「神経ペプチド」の版間の差分

提供:脳科学辞典
ナビゲーションに移動 検索に移動
 
(3人の利用者による、間の11版が非表示)
1行目: 1行目:
英:neuropeptide
<div align="right"> 
<font size="+1">[http://researchmap.jp/read0193519 加藤 昌克]</font><br>
''東京医療学院大学''<br>
DOI: <selfdoi /> 原稿受付日:2012年3月16日 原稿完成日:2015年11月24日<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/haruokasai 河西 春郎](東京大学 大学院医学系研究科)<br>
</div>


 神経ペプチドは神経系に発現し[[生理活性]]をしめす[[wikipedia:ja:ペプチド|ペプチド]]の総称である。
英:neuropeptide 独:Neuropeptide 仏:neuropeptide


{{box|text= 神経ペプチドは神経系に発現し[[生理活性]]をしめす[[wikipedia:ja:ペプチド|ペプチド]]の総称である。}}


== 発見の歴史と日本人の貢献 ==
== 発見の歴史と日本人の貢献 ==


 [[wikipedia:ja:ロジェ・ギルマン|ロジェ・ギルマン]](R. Guillemin)と[[wikipedia:ja:アンドルー・ウィクター・シャリー|アンドルー・ウィクター・シャリー]](A. V. Schally)が、「脳のペプチドホルモン産生に関する発見」で、1977年に[[wikipedia:ja:ノーベル賞|ノーベル賞]]を受けている。彼らは何万もの[[wikipedia:ja:豚|豚]]の[[脳]]から生理活性を指標にペプチドを単離した。その研究においてA. Arimura, H. Matsuoらが重要な役割を演じている。また、「ペプチドホルモンの[[wikipedia:ja:放射免疫測定|放射性同位元素標識免疫検定法]](radioimmunoassay, RIA)の開発」で[[wikipedia:ja:ロサリン・ヤロー|ロサリン・ヤロー]](R. S. Yalow)が同時受賞している。これらの発見と技術開発はペプチドの研究、特に[[wikipedia:ja:内分泌学|内分泌学]]に革命的な変化をもたらした。その後、脳や[[wikipedia:ja:腸|腸]]管から多くのペプチドが単離され、C末端の[[wikipedia:ja:アミド|アミド]]化された構造が多くのペプチドに共通することが明らかになった。V. MuttとK. Tatemotoはその構造に着目し単離する化学的方法を開発した <ref><pubmed>6896083</pubmed></ref>。この方法により[[ニューロペプチドY]](neuropeptide Y; NPY)や[[ガラニン]](galanin)などの多くのペプチドが発見された。名称も生理活性ではなく構造から付けられた。例えば、NPYはチロシン(Y)残基を多く含むことによる。また、galaninはグリシン(G)で始まり、アラニンで終わる構造である。近年に至ってK. Kangawaらが[[グレリン]](ghrelin)を発見している<ref><pubmed>10604470</pubmed></ref>。このような歴史を経て現在までに、90の遺伝子が明らかになり、約100の神経ペプチドが知られるようになった<ref>http://www.neuropeptides.nl/</ref>
 [[wikipedia:ja:ロジェ・ギルマン|ロジェ・ギルマン]](R. Guillemin)と[[wikipedia:ja:アンドルー・ウィクター・シャリー|アンドルー・ウィクター・シャリー]](A. V. Schally)が、「脳のペプチドホルモン産生に関する発見」で、1977年に[[wikipedia:ja:ノーベル賞|ノーベル賞]]を受けている。彼らは何万もの[[wikipedia:ja:豚|豚]]の[[脳]]から生理活性を指標にペプチドを単離した。その研究において有村章(A. Arimura)、松尾壽之(H. Matsuo)らが重要な役割を演じている。また、「ペプチドホルモンの[[wikipedia:ja:放射免疫測定|放射性同位元素標識免疫検定法]](radioimmunoassay, RIA)の開発」で[[wikipedia:ja:ロサリン・ヤロー|ロサリン・ヤロー]](R. S. Yalow)が同時受賞している。これらの発見と技術開発はペプチドの研究、特に[[wikipedia:ja:内分泌学|内分泌学]]に革命的な変化をもたらした。その後、脳や[[wikipedia:ja:腸|腸]]管から多くのペプチドが単離され、C末端の[[wikipedia:ja:アミド|アミド]]化された構造が多くのペプチドに共通することが明らかになった。V. Muttと立元一彦(K. Tatemoto)はその構造に着目し単離する化学的方法を開発した <ref><pubmed>6896083</pubmed></ref>。この方法により[[ニューロペプチドY]](neuropeptide Y; NPY)や[[ガラニン]](galanin)などの多くのペプチドが発見された。名称も生理活性ではなく構造から付けられた。例えば、NPYはチロシン(Y)残基を多く含むことによる。また、galaninはグリシン(G)で始まり、アラニンで終わる構造である。近年に至って寒川賢治(K. Kangawa)らが[[グレリン]](ghrelin)を発見している<ref><pubmed>10604470</pubmed></ref>。このような歴史を経て現在までに、90の遺伝子が明らかになり、約100の神経ペプチドが知られるようになった<ref name=ref3>[http://www.neuropeptides.nl/ Neuropeptide Database]</ref><ref name=ref5><pubmed>19837055</pubmed></ref>('''表''')。


== 生理作用 ==
== 生理作用 ==
 神経ペプチドは[[中枢神経系|中枢]]のみならず[[末梢神経系]]にも存在し、細胞間の[[信号伝達分子]]として働いている。[[内分泌]]機能、[[生殖]]や[[摂食]]の調節、[[学習]]や[[記憶]]、[[痛覚]]に関与する。たとえば、[[視床下部]][[ニューロン]]の多くは神経ペプチドを含有する。[[オキシトシン]](oxytocin, OT)ニューロンと[[バゾプレシン]](vasopressin, VP)ニューロンは[[視床下部室傍核]]と[[視索上核]]に[[細胞体]]をもち、[[下垂体]][[後葉]]に投射して後葉ホルモン(OT, VP)を分泌する。VPは[[抗利尿ホルモン]](antidiuretic hormone, ADH)とも呼ばれる。また下垂体[[前葉]]を支配するのは[[正中隆起]]に[[軸索]]を投射する[[向下垂体ニューロン]]である。[[ドーパミン]]ニューロン以外はペプチド含有ニューロンである。それらは、[[副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン]](CRH)、[[甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン]](TRH)、[[成長ホルモン放出ホルモン]](GHRH)、[[性腺刺激ホルモン放出ホルモン]](GnRH、LHRH)、[[ソマトスタチン]](somatostatin)を分泌する。生殖には、GnRH、[[キスペプチン]](kisspeptin)、[[エンケファリン]](enkephalin)などが関与する。摂食の調節には[[オレキシン]](orexin), [[agouti-related peptide]] (AgRP), NPY, [[プロオピオメラノコルチン]] (proopiomelanocortin, POMC), [[コカイン・アンフェタミン調節転写産物]] (cocaine and amphetamine regulated transcript, CART), グレリン(ghrelin), [[メラニン濃縮ホルモン]] (melanin concentrating hormone, MCH)などのペプチドが関与する。また、学習・記憶に関わる神経ペプチドには、ソマトスタチン、[[バゾプレシン]]、ACTH、CRH、[[α-メラノサイト刺激ホルモン]] (α-melanocyte stimulating hormone, α-MSH)などが知られている。痛覚に関与するのは、[[サブスタンスP]] (substance P)、[[ニューロキニンA]] (neurokinin A)、[[カルシトニン遺伝子関連ペプチド]] (CGRP) および[[β-エンドルフィン]](β-endorphin)などである。


