「ステロイド」の版間の差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
 
(同じ利用者による、間の1版が非表示)
119行目: 119行目:
====エストロゲン受容体====
====エストロゲン受容体====


 エストロゲン受容体には[[ERα]]と[[ERβ]]とがあり、これらは独立した遺伝子から産生される(スプライシングバリアントではない)。ER受容体はリガンドフリーの状態でも核内に存在するが、リガンドと結合すると二量体を形成して標的遺伝子の[[転写調節領域]]に結合する。ERは[[エストロゲン応答配列]] ([[estrogen response element]]: [[ERE]])に直接に結合する以外にも、[[AP-1]]やc[[yclic AMP応答エレメント]]([[cyclic AMP-responsive element]], [[CRE]])様配列にも間接的に作用し遺伝子発現を調節することが知られる。
 エストロゲン受容体には[[ERα]]と[[ERβ]]とがあり、これらは独立した遺伝子から産生される(スプライシングバリアントではない)。ER受容体はリガンドフリーの状態でも核内に存在するが、リガンドと結合すると二量体を形成して標的遺伝子の[[転写調節領域]]に結合する。ERは[[エストロゲン応答配列]] ([[estrogen response element]]: [[ERE]])に直接に結合する以外にも、[[AP-1]][[cyclic AMP応答エレメント]]([[cyclic AMP-responsive element]], [[CRE]])様配列にも間接的に作用し遺伝子発現を調節することが知られる。


 ERの標的遺伝子としては[[プロラクチン]]、[[オボアルブミン]]、[[インスリン様成長因子-1]] ([[insulin-like growth factor-1]], [[IGF-1]])、プレセニリン-2 (trefoil factor 1, TFF-1/pS2)、[[カテプシン]]D、[[c-Myc]], [[cyclin D1]]等が知られる。エストロゲンによるプロラクチン遺伝子の発現調節はEREによるものであるが、オボアルブミンやIGF-1遺伝子の発現調節はAP-1によるものであることが報告されており、発現調節のメカニズムにおいては遺伝子ごとの詳細な解析が必要とされる。
 ERの標的遺伝子としては[[プロラクチン]]、[[オボアルブミン]]、[[インスリン様成長因子-1]] ([[insulin-like growth factor-1]], [[IGF-1]])、プレセニリン-2 (trefoil factor 1, TFF-1/pS2)、[[カテプシン]]D、[[c-Myc]], [[cyclin D1]]等が知られる。エストロゲンによるプロラクチン遺伝子の発現調節はEREによるものであるが、オボアルブミンやIGF-1遺伝子の発現調節はAP-1によるものであることが報告されており、発現調節のメカニズムにおいては遺伝子ごとの詳細な解析が必要とされる。
162行目: 162行目:
*[[シトクロムP450]]
*[[シトクロムP450]]
*[[グルココルチコイド]]
*[[グルココルチコイド]]
*[[エストロゲン]]


== 参考文献 ==
== 参考文献 ==


<references/>
<references/>

ナビゲーション メニュー