「外側膝状核」の版間の差分

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 [[哺乳類]]脳の[[視床]]の後部(尾側)外側(耳側)に張り出している[[神経細胞]]の集まり([[神経核|核]])で、名称はこの細胞集団の形状が膝状に折れ曲がっていることに由来する('''図1''')。背側に大きく張り出している[[外側膝状核背側核|背側核]] (lateral geniculate nucleus dorsal nucleus, 以下LGNdと略)と腹側に位置する比較的小さな[[外側膝状核腹側核|腹側核]] (lateral geniculate nucleus ventral nucleus, 以下LGNvと略)に別れる。
 [[哺乳類]]脳の[[視床]]の後部(尾側)外側(耳側)に張り出している[[神経細胞]]の集まり([[神経核|核]])で、名称はこの細胞集団の形状が膝状に折れ曲がっていることに由来する('''図1''')。背側に大きく張り出している[[外側膝状核背側核|背側核]] (lateral geniculate nucleus dorsal nucleus, 以下LGNdと略)と腹側に位置する比較的小さな[[外側膝状核腹側核|腹側核]] (lateral geniculate nucleus ventral nucleus, 以下LGNvと略)に別れる。
===入出力===
===入出力===
 LGNdは哺乳類では層状構造を示すことが知られているが層の数や細胞構成は動物種によって大きく異なる<ref name=Jones2007>'''E.G. Jones, Ed (2007).'''<br>The Thalamus. Second Edition, Vol. II Part IV. Individual Thalamic Nuclei, 9. The lateral geniculate nucleus. Cambridge University Press, New York.</ref>[1]。研究が進んでいる多くの[[霊長類]]では6層構造を示し第1、4、6層は反対側の網膜から、第2、3、5層は同側の[[網膜]]から入力を受ける('''図2''')。
 LGNdは哺乳類では層状構造を示すことが知られているが層の数や細胞構成は動物種によって大きく異なる<ref name=Jones2007>'''E.G. Jones, Ed (2007).'''<br>The Thalamus. Second Edition, Vol. II Part IV. Individual Thalamic Nuclei, 9. The lateral geniculate nucleus. Cambridge University Press, New York.</ref>。研究が進んでいる多くの[[霊長類]]では6層構造を示し第1、4、6層は反対側の網膜から、第2、3、5層は同側の[[網膜]]から入力を受ける('''図2''')。
[[ファイル:Lateral geniculate nucleus.png|サムネイル|'''図2. 霊長類LGNdの層構造<br>'''右下の弧状、影付き部分は単眼視領域 (monocular region) を示す。Wikipediaより。]]
[[ファイル:Lateral geniculate nucleus.png|サムネイル|'''図2. 霊長類LGNdの層構造<br>'''右下の弧状、影付き部分は単眼視領域 (monocular region) を示す。Wikipediaより。]]


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===細胞構築===
===細胞構築===
 神経細胞レベルでは、網膜からの情報を[[大脳皮質]][[視覚野]]に中継する細胞(relay cell)、この中継を修飾、或いは変調する[[介在細胞]]からなる。LGNdでは、[[中継細胞]]はさらに比較的大型の[[大細胞]](ネコでは[[Y cell]]、霊長類では[[magnocellular cell]]、或いは[[M cell]]と呼ばれる)と小型の小細胞(ネコでは[[X cell]]、霊長類では[[parvocellular cell]]、或いは[[P cell]]と呼ばれる)が存在する<ref name= Sherman2003>'''Sherman S.M. & Guillery R.W. (2003).'''