「神経性やせ症」の版間の差分

276行目: 276行目:
'''精神療法''':認知療法的アプロ-チにより、体重や食物に関連した不合理な認知や思い込みに気づくよう働きかける。すなわち、患者が自分の体重や食事以外の面での考えや感情を正しく認知する能力には自信を失わせず、摂食障害の症状の一部として、体型や体重についての歪んだ認知があることを自覚するよう援助する。  
'''精神療法''':認知療法的アプロ-チにより、体重や食物に関連した不合理な認知や思い込みに気づくよう働きかける。すなわち、患者が自分の体重や食事以外の面での考えや感情を正しく認知する能力には自信を失わせず、摂食障害の症状の一部として、体型や体重についての歪んだ認知があることを自覚するよう援助する。  


 このような精神療法的努力と身体的療法による体重の回復とを統合させ、徐々に不合理な認知と身体像の障害を修正していく。体重が改善すると患者の気分の改善、認知機能の強化、思考の清明化がもたらされる。そしてさらに根底にある実存的問題に目が向けられ自己同一性の確立、すなわち自己の確立と個性化の達成を促す。これらを長期の外来通院治療で行う。 薬物療法:不眠、不安、抑うつ気分、胃重感、消化・吸収機能の低下などの随伴症状に対する対症療法や、治療関係を促進して精神療法や行動療法への導入を容易にするために行われる。  
 このような精神療法的努力と身体的療法による体重の回復とを統合させ、徐々に不合理な認知と身体像の障害を修正していく。体重が改善すると患者の気分の改善、[[認知機能]]の強化、思考の清明化がもたらされる。そしてさらに根底にある実存的問題に目が向けられ自己同一性の確立、すなわち自己の確立と個性化の達成を促す。これらを長期の外来通院による[[支持的精神療法]]で行う。 薬物療法:不眠、不安、抑うつ気分、胃重感、消化・吸収機能の低下などの随伴症状に対する対症療法や、治療関係を促進して精神療法や行動療法への導入を容易にするために行われる。


=== 家族への対応の仕方  ===
=== 家族への対応の仕方  ===