「前庭神経核」の版間の差分

編集の要約なし
(ページの作成:「英語名:vestibular nuclei 同類語:一次求心性神経,前庭神経、半規管、前半規管、上半規管、外側半規管、水平半規管、後半規...」)
 
編集の要約なし
8行目: 8行目:


 上核は第四脳室の外側壁に位置し、背側に上小脳脚が存在する。中〜小型の細胞が散在するが、中心部では周辺部よりやや密度が高い。内側核は第四脳室の直下にあり、小型の細胞が密に存在する。吻側は外側核の吻側端とほぼ同じレベルで始まり、上核との境界は決めにくい。下核は、縦走線維が核内を通過することにより、前庭神経核の他の亜核と区別される。吻側部には大きな細胞が多く、外側核との区別が時にやや困難だが、外側核におけるよりも、細胞密度が低いことにより区別される。
 上核は第四脳室の外側壁に位置し、背側に上小脳脚が存在する。中〜小型の細胞が散在するが、中心部では周辺部よりやや密度が高い。内側核は第四脳室の直下にあり、小型の細胞が密に存在する。吻側は外側核の吻側端とほぼ同じレベルで始まり、上核との境界は決めにくい。下核は、縦走線維が核内を通過することにより、前庭神経核の他の亜核と区別される。吻側部には大きな細胞が多く、外側核との区別が時にやや困難だが、外側核におけるよりも、細胞密度が低いことにより区別される。
 Brodalは、上記の4亜核以外に小グループ(小亜核)(x, y, z, f, g, l, m, Sv)を分類記載した(2)。この中で前庭神経からの入力を受け、前庭神経核との密な線維連絡が見られるのはgroup yのみである。これは下小脳脚の背尾側で、外側核尾側部のすぐ外側にある。group yの腹側部は前庭神経からの入力を受けるが、背側部は受けないので、背側部の細胞群は、小脳下核と呼ばれることがある(5, 6, 7)。
 Brodalは、上記の4亜核以外に小グループ(小亜核)(x, y, z, f, g, l, m, Sv)を分類記載した(2)。この中で前庭神経からの入力を受け、前庭神経核との密な線維連絡が見られるのはgroup yのみである。これは下小脳脚の背尾側で、外側核尾側部のすぐ外側にある。group yの腹側部は前庭神経からの入力を受けるが、背側部は受けないので、背側部の細胞群は、小脳下核と呼ばれることがある(5, 6, 7)。


 前・外側(水平)半規管由来の一次求心性神経は、上核の全域、下核、および内側核全域に投射する。後半規管由来の一次求心性神経は、前庭神経核の中央部に集中している(5)。耳石器系については、最近の研究(6,7)により、球形嚢由来の線維は、上核の尾側部に投射することが明らかとなった。卵形嚢由来の神経は、4亜核のすべてに投射するが、上核への投射は少ない。前庭神経核の2次あるいは高次細胞において、複数の半規管あるいは半規管と耳石器の入力が認められる(6,7)。
 前・外側(水平)半規管由来の一次求心性神経は、上核の全域、下核、および内側核全域に投射する。後半規管由来の一次求心性神経は、前庭神経核の中央部に集中している(5)。耳石器系については、最近の研究(6,7)により、球形嚢由来の線維は、上核の尾側部に投射することが明らかとなった。卵形嚢由来の神経は、4亜核のすべてに投射するが、上核への投射は少ない。前庭神経核の2次あるいは高次細胞において、複数の半規管あるいは半規管と耳石器の入力が認められる(6,7)。