 神経ペプチドは[[中枢神経系|中枢]]のみならず[[末梢神経系]]にも存在し、細胞間の[[信号伝達分子]]として働いている。[[内分泌]]機能、[[生殖]]や[[摂食]]の調節、[[学習]]や[[記憶]]、[[痛覚]]に関与する。たとえば、[[視床下部]][[ニューロン]]の多くは神経ペプチドを含有する。[[オキシトシン]](oxytocin, OT)ニューロンと[[バゾプレシン]](vasopressin, VP)ニューロンは視床下部[[室傍核]]と[[視索上核]][[細胞体]]をもち、[[下垂体]][[後葉]]に投射して後葉ホルモン(OT, VP)を分泌する。VPは[[抗利尿ホルモン]](antidiuretic hormone, ADH)とも呼ばれる。また下垂体[[前葉]]を支配するのは[[正中隆起]]に[[軸索]]を投射する[[向下垂体ニューロン]]である。[[ドーパミン]]ニューロン以外はペプチド含有ニューロンである。それらは、[[副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン]](CRH)、[[甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン]](TRH)、[[成長ホルモン放出ホルモン]](GHRH)、[[性腺刺激ホルモン放出ホルモン]](GnRH、LHRH)、[[ソマトスタチン]](somatostatin)を分泌する。生殖には、GnRH、[[キスペプチン]](kisspeptin)、[[エンケファリン]](enkephalin)などが関与する。摂食の調節には[[オレキシン]](orexin), [[agouti-related peptide]] (AgRP), NPY, [[プロオピオメラノコルチン]] (proopiomelanocortin, POMC), [[コカイン・アンフェタミン調節転写産物]] (cocaine and amphetamine regulated transcript, CART), グレリン(ghrelin), [[メラニン濃縮ホルモン]] (melanin concentrating hormone, MCH)などのペプチドが関与する。また、学習・記憶に関わる神経ペプチドには、ソマトスタチン、[[バゾプレシン]]、ACTH、CRH、[[α-メラノサイト刺激ホルモン]] (α-melanocyte stimulating hormone, α-MSH)などが知られている。痛覚に関与するのは、[[サブスタンスP]] (substance P)、[[ニューロキニンA]] (neurokinin A)、[[カルシトニン遺伝子関連ペプチド]] (CGRP) および[[β-エンドルフィン]](β-endorphin)などである。
==生合成と作用機構 ==
 神経ペプチドは遺伝子にコードされており、[[wikipedia:ja:転写|転写]][[wikipedia:ja:翻訳|翻訳]]およびプロセッシングによって合成される。合成された神経ペプチドは、[[シナプス小胞]](synaptic vesicle、直径, 50-100 nm)ではなく、[[分泌小胞]](secretory vesicle、直径, 100 nm以上)に貯蔵され[[開口放出]]される。放出は軸索末端からだけではなく、[[細胞体]][[樹状突起]]でもおこるが、シナプス部位で放出されるものは少ない。放出されたペプチドは比較的高濃度で[[細胞間隙]]に存在する。例えば、視床下部視索上核(supraoptic nucleus, SON)におけるオキシトシンの細胞外濃度は5-20 nMである。しかも半減期が約20分と長い。これは、[[グルタミン酸]]における取り込みや[[アセチルコリン]]の分解のような不活化機構が存在しないからである。そのために分泌部位から遠く離れたところにまで作用を及ぼすことになる<ref><pubmed>16429122</pubmed></ref>。[[後葉ホルモン]]と向下垂体ホルモンは[[軸索末端]]から放出されるが、そこにはシナプス構造はなく[[wikipedia:ja:血管|血管]]周囲に直接放出され血流で標的部位まで運ばれる。このように神経細胞の性質と内分泌細胞の性質を兼ね備えていることからこれらのニューロンは[[神経内分泌細胞]](neuroendocrine cell)と呼ばれる。また、このような分泌様式を[[神経分泌]](neurosecretion)という。


==生合成と作用機構 ==
 神経ペプチドの[[受容体]]はほとんどが、[[Gタンパク質共役型受容体|Gタンパク質共役型]]であり[[イオンチャネル型受容体|イオンチャネル型]]のものはない。したがって、[[細胞内シグナル伝達系]]を介して作用する。代表的なものはGsとGiを介する[[cAMP]]合成の促進と抑制、GiあるいはGoのGβγによる[[GIRKチャネル]](G-protein-coupled inwardly rectifying potassium channels, Kir3)の活性化、およびGq/11を介する[[イノシトール-3-リン酸]](IP3)と[[ジアシルグリセルール]](DAG)の産生である。なお、[[酵素共役型受容体]]([[グアニル酸シクラーゼ]]、[[チロシンリン酸化|チロシンキナーゼ]])も一部のペプチドでは知られている。