<br>The Visual Neurosciences (Eds. Chalupa L.M. & Werner J.S.) Chapter 35 The Visual Relays in the Thalamus. [https://doi.org/10.7551/mitpress/7131.003.0042 [DOI<nowiki>]</nowiki>]</ref>[2]。霊長類では背側の4層は主にP cellから、腹側の2層は主にM cellからなり、各層の腹側部分に[[koniocellular cell]]あるいは[[K cell]]が見られる。ネコではC層やC1、C2層には[[W cell]]と呼ばれる細胞群が存在する。ラットやマウスのLGNdでは、同様に3種に分けることができネコに準じてX-like、Y-like、W-like cellと呼ばれる<ref name=Ciftcioglu2020><pubmed>32350041</pubmed></ref>[3]。LGNdの神経細胞の形態や機能は視覚の発達している動物で多く研究されてきたので、本稿では主にサルやネコのLGNdに関する知見を解説するが、最近増えてきたマウスやラットの知見も追加的に紹介する。
 神経細胞レベルでは、網膜からの情報を[[大脳皮質]][[視覚野]]に中継する細胞(relay cell)、この中継を修飾、或いは変調する[[介在細胞]]からなる。LGNdでは、[[中継細胞]]はさらに比較的大型の[[大細胞]](ネコでは[[Y cell]]、霊長類では[[magnocellular cell]]、或いは[[M cell]]と呼ばれる)と小型の小細胞(ネコでは[[X cell]]、霊長類では[[parvocellular cell]]、或いは[[P cell]]と呼ばれる)が存在する<ref name= Sherman2003>'''Sherman S.M. & Guillery R.W. (2003).'''<br>The Visual Neurosciences (Eds. Chalupa L.M. & Werner J.S.) Chapter 35 The Visual Relays in the Thalamus. [https://doi.org/10.7551/mitpress/7131.003.0042 [DOI<nowiki>]</nowiki>]</ref>。霊長類では背側の4層は主にP cellから、腹側の2層は主にM cellからなり、各層の腹側部分に[[koniocellular cell]]あるいは[[K cell]]が見られる。ネコではC層やC1、C2層には[[W cell]]と呼ばれる細胞群が存在する。ラットやマウスのLGNdでは、同様に3種に分けることができネコに準じてX-like、Y-like、W-like cellと呼ばれる<ref name=Ciftcioglu2020><pubmed>32350041</pubmed></ref>。LGNdの神経細胞の形態や機能は視覚の発達している動物で多く研究されてきたので、本稿では主にサルやネコのLGNdに関する知見を解説するが、最近増えてきたマウスやラットの知見も追加的に紹介する。


== 背側核の機能 ==
== 背側核の機能 ==
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| 約80% || 約10% || 約10%
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参考文献<ref name=Gokce2003><pubmed>12906030</pubmed></ref>5より改変。
参考文献<ref name=Gokce2003><pubmed>12906030</pubmed></ref>より改変。


=== 視覚情報中継の動的修飾、変調機能 ===
=== 視覚情報中継の動的修飾、変調機能 ===
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==== 脳幹からの変調作用 ====
==== 脳幹からの変調作用 ====
 視床の感覚情報中継機能は[[脳幹網様体賦活系]]の影響を受けることは古くから良く知られているが、その中でもLGNdが受ける作用に関しては多くの研究がある。脳幹網様体のなかでも特に[[橋]]部の[[結合腕傍核領域]](parabrachial region)と呼ばれる部分からLGNdに投射している[[アセチルコリン]]作動性の投射が変調作用に関与しているという<ref name=Jones2007 />[1]。アセチルコリン作動性投射のもう一つの源は[[マイネルト基底核]]を含む[[前脳基底核]]にもある。これらのアセチルコリン作動性投射はLGNd中継細胞の樹状突起や介在細胞のシナプス前突起に接続している。