「軸索再生」の版間の差分

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[[Image:1. ミエリン由来軸索再生阻害因子の構造.png|thumb|right|300px|<br />図1.ミエリン由来軸索再生阻害因子の構造]] [[Image:2. 軸索再生阻害のシグナル伝達機構.png|thumb|right|300px|<br />図2.軸索再生阻害のシグナル伝達機構]]  
[[Image:1. ミエリン由来軸索再生阻害因子の構造.png|thumb|right|300px|<br />図1.ミエリン由来軸索再生阻害因子の構造]] [[Image:2. 軸索再生阻害のシグナル伝達機構.png|thumb|right|300px|<br />図2.軸索再生阻害のシグナル伝達機構]]  


 中枢神経軸索は、[[オリゴデンドロサイト]]の[[wikipedia:JA:細胞膜|細胞膜]]表面の[[wikipedia:JA:リン脂質|リン脂質]]からなるミエリンにより覆われている。軸索が損傷された後にも、ミエリンはデブリスとして残存し、この中には、複数の軸索再生阻害因子が含まれることが報告されている。中でも、[[Myelin associated glycoprotein]] (MAG), [[Nogo]], [[Oligodendrocyte myelin glycoprotein]] (OMgp)についての研究が進んでいる。  
 中枢神経軸索は、[[オリゴデンドロサイト]]の[[細胞膜]]表面の[[wikipedia:JA:リン脂質|リン脂質]]からなるミエリンにより覆われている。軸索が損傷された後にも、ミエリンはデブリスとして残存し、この中には、複数の軸索再生阻害因子が含まれることが報告されている。中でも、[[Myelin associated glycoprotein]] (MAG), [[Nogo]], [[Oligodendrocyte myelin glycoprotein]] (OMgp)についての研究が進んでいる。  


 MAGは、1回膜貫通型の糖タンパク質であり、[[wikipedia:JA:免疫グロブリン|免疫グロブリン]]様ドメインを有する。Nogoは、2回膜貫通構造を持ち、[[wikipedia:JA:スプライシング|スプライシング]]により長さの異なる3種のタンパク質として発現する。このうち、最も長いNogo-Aには再生阻害作用を有する2つのドメインがある。N末端側のamino-Nogoと、疎水性領域に挟まれる66個のアミノ酸配列からなるペプチド配列Nogo-66である。OMgpは、[[wikipedia:JA:GPIアンカー|GPIアンカー]]型のタンパク質で、セリンスレオニンリッチドメインとロイシンリッチリピートを有する (図1)。  
 MAGは、1回膜貫通型の糖タンパク質であり、[[wikipedia:JA:免疫グロブリン|免疫グロブリン]]様ドメインを有する。Nogoは、2回膜貫通構造を持ち、[[wikipedia:JA:スプライシング|スプライシング]]により長さの異なる3種のタンパク質として発現する。このうち、最も長いNogo-Aには再生阻害作用を有する2つのドメインがある。N末端側のamino-Nogoと、疎水性領域に挟まれる66個のアミノ酸配列からなるペプチド配列Nogo-66である。OMgpは、[[wikipedia:JA:GPIアンカー|GPIアンカー]]型のタンパク質で、セリンスレオニンリッチドメインとロイシンリッチリピートを有する (図1)。