 神経ペプチドは遺伝子にコードされており、[[wikipedia:ja:転写|転写]][[wikipedia:ja:翻訳|翻訳]]およびプロセッシングによって合成される。合成された神経ペプチドは、[[シナプス小胞]](synaptic vesicle、直径, 50-100 nm)ではなく、[[分泌小胞]](secretory vesicle、直径, 100 nm以上)に貯蔵され[[開口放出]]される。シナプス部位で放出されるものは少なく、脳内では[[細胞体]][[樹状突起]]で放出され、比較的高濃度で[[細胞間隙]]に存在する。例えば、視床下部視索上核(supraoptic nucleus, SON)におけるオキシトシンの細胞外濃度は5-20 nMである。しかも半減期が約20分と長い。これは、[[グルタミン酸]]における取り込みや[[アセチルコリン]]の分解のような不活化機構が存在しないからである。そのために分泌部位から遠く離れたところにまで作用を及ぼすことになる<ref><pubmed>16429122</pubmed></ref>。[[後葉ホルモン]]と向下垂体ホルモンは[[軸索末端]]から放出されるが、そこにはシナプス構造はなく[[wikipedia:ja:血管|血管]]周囲に直接放出され血流で標的部位まで運ばれる。このように神経細胞の性質と内分泌細胞の性質を兼ね備えていることからこれらのニューロンは[[神経内分泌細胞]](neuroendocrine cell)と呼ばれる。また、このような分泌様式を[[神経分泌]](neurosecretion)という。
{| class="wikitable collapsible collapsed"
|+表.神経ペプチド一覧 [http://www.neuropeptides.nl/ Neuropeptide Database]より<ref name=ref3 /><ref name=ref5 />
|-
!名称
!遺伝子!!前駆体!!活性ペプチド!!マウス脳での発現
|-
| colspan="5" |'''''オピオイドファミリー'''''
|-
| [[プロエンケファリン]] ||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=8831 PENK]||[[プレプロエンケファリン]]||[[Leu-エンケファリン]], [[Met-エンケファリン]], [[アミドルフィン]], [[アドレノルフィン]], [[ペプチドB]], [[ペプチドE]], [[ペプチドF]], [[BAM22P]]||[http://mouse.brain-map.org/experiment/show/69116554 Penk]
|-
| [[プロオピオメラノコルチン]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=9201 POMC]||[[プロオピオメラノコルチン]] ||[[&alpha;-メラノサイト刺激ホルモン]]([[&alpha;-MSH]]), [[&gamma;-メラノサイト刺激ホルモン]])([[&gamma;-MSH]]), [[&beta;-メラノサイト-刺激ホルモン]] ([[&beta;-MSH]]),  [[副腎皮質刺激ホルモン]] ([[ACTH]]),  [[&beta;-エンドルフィン]], [[&alpha;-エンドルフィン]],  [[&gamma;-エンドルフィン]], [[&beta;-リポトロピン]] ([[&beta;-LPH]]), [[&gamma;-リポトロピン]] ([[&gamma;-LPH]]), [[コルチコトロピン様中葉ペプチドペプチド]] ([[CLIP]]) || [http://mouse.brain-map.org/gene/show/18739 Pomc]
|-
| [[プロダイノフィリン]]|| [http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=8820 PDYN]||[[プレプロダイノフィリン]] ||[[ダイノフィリンA]], [[ダイノフィリンB]], [[&alpha;-ネオエンドルフィン]], [[&beta;-ネオエンドルフィン]], [[ダイノフィリン-32]], [[leu-モルフィン]] ||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/18376 Pdyn]
|-
| [[オーファニン、プレプロノシセプチン]]|| [http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=9163 PNOC]||[[プレプロノシセプチン]]、[[プレプロオーファニン]]||[[ノシセプチン]] ([[オーファニンFQ]]), [[ニューロペプチド1]], [[ニューロペプチド 2]]||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/17922 Pnoc]
|-
| colspan="5" |'''''バソプレシン/オキシトシンファミリー'''''
|-
| [[バソプレシン]] || [http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=894 AVP]||[[プレプロバソプレシン-ニューロフィジン II]] ||[[バソプレシン]] ([[VP]]), [[ニューロフィジンII]] ([[NP II]]), [[C-末端グリコペプチド CPP]] ||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/20366 Avp]
|-
| [[オキシトシン]] || [http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=8528 OXT]||[[プレプロオキシトシン-ニューロフィジンI]] ||[[オキシトシン]] ([[OT]]), [[ニューロフィジンI]] ([[NP I]]) ||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/18196 Oxt]
|-
| colspan="5" |'''''コレシストキニン(CCK)/ガストリンファミリー'''''
|-
| [[ガストリン]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=4164 GAST]||[[プレプロガストリン]] ||[[ガストリン-34]], [[ガストリン-17]], [[ガストリン-4]] ||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/14235 Gast]
|-
| [[コレシストキニン]] ||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=1569 CCK]||[[プレプロコレシストキニン]] ||[[コレシストキニン(CCK)-8]], [[CCK-33]], [[CCK-58]]||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/12209 Cck]
|-
| colspan="5" |'''''ソマトスタチンファミリー'''''
|-
| [[ソマトスタチン]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=11329 SST]||[[プレプロソマトスタチン]] ||[[SS-12]], [[SS-14]], [[SS-28]], [[アントリン]] ||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/20366 Sst]
|-
| [[コルチスタチン]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=2763 DEFA4]||[[プレプロコルチスタチン]]||[[コルチスタチン-29]], [[コルチスタチン-17]]||
|-
| colspan="5" |'''''F-及びY-アミドファミリー'''''
|-
|[[生殖腺刺激ホルモン放出抑制ホルモン, RF-アミド関連ペプチド]]|| [http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=13782 NPVF] ||[[プレプロNPRF]]||[[QRF-アミド]] ([[ニューロペプチドRF-アミド]], [[GnIH]], [[p518]], [[RF-関連ペプチド-2]]), [[RF-関連ペプチド-1]], [[RF-関連ペプチド-3]]||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/37991 Npvf]
|-
| [[ニューロペプチドFF]]|| [http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=7901 NPFF]||[[プレプロNPFF]]||[[ニューロペプチドFF]], [[ニューロペプチドAF]], [[ニューロペプチドSF]]||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/33906 Npff]
|-
| [[ニューロペプチドY]] ||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=7955 NPY]||[[プレプロNPY]] ||[[NPY]], [[C-flanking ペプチド CPON]] ||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/73806 Npy]
|-
|[[膵臓ポリペプチド]] || [http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=9327 PPY]||[[プレプロ膵臓ポリペプチド]] ||[[PPY]]||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/18827 Ppy]
|-
| [[ペプチドYY]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=9748 PYY]||[[プレプロPYY]] ||[[PYY]], [[PYY-(3-36)]]||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/85147 Pyy]
|-
| [[プロラクチン放出ペプチド]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=17945 PRLH]||[[プレプロPrRP]]||[[プロラクチン放出ペプチド(PrRP)-31]], [[PrRP-20]]||
|-
| colspan="5" |'''''カルシトニンファミリー'''''
|-
| rowspan="2" | [[カルシトニンI]] || rowspan="2" | [http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=1437 CALCA]||[[プレプロCALC]]||[[カルシトニン]], [[カタクラシン]]|| rowspan="2" |[http://mouse.brain-map.org/gene/show/12095 Calca]
|-
| [[プレプロCGRP-&alpha;]] ||[[カルシトニン遺伝子関連ペプチドI]] ([[α-CGRP]])
|-
| [[カルシトニンII]] ||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=1438 CALCB]||[[プレプロCGRP-β]] ||[[カルシトニン遺伝子関連ペプチド II]] ([[&beta;-CGRP]]) ||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/78211 Calcb]
|-
|[[島アミロイドポリペプチド]], [[アミリン]]|| [http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=5329 IAPP]||[[プレプロIAPP]] ||[[島アミロイドポリペプチド]]([[IAPP]]) ([[アミリン]], [[アミロイドポリペプチドペプチド]]) ||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/15647 Iapp]
|-
| [[アドレノメジュリン]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=259 ADM]||[[プレプロアドレノメジュリン]]||[[アドレノメジュリン]], [[AM]], [[PAMP]]||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/11322 Adm]
|-
| [[アドレノメジュリン-2]]|| [http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=28898 ADM2]||[[プレプロアドレノメジュリン-2]]||[[アドレノメジュリン-2]], [[インターメジン-long]] ([[IMDL]]), [[インターメジン-short]]([[IMDS]])||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/85979 Adm2]