アセチルコリン作動性投射は[[睡眠]][[覚醒]]にも関与しているので、この投射系の存在は[[意識]]状態によって視覚情報の中継が変調されることを意味している。具体的には中継細胞の反応をより持続的にしたり受容野の中心-周辺の対比を強めたりするという。これは覚醒によって空間分解能が向上することに関与していると解釈されている。一方、[[青斑核]]からの[[ノルアドレナリン]]作動性の投射がLGNdにみられることからノルアドレナリン投射系が睡眠覚醒状態による中継機能の変調に関与しているとの想定もある。また、中脳[[縫線核]]の[[セロトニン]]作動性投射の起始核からの投射がみられ、セロトニンをLGNd中継細胞に直接投与すると弱い抑制的作用がみられることからこの縫線核からの投射もLGNdを介して視覚情報中継の変調に関与していると想定されている。
 視床の感覚情報中継機能は[[脳幹網様体賦活系]]の影響を受けることは古くから良く知られているが、その中でもLGNdが受ける作用に関しては多くの研究がある。脳幹網様体のなかでも特に[[橋]]部の[[結合腕傍核領域]](parabrachial region)と呼ばれる部分からLGNdに投射している[[アセチルコリン]]作動性の投射が変調作用に関与しているという<ref name=Jones2007 />。アセチルコリン作動性投射のもう一つの源は[[マイネルト基底核]]を含む[[前脳基底核]]にもある。これらのアセチルコリン作動性投射はLGNd中継細胞の樹状突起や介在細胞のシナプス前突起に接続している。アセチルコリン作動性投射は[[睡眠]][[覚醒]]にも関与しているので、この投射系の存在は[[意識]]状態によって視覚情報の中継が変調されることを意味している。具体的には中継細胞の反応をより持続的にしたり受容野の中心-周辺の対比を強めたりするという。これは覚醒によって空間分解能が向上することに関与していると解釈されている。一方、[[青斑核]]からの[[ノルアドレナリン]]作動性の投射がLGNdにみられることからノルアドレナリン投射系が睡眠覚醒状態による中継機能の変調に関与しているとの想定もある。また、中脳[[縫線核]]の[[セロトニン]]作動性投射の起始核からの投射がみられ、セロトニンをLGNd中継細胞に直接投与すると弱い抑制的作用がみられることからこの縫線核からの投射もLGNdを介して視覚情報中継の変調に関与していると想定されている。


==== 大脳皮質からのフィードバック投射とその機能的役割 ====
==== 大脳皮質からのフィードバック投射とその機能的役割 ====
 LGNdには投射先である大脳皮質視覚野より下向性(遠心性)の投射がある。ネコやサルなど層構造の明瞭なLGNdにはその投射線維の終末は単一の層内に分布するが、ラット、マウスなど層構造が明瞭でないLGNdでは全体に分布するという。ただ、この遠心性投射には中継細胞よりは少し緩いが網膜部位対応があり、元の中継細胞とその近傍に情報を送り返すというフィードバック回路を形成する。この大脳皮質→LGNd遠心性投射は量的にはLGNd→大脳皮質の求心性投射を陵駕する濃密なもので、ネコのLGNdでは網膜神経節細胞軸索が形成するシナプスは全シナプスの5-10%であるのに対して大脳皮質からの遠心性投射軸索が形成するシナプスは30-50%を占めると推測されている<ref name=Sillito2003>'''Sillito, A.M. & Jones, H.E. (2003).'''<br>The Visual Neurosciences (Eds. Chalupa L.M. & Werner J.S.) Chapter 37 Feedback Systems in Visual Processing. The MIT Press, Cambridge Massachusetts USA & London UK. [https://doi.org/10.7551/mitpress/7131.003.0044 [DOI<nowiki>]</nowiki>]</ref>[6]。ただ、前者は樹状突起近位部にあるのに対して後者は遠位部に分布する。すなわち網膜からの入力は効率よく中継細胞を駆動できるのに対して皮質からの遠心性投射の効率は比較的低い。したがって、前者をdriver synapse 後者をmodulator synapseと考える場合がある。また、大脳皮質からの遠心性投射線維は前述した介在細胞や膝状体周辺核の抑制性細胞にも投射している。  
