「グレリン」の版間の差分

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<font size="+1">[https://researchmap.jp/read0114199 佐藤 貴弘]、[https://researchmap.jp/read40551297 椎村 祐樹]、[https://researchmap.jp/masayasukojima 児島 将康]</font><br>
''久留米大学 分子生命科学研究所''<br>
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2025年3月31日 原稿完成日:2025年10月1日<br>
担当編集委員:[http://researchmap.jp/wadancnp 和田 圭司](国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター)
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英語名:ghrelin<br>略語:Ghrl
{{box|text= グレリン(ghrelin)は、成長ホルモン分泌促進因子受容体(growth hormone secretagogue receptor, GHS-R)の内因性リガンドとして胃から発見されたペプチドホルモンである<ref name=Kojima1999><pubmed>10604470</pubmed></ref>(1)。N末端から3番目のセリン残基の側鎖は、中鎖脂肪酸であるn-オクタン酸によって修飾されている。この修飾は、生理活性の発現に不可欠である。グレリンのペプチド部分に脂肪酸を付加する特異的な酵素として、グレリン-O-アシルトランスフェラーゼ(ghrelin O-acyltransferase, GOAT)が同定されている<ref name=Yang2008><pubmed>18267071</pubmed></ref>(2)。グレリンは主に胃粘膜のX/A-like細胞から分泌され、成長ホルモン(growth hormone , GH)の分泌促進や摂食行動の亢進といった生理作用を持つ<ref name=Date2000><pubmed>11089560</pubmed></ref>(3)。この特性を活用し、グレリン様化合物ががん悪液質に伴う食欲不振および体重減少の改善を目的とした治療薬として開発されている。}}
{{box|text= グレリン(ghrelin)は、成長ホルモン分泌促進因子受容体(growth hormone secretagogue receptor, GHS-R)の内因性リガンドとして胃から発見されたペプチドホルモンである<ref name=Kojima1999><pubmed>10604470</pubmed></ref>(1)。N末端から3番目のセリン残基の側鎖は、中鎖脂肪酸であるn-オクタン酸によって修飾されている。この修飾は、生理活性の発現に不可欠である。グレリンのペプチド部分に脂肪酸を付加する特異的な酵素として、グレリン-O-アシルトランスフェラーゼ(ghrelin O-acyltransferase, GOAT)が同定されている<ref name=Yang2008><pubmed>18267071</pubmed></ref>(2)。グレリンは主に胃粘膜のX/A-like細胞から分泌され、成長ホルモン(growth hormone , GH)の分泌促進や摂食行動の亢進といった生理作用を持つ<ref name=Date2000><pubmed>11089560</pubmed></ref>(3)。この特性を活用し、グレリン様化合物ががん悪液質に伴う食欲不振および体重減少の改善を目的とした治療薬として開発されている。}}


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== 関連用語 ==
== 関連用語 ==
* [[レプチン]]
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==参考文献==