|-
| colspan="5" |'''''利尿ホルモンファミリー'''''
|-
|[[心房性ナトリウム利尿ペプチド]] ||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=7939 NPPA]||[[プレプロANP]] ||[[心房性ナトリウム利尿ペプチド]] ([[ナトリウム利尿ペプチドA]], [[ANF]], [[ANP]], [[ナトリオジラチン]], [[カルジオジラチン関連ペプチド]])||
|-
|[[脳ナトリウム利尿因子]] ||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=7940 NPPB]||[[プレプロBNP]] ||[[脳ナトリウム利尿因子]] ([[ナトリウム利尿ペプチドB]], [[BNF]], [[BNP]])||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/17925 Nppb]
|-
| [[ナトリウム利尿ペプチド前駆体C]]|| [http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=7941 NPPC]||[[プレプロCNP]]||[[C型ナトリウム利尿ペプチド]] ([[CNP-23]]), [[CNP-29]], [[CNP-53]]||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/17926 Nppc]
|-
| colspan="5" |'''''ボンベシン様ペプチドファミリー'''''
|-
| rowspan="3" | [[ガストリン放出ペプチド]] ||rowspan="3"|[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=4605 GRP]|| [[プレプロGRP-1]]||[[GRP-27]], [[GRP-14]], [[GRP-10]] ([[ニューロメジンC]])|| rowspan="3" |[http://mouse.brain-map.org/gene/show/86272 Grp]
|-
| [[プレプロGRP-2]]||[[GRP-27]], [[GRP-14]], [[GRP-10]] ([[ニューロメジンC]])
|-
| [[プレプロGRP-3]]||[[GRP-27]], [[GRP-14]], [[GRP-10]] ([[ニューロメジンC]])
|-
| rowspan="2" | [[ニューロメジンB]]|| rowspan="2" |[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=7842 NMB]||[[プレプロニューロメジンB1]]||[[ニューロメジンB]] ([[ラナテンシン様ペプチド]], [[RLP]])|| rowspan="2" |[http://mouse.brain-map.org/gene/show/43882 Nmb]
|-
| [[プレプロニューロメジンB2]]||[[ニューロメジンB]] ([[ラナテンシン様ペプチド]], [[RLP]])
|-
| colspan="5" |'''''エンドセリンファミリー'''''
|-
| [[エンドセリン1]] ||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=3176 EDN1]||[[プレプロエンドセリン1]] ([[PPET1]]) ||[[エンドセリン1]] ([[ET-1]])||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/13392 Edn1]
|-
| [[エンドセリン2]] ||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=3177 EDN2]||[[プレプロエンドセリン2]] ([[PPET2]])  ||[[エンドセリン2]]  ([[ET-2]])||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/13393 Edn2]
|-
| [[エンドセリン3]] ||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=3178 EDN3]||[[プレプロエンドセリン3]] ([[PPET3]])||[[エンドセリン3]] ([[ET-3]])||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/13394 Edn3]
|-
| colspan="5" |'''''グルカゴン/セクレチンファミリー'''''
|-
| [[グルカゴン]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=4191 GCG]||[[プレプログルカゴン]]||[[グリセンチン]]; [[グリセンチン関連ポリペプチド]] ([[GRPP]]); [[オキシモジュリン]] ([[OXY]]) ([[OXM]]); [[グルカゴン]]; [[グルカゴン様ペプチド1]] ([[GLP-1]]); [[グルカゴン様ペプチド1]]([[7-37]]) ([[GLP-1]]([[7-37]])); [[グルカゴン様ペプチド1]]([[7-36]]) ([[GLP-1]]([[7-36]])); [[グルカゴン様ペプチド2]] ([[GLP-2]])||[http://developingmouse.brain-map.org/experiment/show/74990490 Gcg]
|-
| [[セクレチン]] ||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=10607 SCT]||[[プレプロセクレチン]]||[[セクレチン]] ||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/20050 Sct]
|-
| rowspan="2" |[[血管作動性腸管ペプチド]] ||rowspan="2"|[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=12693 VIP]||[[プレプロVIP-1]] ||[[血管作動性腸管ペプチド]]([[VIP]]), [[PHM-27]]/[[PHI-27]], [[PHV-42]]|| rowspan="2" |[http://mouse.brain-map.org/gene/show/22110 Vip]
|-
| [[プレプロVIP-2]]||[[VIP]], [[PHM-27]]/[[PHI-27]], [[PHV-42]]
|-
|[[脳下垂体アデニレートサイクラーゼ活性化ポリペプチ]]|| [http://www.genenames.org/cgi-bin/search?search_type=symbols&search=ADCYAP1&submit=Submit ADCYAP1] ||[[プレプロPACAP]]||[[脳下垂体アデニレートサイクラーゼ活性化ポリペプチ]][[(PACAP)-38]], [[PACAP-27]], [[PRP-48]]||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/11303 Adcyap1]
|-
| [[成長ホルモン放出ホルモン]] || [http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=4265 GHRH]||[[プレプロGHRH]]||[[成長ホルモン放出ホルモン]] ([[ソマトリベリン]],[[GRF]], [[ソマトクリニン]], [[ソマトレリン]], [[セルモレリン]])||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/14377 Ghrh]
|-
|[[胃抑制ペプチド]] || [http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=4270 GIP]||[[プレプロGIP]] ||[[胃抑制ペプチド]] ([[グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド]]) ||[http://mouse.brain-map.org/experiment/show/71991684 Gip]
|-
| colspan="5" |'''''CRH-関連ファミリー'''''
|-
| [[コルチコトロピン-放出ホルモン]]|| [http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=2355 CRH]||[[プレプロCRH]]||[[コルチコトロピン-放出ホルモン]]||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/12701 Crh]
|-
| [[ウロコルチン]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=12516 UCN]||[[プレプロUNC I]]||[[ウロコルチン (UNC)]]||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/21983 Ucn]
|-
| [[ウロコルチンII]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=18414 UCN2]||[[プレプロUNC II]]||[[UNC II]], [[ストレスコピン関連ペプチド]]||
|-
| [[ウロコルチンIII]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=17781 UCN3]||[[プレプロUNC III]]||[[UNC III]], [[ストレスコピン]]||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/57672 Ucn3]
|-
|rowspan="2"|[[ウロテンシン II]]||rowspan="2"|[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=12636 UTS2]||[[プレプロウロテンシン-2]], [[アイソフォームa]]||[[ウロテンシン-2]]|| rowspan="2" |[http://developingmouse.brain-map.org/experiment/show/100144180 Uts2]
|-
| [[プレプロウロテンシン-2]], [[アイソフォームb]]||[[ウロテンシン-2]]
|-
| [[ウロテンシン IIドメイン含有タンパク質]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=30894 UTS2B]||[[プレプロウロテンシン-2B]]||[[ウロテンシン-2-関連ペプチド]],[[ウロテンシン-2B]]||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/86039 Uts2d]
|-
| colspan="5" |'''''キニンおよびテンシンファミリー'''''
|-
|rowspan="4"|[[プレプロタキキニンA]]||rowspan="4"| [http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=11517 TAC1]||[[α-プレプロタキキニンA]] ||[[サブスタンスP]], [[ニューロキニンA]] ([[NKA]], [[サブスタンスK]], [[ニューロメジンL]]), [[ニューロペプチドK]], [[ニューロペプチドγ]] || rowspan="4" |[http://mouse.brain-map.org/gene/show/21094 Tac1]
|-
| [[&beta;-プレプロタキキニンA]] ||サブスタンスP, ニューロペプチドK, ニューロキニンA
|-
| [[&gamma;-プレプロタキキニンA]] ||サブスタンスP, ニューロキニンA, ニューロペプチドg
|-
| [[&delta;-プレプロタキキニンA]]||サブスタンスP, ニューロペプチドK, ニューロキニンA
|-
|rowspan="2"| [[プレプロタキキニンB]]||rowspan="2"|[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=11521 TAC3]||[[プレプロタキキニンB]], [[アイソフォーム1]]||[[ニューロメジンK]], [[ニューロキニンB]]|| rowspan="2" |[http://mouse.brain-map.org/gene/show/21099 Tac3]
|-
| [[プレプロタキキニンB]], [[アイソフォーム2]]||[[ニューロメジンK]], [[ニューロキニンB]]
|-
