「セクエストソーム-1」の版間の差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
編集の要約なし
58行目: 58行目:


=== 筋萎縮性側索硬化症、前頭側頭型認知症 ===
=== 筋萎縮性側索硬化症、前頭側頭型認知症 ===
 筋萎縮性側索硬化症では、[[一次運動ニューロン]]および[[二次運動ニューロン]]の選択的かつ進行性の変性により手や足、顔の筋肉を動かすことが困難になる。前頭側頭型認知症は、[[前頭葉]]や[[側頭葉]]など脳の一部に異常タンパク質が蓄積し、[[神経細胞変性]]や脳萎縮の結果生じる[[認知症]]である。家族性及び孤発性の筋萎縮性側索硬化症と前頭側頭型認知症でSQSTM1遺伝子の変異が報告されており、筋萎縮性側索硬化症の2~3%がSQSTM1の変異であると言われている <ref name=Davidson2022><pubmed>35143965</pubmed></ref>。SQSTM1遺伝子内の様々な領域のミスセンス変異が報告されているが、特にUBAに相当する領域に多く見られ、他にもPB1、LIR、KIR領域の変異も存在する。Pro388del、M87V、K102E変異などでは運動ニューロンにp62を含む封入体が観察される。また、筋萎縮性側索硬化症や前頭側頭型認知症で見られる変異のうちLIRやKIR内のミスセンス変異体はp62 bodyの流動性を減少させることが報告されている <ref name=Faruk2021><pubmed>34774801</pubmed></ref>。また、p62のセリンの403番目をリン酸化し、p62 body形成に関与することが想定されるTBK1の遺伝子変異も筋萎縮性側索硬化症と前頭側頭型認知症で報告されている <ref name=Bauer2024><pubmed>39448883</pubmed></ref><ref name=Cirulli2015><pubmed>25700176</pubmed></ref><ref name=Freischmidt2015><pubmed>25803835</pubmed></ref><ref name=Pilli2012><pubmed>22921120</pubmed></ref>。
 筋萎縮性側索硬化症では、[[一次運動ニューロン]]および[[二次運動ニューロン]]の選択的かつ進行性の変性により手や足、顔の筋肉を動かすことが困難になる。前頭側頭型認知症は、[[前頭葉]]や[[側頭葉]]など脳の一部に異常タンパク質が蓄積し、[[神経細胞変性]]や脳萎縮の結果生じる[[認知症]]である。家族性及び孤発性の筋萎縮性側索硬化症と前頭側頭型認知症でSQSTM1遺伝子の変異が報告されており、筋萎縮性側索硬化症の2~3%がSQSTM1の変異であると言われている <ref name=Davidson2022><pubmed>35143965</pubmed></ref>。SQSTM1遺伝子内の様々な領域のミスセンス変異が報告されているが、特にUBAに相当する領域に多く見られ、他にもPB1、LIR、KIR領域の変異も存在する。Pro388del、M87V、K102E変異などでは[[運動ニューロン]]にp62を含む[[封入体]]が観察される。また、筋萎縮性側索硬化症や前頭側頭型認知症で見られる変異のうちLIRやKIR内のミスセンス変異体はp62 bodyの流動性を減少させることが報告されている <ref name=Faruk2021><pubmed>34774801</pubmed></ref>。また、p62のセリンの403番目をリン酸化し、p62 body形成に関与することが想定されるTBK1の遺伝子変異も筋萎縮性側索硬化症と前頭側頭型認知症で報告されている <ref name=Bauer2024><pubmed>39448883</pubmed></ref><ref name=Cirulli2015><pubmed>25700176</pubmed></ref><ref name=Freischmidt2015><pubmed>25803835</pubmed></ref><ref name=Pilli2012><pubmed>22921120</pubmed></ref>。


=== 骨パジェット病 ===
=== 骨パジェット病 ===

ナビゲーション メニュー