 LGNdには投射先である大脳皮質視覚野より下向性(遠心性)の投射がある。ネコやサルなど層構造の明瞭なLGNdにはその投射線維の終末は単一の層内に分布するが、ラット、マウスなど層構造が明瞭でないLGNdでは全体に分布するという。ただ、この遠心性投射には中継細胞よりは少し緩いが網膜部位対応があり、元の中継細胞とその近傍に情報を送り返すというフィードバック回路を形成する。この大脳皮質→LGNd遠心性投射は量的にはLGNd→大脳皮質の求心性投射を陵駕する濃密なもので、ネコのLGNdでは網膜神経節細胞軸索が形成するシナプスは全シナプスの5-10%であるのに対して大脳皮質からの遠心性投射軸索が形成するシナプスは30-50%を占めると推測されている<ref name=Sillito2003>'''Sillito, A.M. & Jones, H.E. (2003).'''<br>The Visual Neurosciences (Eds. Chalupa L.M. & Werner J.S.) Chapter 37 Feedback Systems in Visual Processing. The MIT Press, Cambridge Massachusetts USA & London UK. [https://doi.org/10.7551/mitpress/7131.003.0044 [DOI<nowiki>]</nowiki>]</ref>。ただ、前者は樹状突起近位部にあるのに対して後者は遠位部に分布する。すなわち網膜からの入力は効率よく中継細胞を駆動できるのに対して皮質からの遠心性投射の効率は比較的低い。したがって、前者をdriver synapse 後者をmodulator synapseと考える場合がある。また、大脳皮質からの遠心性投射線維は前述した介在細胞や膝状体周辺核の抑制性細胞にも投射している。  


 このように量的には多いが、質的に個々の結合の伝達効率という面からみると必ずしも強くない大量の遠心性投射の機能的意義に関しては未だ充分には解明されていない。Tsumotoらは、同時記録したLGNd中継細胞と大脳皮質細胞活動の相互相関解析によって受容野が対応する場合は興奮性に作用し、周辺のLGNd細胞には抑制性に作用することを明らかにした<ref name=Tsumoto1978><pubmed>210031</pubmed></ref>[7]。すなわち、このフィードバック投射は視覚情報処理の空間分解能の先鋭化に寄与している可能性を示した。その後、Sillitoらは線状の刺激が長くなると反応が減弱するという長さチューニング等最適刺激の先鋭化に貢献していると報告している<ref name=Sillito2003 />[6]。ただ、これらの知見は未だ散発的でこの量的には求心性投射をはるかに陵駕する大量の遠心性投射の機能的意義の全貌は未だ明らかでない。
 このように量的には多いが、質的に個々の結合の伝達効率という面からみると必ずしも強くない大量の遠心性投射の機能的意義に関しては未だ充分には解明されていない。Tsumotoらは、同時記録したLGNd中継細胞と大脳皮質細胞活動の相互相関解析によって受容野が対応する場合は興奮性に作用し、周辺のLGNd細胞には抑制性に作用することを明らかにした<ref name=Tsumoto1978><pubmed>210031</pubmed></ref>。すなわち、このフィードバック投射は視覚情報処理の空間分解能の先鋭化に寄与している可能性を示した。その後、Sillitoらは線状の刺激が長くなると反応が減弱するという長さチューニング等最適刺激の先鋭化に貢献していると報告している<ref name=Sillito2003 />[6]。ただ、これらの知見は未だ散発的でこの量的には求心性投射をはるかに陵駕する大量の遠心性投射の機能的意義の全貌は未だ明らかでない。


== 腹側核細胞の機能 ==
== 腹側核細胞の機能 ==
 LGNvはサルやネコではLGNdに比してかなり小さいが、ラットやマウスではLGNdとほぼ同じ大きさであることなどからLGNvは主にラットやマウスで研究されてきた。このLGNvは構造的には、[[外側大細胞層]](magnocellular external lamina)と[[内側小細胞層]](parvocellular internal lamina)に分けられる<ref name=Ciftcioglu2020><pubmed>32350041</pubmed></ref>[3]。前者は網膜神経節細胞より密な投射を受けるが、後者はほとんど網膜より投射を受けない。また、両者とも大脳皮質に直接軸索を送る細胞が存在しないという点でLGNdとは大きく異なる。さらに、細胞の大部分がGABA作動性であるという点でもLGNdと異なっている。外側大細胞層の細胞は光刺激に反応するがその受容野はLGNdの中継細胞に比べて大きく、その反応は確実性を欠き刺激の点滅に対する追従性が弱いという<ref name=Ciftcioglu2020 />[3]。