| colspan="5" |'''''ニューロメジン'''''
|-
| [[ニューロメジンS]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=32203 NMS]||[[プレプロニューロメジン S]]||[[ニューロメジンS]]||
|-
| [[ニューロメジンU]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=7859 NMU]||[[プレプロニューロメジンU]], [[アイソフォーム多数]]||[[ニューロメジンU]]||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/35466 Nmu]
|-
| colspan="5" |'''''テンシンおよびキニン'''''
|-
| [[キニノーゲン-1]] || [http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=6383 KNG1]||[[キニノーゲン-1前駆体]], [[アイソフォーム多数]]||[[ブラジキニン]], [[カリジン]], [[低分子型-K-キニン]], [[高分子型-K-キニン]] ||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/16416 Kng1]
|-
| [[アンギオテンシン]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=333 AGT]||[[アンギオテンシノーゲンプレタンパク質]]||[[アンギオテンシンI]], [[アンギオテンシンII]], [[アンギオテンシン-(1–7)]] ||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/11393 Agt]
|-
| [[ニューロテンシン]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=8038 NTS]||[[プレプロニューロテンシン]] ||[[ニューロテンシン]] ([[NT]]), [[ニューロメジンN]] ||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/43248 Nts]
|-
| colspan="5" |'''''グラニンファミリー'''''
|-
| [[クロモグラニンA]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=1929 CHGA]||[[クロモグラニンA前駆体]]||[[クロモグラニンA]], [[βグラニン]], [[バソスタチン]]||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/12437 Chga]
|-
|rowspan="2"| [[クロモグラニンB]]||rowspan="2"| [http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=1930 CHGB]||[[クロモグラニンB前駆体]]||[[クロモグラニンB]] ([[セクレトグラニンI]]), [[CCBペプチド]], [[GAWKペプチド]]|| rowspan="2" |[http://mouse.brain-map.org/gene/show/12438 Chgb]
|-
| [[クロモグラニンB前駆体変異体]]||[[クロモグラニンB]] ([[セクレトグラニンI]])
|-
| [[セクレトグラニンII]]|| [http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=10575 SCG2]||[[セクレトグラニンII前駆体]], [[クロモグラニンC前駆体]]||[[セクレトグラニンII]] ([[クロモグラニンC]]), [[EM66]], [[セクレトニューリン]]||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/20017 Scg2]
|-
| [[セクレトグラニンIII]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=13707 SCG3]||[[セクレトグラニンIII前駆体]]||[[セクレトグラニンIII]]||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/20018 Scg3]
|-
|[[分泌顆粒神経内分泌タンパク質1, 7B2]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=10816 SCG5]||[[分泌顆粒神経内分泌タンパク質前駆体]]||[[分泌顆粒神経内分泌タンパク質-1]] ([[7B2]], [[セクレトグラニン5]])||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/37554 Sgne1]
|-
| [[VGF 神経成長因子誘導タンパク質]]|| [http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=12684 VGF]||[[VGF-前駆体]]||[[VGF]] ([[NGF誘導タンパク質]], [[神経分泌タンパク質]]), [[TLPQ-62]], [[TLPQ-21]], [[AQEE-30]], [[LQEQ-19]]||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/120344 Vgf]
|-
| colspan="5" |'''''モチリンファミリー'''''
|-
|rowspan="2"| [[モチリン]]  ||rowspan="2"|[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=7141 MLN]||[[プレプロモチリンアイソフォーム1]] ||[[モチリン]]|| rowspan="2" |登録なし
|-
| [[プレプロモチリンアイソフォーム2]]||[[モチリン]], [[モチリン関連ペプチド]]
|-
| [[グレリン]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=18129 GHRL]||[[プレプログレリン]]||[[グレリン]], [[オベスタチン]]||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/37554 Ghrl]
|-
| colspan="5" |'''''ガラニンファミリー'''''
|-
| [[ガラニン]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=4114 GAL]||[[プレプロガラニン]]||[[ガラニン]], [[ガラニンメッセージ関連ペプチド]] ([[GMAP]])||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/14195 Gal]
|-
| [[ガラニン様ペプチド前駆体]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=24840 GALP]||[[ガラニン様ペプチド前駆体]]||[[ガラニン様ペプチド]] ([[GALP]])||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/87492 Galp]
|-
| colspan="5" |'''''GnRH ファミリー'''''
|-
|[[性腺刺激ホルモン放出ホルモン]] || [http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=4419 GnRH1]||[[プレプロGnRH1]] ||[[性腺刺激ホルモン放出ホルモン]] ([[LHRH]], [[ゴナドリベリン]]) ||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/14490 Gnrh1]
|-
|rowspan="3"| [[性腺刺激ホルモン放出ホルモン]]||rowspan="3"| [http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=4420 GnRH2]||[[プレプロGNRH2]], [[アイソフォームa]]||[[性腺刺激ホルモン放出ホルモン]] ([[LHRH II]], [[ゴナドリベリンII]])|| rowspan="3" |マウスになし
|-
| [[プレプロGNRH2]], [[アイソフォームb]]||[[GnRH2]] ([[LHRH II]], [[ゴナドリベリンII]])
|-
| [[プレプロGNRH2]], [[アイソフォームc]]||[[GnRH2]] ([[LHRH II]], [[ゴナドリベリンII]])
|-
| colspan="5" |'''''ペプチドB/Wファミリー'''''
|-
| [[ニューロペプチドB]]|| [http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=30099 NPB]||[[プレプロニューロペプチドB]], [[PPL7]]||[[ニューロペプチドB-23]] ([[ペプチドL7]]), [[ニューロペプチドB-29]],||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/84044 Npb]
|-
| [[ニューロペプチドW]]|| [http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=30509 NPW]||[[プレプロニューロペプチドW]], [[PPL8]]||[[ニューロペプチドW-23]] ([[ペプチドL8]]), [[ニューロペプチドW-30]],||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/120057 Npw]
|-
| [[ニューロペプチドS]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=33940 NPS]||[[プレプロニューロペプチドS]]||[[ニューロペプチドS]]||
|-
| colspan="5" |'''''ニューレキソフィリン'''''
|-
| [[ニューレキソフィリン-1]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=20693 NXPH1]||[[ニューレキソフィリン1前駆体]]||[[ニューレキソフィリン-1]]||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/17998 MXPH1]
|-
| [[ニューレキソフィリン-2]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=8076 NXPH2]||[[ニューレキソフィリン2前駆体]]||[[ニューレキソフィリン-2]]||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/17999 MXPH2]
|-
| [[ニューレキソフィリン-3]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=8077 NXPH3]||[[ニューレキソフィリン3前駆体]]||[[ニューレキソフィリン-3]]||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/68245 MXPH3]
|-
| [[ニューレキソフィリン-4]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=8078 NXPH4]||[[ニューレキソフィリン4前駆体]]||[[ニューレキソフィリン-4]]||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/68246 Nxph4]
|-
| colspan="5" |'''''インスリン ファミリー'''''
|-
| [[インスリン]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=6081 INS]||[[プレプロインスリン]]||[[インスリン]]||
|-
| [[インスリン様成長因子-1]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=5464 IGF1]||[[IGF-1前駆体]]||[[IGF-1]] ([[ソマトメジンC]])||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/15773 Igf1]
|-
| [[インスリン様成長因子-2]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=5466 IGF2]||[[IGF-2前駆体]]||[[IGF-2]] ([[ソマトメジンA]])||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/15775 Igf2]
