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== 歴史的背景 == | == 歴史的背景 == | ||
Mediator of ERBB2-driven cell motility 1 (MEMO1)は、MEMO1遺伝子によりコードされ、[[ヒト]]では297アミノ酸から成る分子量約33kDaのタンパク質である。[[乳がん]]の[[転移]]メカニズムの研究において、がん悪性化に関わる[[受容体型チロシンキナーゼ]][[Erb-b2 receptor tyrosine kinase 2]]([[ERBB2]]、[[HER2]]としても知られる)の細胞内[[アダプタータンパク質]]として2004年に同定された<ref name=Marone2004><pubmed>15156151</pubmed></ref>。 | |||
MEMO1の遺伝子は[[アーキア]]、[[バクテリア]]から[[真核生物]]まで保存されており、タンパク質はバクテリアの非ヘム鉄依存性[[ジオキシゲナーゼ]]と構造的類似性がある(図1、2)<ref name=Qiu2008><pubmed>18045866</pubmed></ref>。[[銅]]イオンと結合し細胞内[[レドックス制御]]に関わることが示され、MEMO1機能の多面性が明らかとなってきた<ref name=MacDonald2014><pubmed>24917593</pubmed></ref><ref name=Zhang2022><pubmed>36067318</pubmed></ref>。 | |||
これまでに報告されているMEMO1の主な細胞内機能は[[シグナル伝達]]制御、[[細胞骨格]]系の制御、細胞内レドックス制御であり、これらの機能によって生体における様々な生理的・病理的現象に関与することがわかってきている。MEMO1は神経系組織にも発現しており、[[大脳皮質]]や[[小脳]]において組織の発生に関わることが示されている。 | |||
== 構造 == | == 構造 == | ||