「14-3-3タンパク質」の版間の差分

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==== 阻害物質 ====
==== 阻害物質 ====
 14-3-3タンパク質のリガンド結合部位に結合して14-3-3のタンパク質-タンパク質間相互作用をマスクする阻害剤として、ペプチド性あるいは非ペプチド性の物質が報告されている。ペプチド性物質としては、ファージディスプレイによって発見されたR18ペプチド(PHCVPRDLSWLDLEANMCLP)や、2分子のR18を短いペプチド鎖で連結したdifopeinなどがある<ref name=Wang1999><pubmed>10493820</pubmed></ref><ref name=Masters2001><pubmed>11577088</pubmed></ref>[77][78]。非ペプチド性の阻害物質としては、フタルイミド誘導体であるBV02がある<ref name=Mancini2011><pubmed>21041536</pubmed></ref>[79]。
 14-3-3タンパク質のリガンド結合部位に結合して14-3-3のタンパク質-タンパク質間相互作用をマスクする阻害剤として、[[ペプチド]]性あるいは非ペプチド性の物質が報告されている。ペプチド性物質としては、[[ファージディスプレイ]]によって発見された[[R18ペプチド]](PHCVPRDLSWLDLEANMCLP)や、2分子のR18を短いペプチド鎖で連結した[[difopein]]などがある<ref name=Wang1999><pubmed>10493820</pubmed></ref><ref name=Masters2001><pubmed>11577088</pubmed></ref>[77][78]。非ペプチド性の阻害物質としては、[[フタルイミド]]誘導体である[[BV02]]がある<ref name=Mancini2011><pubmed>21041536</pubmed></ref>[79]。


==== 安定化物質 ====
==== 安定化物質 ====
 14-3-3タンパク質-タンパク質間相互作用の安定化剤としては真菌が産生するジテルペン配糖体であるフシコクシン(FC-A)とそれの誘導体であるコチレニン(CN-A)などがある。これらは14-3-3タンパク質とH<sup>+</sup>-ATPase (PMA2) <ref name=Wurtele2003><pubmed>12606564</pubmed></ref>[80]、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子 (cystic fibrosis transmembrane conductance regulator, CFTR)<ref name=Stevers2016><pubmed>26888287</pubmed></ref>[81]、Raf-1<ref name=Molzan2013><pubmed>23808890</pubmed></ref>[82]とのタンパク質-タンパク質間を安定化することが報告されている。
 14-3-3タンパク質-タンパク質間相互作用の安定化剤としては[[真菌]]が産生する[[ジテルペン配糖体]]である[[フシコクシン-A]]([[FC-A]])とそれの誘導体である[[コチレニン-A]]([[CN-A]])などがある。これらは14-3-3と[[H+-exporting P2-type ATPase|H<sup>+</sup>-exporting P2-type ATPase]] (PMA2) <ref name=Wurtele2003><pubmed>12606564</pubmed></ref>[80]、[[嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子]] ([[cystic fibrosis transmembrane conductance regulator]], [[CFTR]])<ref name=Stevers2016><pubmed>26888287</pubmed></ref>[81]、[[Raf-1]]<ref name=Molzan2013><pubmed>23808890</pubmed></ref>[82]とのタンパク質-タンパク質間を安定化することが報告されている。


=== タンパク質レベルにおける役割 ===
=== タンパク質レベルにおける役割 ===