|-
| [[リラキシン-1]] ||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=10026 RLN1]||[[プレプロリラキシン1]]||[[リラキシン1]]||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/19536 Rln1]
|-
|rowspan="2"| [[リラキシン-2]]||rowspan="2"|[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=10027 RLN2]||[[プレプロリラキシン2]], [[アイソフォーム1]]||[[リラキシン2]]|| rowspan="2" |マウスになし
|-
| [[プレプロリラキシン2]], [[アイソフォーム2]]||[[リラキシン2]]
|-
| [[リラキシン-3]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=17135 RLN3]||[[プレプロリラキシン3]]||[[リラキシン3]]||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/84379 Rln3]
|-
| colspan="5" |'''''その他のニューロペプチド'''''
|-
| [[甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン]] || [http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=12298 TRH]||[[プレプロTRH]] ||[[甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン]]([[TRH,チロリベルロン]])||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/21801 Trh]
|-
| [[副甲状腺ホルモン様ホルモン]]|| [http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=9607 PTHLH]||[[プレプロPTH様ホルモン]], [[アイソフォーム1]]||[[PTHrP-(1-36)]], [[PTHrP-(38-94)]], [[PTHrP-(107-139)]] ([[オステオスタチン]])||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/18990 Pthlh]
|-
| [[メラニン濃縮ホルモン]]|| [http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=9109 PMCH]||[[プレプロMCH]] ||メラニン濃縮ホルモン ([[MCH]]), [[ニューロペプチドGlu-Ile]] ([[NEI]]),  [[ニューロペプチドGly-Glu]] ([[NGE]]) ||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/56 Pmch]
|-
| [[ヒポクレチン]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=4847 HCRT]||[[プレプロヒポクレチン]]||[[ヒポクレチン-1]] ([[オレキシンA]]), [[ヒポクレチン-2]] ([[オレキシンB]])||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/14947 Hcrt]
|-
|[[コカインおよびアンフェタミン制御転写物]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=24323 CART]||[[プレプロCART]]||[[CART-(1-39)]], [[CART-(42-89)]]||[http://developingmouse.brain-map.org/experiment/show/72077479 Cart]
|-
|rowspan="2"| [[アグチ関連タンパク質ホモログ]]||rowspan="2"| [http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=330 AGRP]||[[AGRP前駆体アイソフォーム1]]||[[AGRP]]|| rowspan="2" |[http://mouse.brain-map.org/gene/show/11391 Agrp]
|-
| [[プレプロAGRPアイソフォーム2]]||[[AGRP]]
|-
| [[プロラクチン]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=9445 PRL]|| [[プロラクチン前駆体]]||[[プロラクチン]]||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/18872 Prl]
|-
| [[アペリン]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=16665 APLN]||[[プレプロアペリン]]||[[アペリン-13]], [[アペリン-17]], [[アペリン-36]] ([[APJリガンド]], [[AGTRL1リガンド]])||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/29869 Apln]
|-
|[[腫瘍転移抑制遺伝子KiSS]]|| [http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=6341 KISS1]||[[Kiss-1]]||[[メタスチン]] ([[キスペプチン-54]]), ([[golgi transport 1 homolog A]], [[golt1a]]), [[キスペプチン-14]], [[キスペプチン-13]], [[キスペプチン-10]],||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/93588 Kiss1]
|-
|rowspan="3"| [[ジアゼパム結合阻害ペプチド]]||rowspan="3"|[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=2690 DBI]||[[DBIアイソフォーム1]]||[[ジアゼパム結合阻害ペプチド]]|| rowspan="3" |[http://mouse.brain-map.org/gene/show/12947 Dbi]
|-
| [[DBIアイソフォーム2]]||[[ジアゼパム結合阻害ペプチド]]
|-
| [[DBIアイソフォーム3]]||[[ジアゼパム結合阻害ペプチド]]
|-
| colspan="5" |'''''セレベリン'''''
|-
| [[セレベリン1]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=1543 CBLN1]||[[セレベリン1前駆体]]||[[セレベリン1]] ([[Cbln1]])||登録なし
|-
| [[セレベリン2]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=1544 CBLN2]||[[セレベリン2前駆体]]||[[セレベリン2]] ([[Cbln2]])||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/12190 Cbln2]
|-
| [[セレベリン3]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=20146 CBLN3]||[[セレベリン3前駆体]]||[[セレベリン3]] ([[Cbln3]])||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/35690 Cbln3]
|-
| [[セレベリン4]]|| [http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=16231 CBLN4]||[[セレベリン4前駆体]]||[[セレベリン4]] ([[Cbln4]], [[セレベリン様糖タンパク質-1]])||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/86816 Cbln4]
|-
| colspan="5" |'''''Adipose ニューロeペプチドs'''''
|-
| [[レプチン/ob遺伝子産物]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=6553 LEP]||[[プレプロレプチン]]||[[レプチン]] ([[オベシン]]) ||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/16617 Lep]
|-
| [[アディポネクチン]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=13633 ADIPOQ]||[[アディポネクチン前駆体]]||[[アディポネクチン]] ([[Acpr30]], [[脂肪細胞補体関連タンパク質]]; [[脂肪細胞]], [[C1Qコラーゲンドメイン含有]])||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/11239 Adipoq]
|-
| [[ビスファチン/ニコチンアシドフォスフォリボジル転移酵素]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=30092 NAMPT]||[[ビスファチン前駆体]]||[[ビスファチン-1]] ([[プレB細胞コロニー形成因子-1]] ([[PBEF1]]), [[ニコチンアシドフォスフォリボジル転移酵素]])||[http://developingmouse.brain-map.org/experiment/show/68199390 Nampt]
|-
|rowspan="2"| [[レジスチン]]||rowspan="2"| [http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=20389 RETN]||[[レジスチン前駆体]]||[[レジスチン]] ([[システインリッチ分泌タンパク質 FIZZ3]], [[脂肪組織特異的分泌因子]], [[システインリッチ分泌タンパク質 A12-α様2]], [[ADSF]], [[Xcp4]])|| rowspan="2" |[http://mouse.brain-map.org/gene/show/36540 Retn]
|-
| [[レジスチンδ2前駆体]]||[[レジスチンδ2]]
|-
| [[レジスチン様α]]||ヒトになし<br>RETNLA (マウス)||[[レジスチン様分子α前駆体]] ([[RELMα]])||[[レジスチン様分子α]] (found in inflammatory zone 1; [[FIZZ1]], [[低酸素誘導マイドシミン因子]], [[Xcp2]])||該当なし
|-
| [[レジスチン様β]]||[http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=20388 RETNB]||[[レジスチン様分子β前駆体]] ([[RELMβ]])||[[レジスチン様分子β]] ([[システインリッチ分泌タンパク質 FIZZ2]], [[大腸小腸特徴的システインリッチタンパク質]], [[システインリッチ分泌タンパク質 A12-α様 1]], [[Colon carcinoma-関連gene protein]], [[Xcp3]])||登録なし
|-
| [[レジスチン様γ]]||ヒトになし<br>RETNLAG (マウス)||[[レジスチン様分子γ前駆体]] ([[RELMγ]])||[[レジスチン様分子γ]] ([[システインリッチ分泌タンパク質 FIZZ3]], [[Xcp1]])||[http://developingmouse.brain-map.org/experiment/show/74990490 Retnlg]
|-
| [[ヌクレオビンジン-2/NEFA]]|| [http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=8044 NUCB2]||[[ヌクレオビンジン-2]]||[[ネスファチン-1]]||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/32802 Nucb2]
|-
| [[ユビキチン様5]]|| [http://www.genenames.org/cgi-bin/gene_symbol_report?hgnc_id=13736 UBL5]||[[ビーコン前駆体]]||[[ビーコン]]||[http://mouse.brain-map.org/gene/show/42020 Ubl5]
|-
|}
J Peter H Burbachの了承のもとに編集部にて翻訳、改変。


