「ADPリボシル化因子」の版間の差分

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== 細胞内局在 ==
== 細胞内局在 ==
 Arfは様々な組織に幅広く発現する<ref name=Hosaka1996><pubmed>8947846</pubmed></ref>。内因性Arfの細胞内局在は、分子間の高い同一性から特異的な[[抗体]]の作製が難しく、依然明らかにされていない。[[培養細胞]]への[[強制発現系]]を用いた局在解析から、Arf1-5は[[小胞体]]、[[ゴルジ装置]]、[[エンドソーム]]に主に局在するのに対して、Arf6は細胞膜とエンドソームに局在することが報告されている<ref name=D'Souza-Schorey2006><pubmed>16633337</pubmed></ref><ref name=Radhakrishna1997><pubmed>9314528</pubmed></ref>。[[CRISPR-Cas9]]を用いた[[ゲノム編集]]技術によりクラスI Arf (Arf1, Arf3)とクラスII Arf (Arf4, Arf5)のC末領域にタグをノックインした内因性Arfタンパク質の細胞内局在に関する[[超解像度顕微鏡]]解析の報告によると、[[HeLa細胞]]において、クラスIとクラスII Arfとも[[小胞体–ゴルジ体中間区画]]([[ERGIC]])、ゴルジ装置、[[管状小胞状]]の構造に部分的に共存しながら分布するが、同じ細胞小器官において異なるナノドメインへの局在も示すことから、クラスIとII のArfの各分子は、重複する機能とともに特異的な機能を持つものと考えられる<ref name=Wong-Dilworth2023><pubmed>37102998</pubmed></ref>。
 Arfは様々な組織に幅広く発現する<ref name=Hosaka1996><pubmed>8947846</pubmed></ref>。内因性Arfの細胞内局在は、分子間の高い同一性から特異的な[[抗体]]の作製が難しく、依然明らかにされていない。[[培養細胞]]への[[強制発現系]]を用いた局在解析から、Arf1-5は[[小胞体]]、[[ゴルジ装置]]、[[エンドソーム]]に主に局在するのに対して、Arf6は細胞膜とエンドソームに局在することが報告されている<ref name=D'Souza-Schorey2006><pubmed>16633337</pubmed></ref><ref name=Radhakrishna1997><pubmed>9314528</pubmed></ref>。[[CRISPR-Cas9]]を用いた[[ゲノム編集]]技術によりクラスI Arf (Arf1, Arf3)とクラスII Arf (Arf4, Arf5)のC末領域にタグをノックインした内因性Arfタンパク質の細胞内局在に関する[[超解像度顕微鏡]]解析の報告によると、[[HeLa細胞]]において、クラスIとクラスII Arfとも[[小胞体–ゴルジ体中間区画]]([[ERGIC]])、ゴルジ装置、[[管状小胞状]]の構造に部分的に共存しながら分布するが、同じ細胞小器官において異なるナノドメインへの局在も示すことから、クラスIとII のArfの各分子は、重複する機能とともに特異的な機能を持つものと考えられる<ref name=Wong-Dilworth2023><pubmed>37102998</pubmed></ref>。
[[ファイル:Sakagami Arf Fig.png|サムネイル|'''図. マウスArfの活性化制御分子(GEFとGAP)ファミリーとドメイン構造'''<br>哺乳類のArfGEFは15分子6ファミリーからなり、GEF活性に必須の約200アミノ酸からなるSec7領域を持つ。ArfGAPは31分子10ファミリーに分類されている。<br>ALPS, amphipathic lipid packaging sensor; ANK, ankyrin repeats; BAR, Bin/Amphiphysin/Rvs domain; CC, coiled-coil motif; DCB, dimerization and cyclophilin-binding domain; FAT, focal adhesion targeting domain; HDS, homology downstream of Sec7; HUS, homology upstream of Sec7; IQ, IQ motif; PH, pleckstrin homology domain; RA, Ras-associating domain; SAM, sterile &alpha; motif domain; SH3, Src-homology 3 domain; SLD, synaptic localization domain;]]


[[ファイル:Sakagami Arf Fig.jpg|サムネイル|'''図. マウスArfの活性化制御分子(GEFとGAP)ファミリーとドメイン構造'''<br>哺乳類のArfGEFは15分子6ファミリーからなり、GEF活性に必須の約200アミノ酸からなるSec7領域を持つ。ArfGAPは31分子10ファミリーに分類されている。<br>ALPS, amphipathic lipid packaging sensor; ANK, ankyrin repeats; BAR, Bin/Amphiphysin/Rvs domain; CC, coiled-coil motif; DCB, dimerization and cyclophilin-binding domain; FAT, focal adhesion targeting domain; HDS, homology downstream of Sec7; HUS, homology upstream of Sec7; IQ, IQ motif; PH, pleckstrin homology domain; RA, Ras-associating domain; SAM, sterile &alpha; motif domain; SH3, Src-homology 3 domain; SLD, synaptic localization domain;]]
== 活性化制御 ==
== 活性化制御 ==
 ArfのGDP-GTPサイクルは[[グアニンヌクレオチド交換因子]]([[GEF]])と[[GTPase活性化因子]]([[GAP]])により厳密に調節されている。
 ArfのGDP-GTPサイクルは[[グアニンヌクレオチド交換因子]]([[GEF]])と[[GTPase活性化因子]]([[GAP]])により厳密に調節されている。