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細 (→病名の変遷) |
細 (→診断基準と鑑別診断) |
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このように、予期しない、突然のPAが繰り返され、予期不安が生じ、さらに広場恐怖に至るケースもある、これがPDである。器質的な疾患が存在しないことは言うまでもない。 | このように、予期しない、突然のPAが繰り返され、予期不安が生じ、さらに広場恐怖に至るケースもある、これがPDである。器質的な疾患が存在しないことは言うまでもない。 | ||
=== | === 診断基準=== | ||
{| class="wikitable" style="width: 654px; height: 322px;" | {| class="wikitable" style="width: 654px; height: 322px;" | ||
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表1と2に、現在、最も国際的な使用頻度の高い診断基準である[[DSM-Ⅳ-TR]]<ref name="ref12">American Psychiatric Association: Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Forth Edition, Text Revision, American Psychiatric Association, Washington D.C., 2002. <br>(高橋三郎,大野裕,染矢俊幸訳.DSM-Ⅳ-TR精神疾患の診断・統計マニュアル 新訂版,医学書院,2004)</ref>のPDとPAに関する診断基準を示した。表1からもわかるように、PDは“広場恐怖“の有無によって、「300.21 広場恐怖を伴うパニック障害」と「300.01 広場恐怖を伴わないパニック障害」の2つにさらに分けられるが、2013年5月に出版予定の次期[[DSM-5]]ではこの区別はなくなっている。また、PDとの鑑別診断としては、表1にも記載があるように、同じく不安障害の範疇では、社会不安障害(social anxiety disorder:SAD)、特定の恐怖症、強迫性障害(obsessive-compulsive disorder:OCD)、心的外傷後ストレス障害(posttraumatic stress disorder:PTSD)、分離不安障害等がある。 | 表1と2に、現在、最も国際的な使用頻度の高い診断基準である[[DSM-Ⅳ-TR]]<ref name="ref12">American Psychiatric Association: Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Forth Edition, Text Revision, American Psychiatric Association, Washington D.C., 2002. <br>(高橋三郎,大野裕,染矢俊幸訳.DSM-Ⅳ-TR精神疾患の診断・統計マニュアル 新訂版,医学書院,2004)</ref>のPDとPAに関する診断基準を示した。表1からもわかるように、PDは“広場恐怖“の有無によって、「300.21 広場恐怖を伴うパニック障害」と「300.01 広場恐怖を伴わないパニック障害」の2つにさらに分けられるが、2013年5月に出版予定の次期[[DSM-5]]ではこの区別はなくなっている。また、PDとの鑑別診断としては、表1にも記載があるように、同じく不安障害の範疇では、社会不安障害(social anxiety disorder:SAD)、特定の恐怖症、強迫性障害(obsessive-compulsive disorder:OCD)、心的外傷後ストレス障害(posttraumatic stress disorder:PTSD)、分離不安障害等がある。 | ||
===鑑別診断=== | |||
コツとしては、PAの種類を明確にすることである。つまり、PAには、①予期しないPA、②状況依存性PA、そして③状況準備性PAの3つがある。もちろんPDは①の予期しないPAが2回以上出現することが診断に必要とされるが、これは、前述したように、全くの突然に、自然に起こるPAである。一方、②状況依存性PAは、SADや特定の恐怖症、あるいはPTSDやOCDでよく生じるもので、状況や誘発因子に暴露した直後に起こるPAである。これはPDでは少ない。最後の③状況準備性PAは、①と③の中間に位置するもので、特定の状況で起こり易いが必ず起こるものではないPAである。実は③はPDに多いとされている<ref name="ref12">American Psychiatric Association: Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Forth Edition, Text Revision, American Psychiatric Association, Washington D.C., 2002. <br>(高橋三郎,大野裕,染矢俊幸訳.DSM-Ⅳ-TR精神疾患の診断・統計マニュアル 新訂版,医学書院,2004)</ref>。例えば、PD患者に①の予期しないPAが通勤電車の中で起こった場合、患者は電車に乗ることを恐れ、「あの発作がまた起こったらどうしよう」と著しい予期不安に苛まれる。そのため、電車の中ではPAが起こりやすい状況となっており、心配のあまり逆にPAを呈してしまう場合と、何とか発作まではいかなくて済んだ場合とが出てくるのである。PD患者では、少なくとも2回以上の①予期しないPAの後には③状況準備性PAが頻発すると言われているので、注意が必要である。 | |||
=== 疫学 === | === 疫学 === |