 神経ペプチドの[[受容体]]はほとんどが、[[Gタンパク質共役型受容体|Gタンパク質共役型]]であり[[イオンチャネル型受容体|イオンチャネル型]]のものはない。したがって、[[細胞内シグナル伝達系]]を介して作用する。代表的なものはGsとGiを介する[[cAMP]]合成の促進と抑制、GiあるいはGoのGβγによる[[GIRKチャネル]](G-protein-coupled inwardly rectifying potassium channels, Kir3)の活性化、およびGq/11を介する[[イノシトール-3-リン酸]](IP3)と[[ジアシルグリセルール]](DAG)の産生である。なお、[[酵素共役型受容体]]([[グアニル酸シクラーゼ]]、[[チロシンリン酸化|チロシンキナーゼ]])も一部のペプチドでは知られている。
==外部リンク==
*[http://www.neuropeptides.nl/ Neuropeptide Database]


== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
22行目: 316行目:
<references />
<references />


 
{{テンプレート:Neuropeptides}}
(執筆者:加藤昌克、担当編集者:河西晴郎)

2023年2月1日 (水) 23:54時点における最新版

加藤 昌克
東京医療学院大学
DOI: 10.14931/bsd.807 原稿受付日:2012年3月16日 原稿完成日:2015年11月24日
担当編集委員:河西 春郎(東京大学 大学院医学系研究科)