これは網膜神経節細胞軸索の[[シナプス前終末]]がLGNvではLGNdより小さく単純であるという形態学的な知見に対応するという。LGNv細胞は、外側大細胞層細胞でも、網膜以外の種々の領域からも入力を受けている。最も顕著なものは[[上丘]]浅層からである。上丘浅層は、視覚刺激の方向を向く、接近する、或いは離れる(逃げる)等の視覚誘発運動や眼球運動に関与しているので、LGNv細胞もこれらの運動に関与していると想定されている<ref name=Monavarfeshani2017><pubmed>28965517</pubmed></ref>[4]。その他、前述の[[外側膝状核#脳幹からの変調作用|脳幹からの変調作用]]の節で言及した脳幹の諸領域からの入力も受けている。
 LGNvはサルやネコではLGNdに比してかなり小さいが、ラットやマウスではLGNdとほぼ同じ大きさであることなどからLGNvは主にラットやマウスで研究されてきた。このLGNvは構造的には、[[外側大細胞層]](magnocellular external lamina)と[[内側小細胞層]](parvocellular internal lamina)に分けられる<ref name=Ciftcioglu2020><pubmed>32350041</pubmed></ref>。前者は網膜神経節細胞より密な投射を受けるが、後者はほとんど網膜より投射を受けない。また、両者とも大脳皮質に直接軸索を送る細胞が存在しないという点でLGNdとは大きく異なる。さらに、細胞の大部分がGABA作動性であるという点でもLGNdと異なっている。外側大細胞層の細胞は光刺激に反応するがその受容野はLGNdの中継細胞に比べて大きく、その反応は確実性を欠き刺激の点滅に対する追従性が弱いという<ref name=Ciftcioglu2020 />[3]。これは網膜神経節細胞軸索の[[シナプス前終末]]がLGNvではLGNdより小さく単純であるという形態学的な知見に対応するという。LGNv細胞は、外側大細胞層細胞でも、網膜以外の種々の領域からも入力を受けている。最も顕著なものは[[上丘]]浅層からである。上丘浅層は、視覚刺激の方向を向く、接近する、或いは離れる(逃げる)等の視覚誘発運動や眼球運動に関与しているので、LGNv細胞もこれらの運動に関与していると想定されている<ref name=Monavarfeshani2017><pubmed>28965517</pubmed></ref>。その他、前述の[[外側膝状核#脳幹からの変調作用|脳幹からの変調作用]]の節で言及した脳幹の諸領域からの入力も受けている。


 出力先としてLGNv細胞の多くは上丘浅層に軸索を送っている。また、[[視交叉上核]]([[suprachiasmatic nucleus]])にも投射しているのでLGNv細胞の一部は[[概日リズム]]の修飾にも関与していると想定されている<ref name=Monavarfeshani2017 />[4]。ただ、上記のようにLGNvの細胞の多くはGABA作動性で核外の離れた領域に抑制性の投射をしているので、GABA作動性遠隔投射回路が脱抑制を起こすという大脳基底核回路機能との類推から上丘における抑制回路を抑えて[[視覚誘発運動]]を惹起する機能があるのではないかとの推測もある<ref name=Gokce2003><pubmed>12906030</pubmed></ref>[5]
 出力先としてLGNv細胞の多くは上丘浅層に軸索を送っている。また、[[視交叉上核]]([[suprachiasmatic nucleus]])にも投射しているのでLGNv細胞の一部は[[概日リズム]]の修飾にも関与していると想定されている<ref name=Monavarfeshani2017 />[4]。ただ、上記のようにLGNvの細胞の多くはGABA作動性で核外の離れた領域に抑制性の投射をしているので、GABA作動性遠隔投射回路が脱抑制を起こすという大脳基底核回路機能との類推から上丘における抑制回路を抑えて[[視覚誘発運動]]を惹起する機能があるのではないかとの推測もある<ref name=Gokce2003><pubmed>12906030</pubmed></ref>。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
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* [[抑制性神経細胞]]
* [[抑制性神経細胞]]
* [[脳幹網様体賦活系]]
* [[脳幹網様体賦活系]]
* [[アセチルコリン投射系]]
* [[アセチルコリン]]
* [[青斑核]]
* [[青斑核]]
* [[縫線核]]
* [[縫線核]]