難な発生の早期においても遺伝子を直接細胞内に導入することができる<ref><pubmed> 11327800 </pubmed></ref>。導入する遺伝子は単独である必要はなく、複数の遺伝子を導入時に、あるいは時間差で導入することも可能である。また、[[ドミナントネガティブ分子]]による機能阻害実験、[[siRNA]]による[[ノックダウン]]実験<ref><pubmed> 16237179 </pubmed></ref>、および[[ウィルスベクター]]を用いた遺伝子導入も可能である。これらの技術は基礎研究だけでなく、特定の疾患[[モデル動物]]を対象とした遺伝子治療の研究にも有効であると考えられる。 | ||
なお、多能性幹細胞からの初期胚の培養法が進展してきたことにより、着床前の胚の全胚培養(子宮外培養)と組み合わせることが可能になれば、さらに長期にわたって哺乳類胚を子宮外で培養することが可能になる。この点は生命倫理的な問題も含むことに注意しておくべきである。 | |||
== 参考文献 == | == 参考文献 == | ||
<references /> | <references /> | ||