英:neuropeptide 独:Neuropeptide 仏:neuropeptide

 神経ペプチドは神経系に発現し生理活性をしめすペプチドの総称である。

発見の歴史と日本人の貢献

 ロジェ・ギルマン(R. Guillemin)とアンドルー・ウィクター・シャリー(A. V. Schally)が、「脳のペプチドホルモン産生に関する発見」で、1977年にノーベル賞を受けている。彼らは何万ものから生理活性を指標にペプチドを単離した。その研究において有村章(A. Arimura)、松尾壽之(H. Matsuo)らが重要な役割を演じている。また、「ペプチドホルモンの放射性同位元素標識免疫検定法(radioimmunoassay, RIA)の開発」でロサリン・ヤロー(R. S. Yalow)が同時受賞している。これらの発見と技術開発はペプチドの研究、特に内分泌学に革命的な変化をもたらした。その後、脳や管から多くのペプチドが単離され、C末端のアミド化された構造が多くのペプチドに共通することが明らかになった。V. Muttと立元一彦(K. Tatemoto)はその構造に着目し単離する化学的方法を開発した [1]。この方法によりニューロペプチドY(neuropeptide Y; NPY)やガラニン(galanin)などの多くのペプチドが発見された。名称も生理活性ではなく構造から付けられた。例えば、NPYはチロシン(Y)残基を多く含むことによる。また、galaninはグリシン(G)で始まり、アラニンで終わる構造である。近年に至って寒川賢治(K. Kangawa)らがグレリン(ghrelin)を発見している[2]。このような歴史を経て現在までに、90の遺伝子が明らかになり、約100の神経ペプチドが知られるようになった[3][4])。

生理作用

 神経ペプチドは中枢のみならず末梢神経系にも存在し、細胞間の信号伝達分子として働いている。内分泌機能、生殖摂食の調節、学習記憶痛覚に関与する。たとえば、視床下部ニューロンの多くは神経ペプチドを含有する。オキシトシン(oxytocin, OT)ニューロンとバゾプレシン(vasopressin, VP)ニューロンは視床下部室傍核視索上核細胞体をもち、下垂体後葉に投射して後葉ホルモン(OT, VP)を分泌する。VPは抗利尿ホルモン(antidiuretic hormone, ADH)とも呼ばれる。また下垂体前葉を支配するのは正中隆起軸索を投射する向下垂体ニューロンである。ドーパミンニューロン以外はペプチド含有ニューロンである。それらは、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH、LHRH)、ソマトスタチン(somatostatin)を分泌する。生殖には、GnRH、キスペプチン(kisspeptin)、エンケファリン(enkephalin)などが関与する。摂食の調節にはオレキシン(orexin), agouti-related peptide (AgRP), NPY, プロオピオメラノコルチン (proopiomelanocortin, POMC), コカイン・アンフェタミン調節転写産物 (cocaine and amphetamine regulated transcript, CART), グレリン(ghrelin), メラニン濃縮ホルモン (melanin concentrating hormone, MCH)などのペプチドが関与する。また、学習・記憶に関わる神経ペプチドには、ソマトスタチン、バゾプレシン、ACTH、CRH、α-メラノサイト刺激ホルモン (α-melanocyte stimulating hormone, α-MSH)などが知られている。痛覚に関与するのは、サブスタンスP (substance P)、ニューロキニンA (neurokinin A)、カルシトニン遺伝子関連ペプチド (CGRP) およびβ-エンドルフィン(β-endorphin)などである。

生合成と作用機構

 神経ペプチドは遺伝子にコードされており、転写翻訳およびプロセッシングによって合成される。合成された神経ペプチドは、シナプス小胞(synaptic vesicle、直径, 50-100 nm)ではなく、分泌小胞(secretory vesicle、直径, 100 nm以上)に貯蔵され開口放出される。放出は軸索末端からだけではなく、細胞体樹状突起でもおこるが、シナプス部位で放出されるものは少ない。放出されたペプチドは比較的高濃度で細胞間隙に存在する。例えば、視床下部視索上核(supraoptic nucleus, SON)におけるオキシトシンの細胞外濃度は5-20 nMである。しかも半減期が約20分と長い。これは、グルタミン酸における取り込みやアセチルコリンの分解のような不活化機構が存在しないからである。そのために分泌部位から遠く離れたところにまで作用を及ぼすことになる[5]後葉ホルモンと向下垂体ホルモンは軸索末端から放出されるが、そこにはシナプス構造はなく血管周囲に直接放出され血流で標的部位まで運ばれる。このように神経細胞の性質と内分泌細胞の性質を兼ね備えていることからこれらのニューロンは神経内分泌細胞(neuroendocrine cell)と呼ばれる。また、このような分泌様式を神経分泌(neurosecretion)という。

 神経ペプチドの受容体はほとんどが、Gタンパク質共役型でありイオンチャネル型のものはない。したがって、細胞内シグナル伝達系を介して作用する。代表的なものはGsとGiを介するcAMP合成の促進と抑制、GiあるいはGoのGβγによるGIRKチャネル(G-protein-coupled inwardly rectifying potassium channels, Kir3)の活性化、およびGq/11を介するイノシトール-3-リン酸(IP3)とジアシルグリセルール(DAG)の産生である。なお、酵素共役型受容体グアニル酸シクラーゼチロシンキナーゼ)も一部のペプチドでは知られている。

J Peter H Burbachの了承のもとに編集部にて翻訳、改変。

外部リンク

参考文献

  1. Tatemoto, K., Carlquist, M., & Mutt, V. (1982).
    Neuropeptide Y--a novel brain peptide with structural similarities to peptide YY and pancreatic polypeptide. Nature, 296(5858), 659-60. [PubMed:6896083] [WorldCat] [DOI]
  2. Kojima, M., Hosoda, H., Date, Y., Nakazato, M., Matsuo, H., & Kangawa, K. (1999).
    Ghrelin is a growth-hormone-releasing acylated peptide from stomach. Nature, 402(6762), 656-60. [PubMed:10604470] [WorldCat] [DOI]
  3. 3.0 3.1 Neuropeptide Database
  4. 4.0 4.1 Burbach, J.P. (2010).
    Neuropeptides from concept to online database www.neuropeptides.nl. European journal of pharmacology, 626(1), 27-48. [PubMed:19837055] [WorldCat] [DOI]
  5. Ludwig, M., & Leng, G. (2006).
    Dendritic peptide release and peptide-dependent behaviours. Nature reviews. Neuroscience, 7(2), 126-36. [PubMed:16429122] [WorldCat] [DOI]