「エンドサイトーシス」の版間の差分
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== エンドサイトーシスとは == | == エンドサイトーシスとは == | ||
=== 種類 === | === 種類 === | ||
エンドサイトーシスは飲作用 (pinocytosis)と食作用 (phagocytosis)に大別される。 | |||
==== 飲作用 ==== | ==== 飲作用 ==== | ||
直径約150 | 直径約150 ナノメートル以下の小さな小胞を利用して、細胞外の栄養成分や受容体などのタンパク質を細胞内に取り込む機構である。飲作用はさらに、クラスリン依存的エンドサイトーシス、クラスリン非依存的エンドサイトーシス、カベオリン依存的および非依存的エンドサイトーシスなどに分類される。また、飲作用の特殊な形式としてマクロピノサイトーシス (macropinocytosis)があり、これは直径数マイクロメートルの比較的大きな小胞 (マクロピノソーム)を形成することによって、細胞外溶液や分子を細胞内に取り込む。細胞外液中の物質を細胞内に取り込む機構としてのエンドサイトーシスの他に、開口放出(エキソサイトーシス)によって形質膜に挿入された小胞膜成分を回収する機構があり、これを補償性エンドサイトーシス(compensatory endocytosis)と呼ぶ。 | ||
==== 食作用 ==== | ==== 食作用 ==== | ||
直径数~10マイクロメートルの食胞(ファゴソーム)と呼ばれる大きな小胞によって、病原体や死細胞などを細胞内に取り込み、その後、取り込んだ物を分解・除去する重要な機構である。 | 直径数~10マイクロメートルの食胞(ファゴソーム)と呼ばれる大きな小胞によって、病原体や死細胞などを細胞内に取り込み、その後、取り込んだ物を分解・除去する重要な機構である。 | ||
いずれの場合も、エンドサイトーシスで作られた小胞には液胞型プロトンATPアーゼ (Vacuolar-type H+ ATPase:V-ATPase)が備わっており、ATP加水分解によって生じるエネルギーを使ってプロトンを内腔へと輸送し、小胞内を酸性化させる(pHを下げる)ことが機能的に重要である。例えば、多くの細胞表面受容体は、リガンド(ホルモンや成長因子など)と結合した状態で小胞と共にエンドサイトーシスされ、その後小胞内が酸性化すると、リガンドと受容体の結合が弱まり、リガンドが離れる。この機構により、受容体は再利用(再び形質膜へと運搬)され、リガンドはエンドソームーリソソーム系により分解される。また、シナプス前終末で補償性エンドサイトーシスによって再合成されたシナプス小胞では、V-ATPaseが作るプロトンの電気化学勾配によって小胞型神経伝達物質輸送体が駆動され、神経伝達物質が小胞内部に濃縮される。これにより、持続的なシナプス伝達が可能となる。 | |||
=== 関与するタンパク質群 === | === 関与するタンパク質群 === | ||
エンドサイトーシスの開始から完了までには複数の段階があり、それぞれの過程に重要な働きをする多くのタンパク質が同定されている。エンドサイトーシスの様式によって異なるタンパク質が関与する場合と、多くのエンドサイトーシス様式に共通の機能を果たすタンパク質に分けられるが、その境界は必ずしも明確ではない。以下に、エンドサイトーシス様式別に関与するタンパク質とそれらの機能を概説する。 | エンドサイトーシスの開始から完了までには複数の段階があり、それぞれの過程に重要な働きをする多くのタンパク質が同定されている。エンドサイトーシスの様式によって異なるタンパク質が関与する場合と、多くのエンドサイトーシス様式に共通の機能を果たすタンパク質に分けられるが、その境界は必ずしも明確ではない。以下に、エンドサイトーシス様式別に関与するタンパク質とそれらの機能を概説する。 | ||