「イオンチャネル」の版間の差分

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分子としては40種類程度の遺伝子が存在し、イオンチャネルの中でも最も大きなファミリーの一つである。Hodgkin-Huxleyの時代からもっともよく研究されているイオンチャネルファミリーの一つであり、結晶構造もすでに明らかにされている。機能を調節するための修飾サブユニット(βサブユニット)がいくつか知られている。
分子としては40種類程度の遺伝子が存在し、イオンチャネルの中でも最も大きなファミリーの一つである。Hodgkin-Huxleyの時代からもっともよく研究されているイオンチャネルファミリーの一つであり、結晶構造もすでに明らかにされている。機能を調節するための修飾サブユニット(βサブユニット)がいくつか知られている。
====電位依存性ナトリウムチャネル====
====電位依存性ナトリウムチャネル====
 電位依存性ナトリウムチャネルは上述の電依存性カリウムチャネルと似た構造を持っているが、カリウムチャネルの4つのサブユニットが直列につながったような、24回膜貫通型のタンパク質である(図3)。それぞれドメインI~IVと呼ばれ、それぞれに電位センサードメインとポアドメインが含まれる。ヒトにはαサブユニットとしてNaV1.1~1.9まで9種類の遺伝子が存在し、さらに修飾サブユニットとしてβサブユニットが存在する。活動電位を起こす機能が有名で、Hodgkin-Huxleyの時代からよく研究されているチャネルファミリーの一つである。膜電位が脱分極すると、電位依存性カリウムチャネルと同様にS4セグメントが細胞外側に動くと考えられる。続いてゲートが開いてナトリウムイオンを流入させ、細胞を脱分極させる。特徴的なのは、その後すぐに不活性化という状態に入ってしまい、その後一定時間活性化しなくなることである。この不活性化は活動電位を軸索に沿って一方向に進めるために重要な性質である。フグ毒として有名なテトロドトキシン(TTX)は電位依存性ナトリウムチャネルの阻害剤である。
 電位依存性ナトリウムチャネルは上述の電依存性カリウムチャネルと似た構造を持っているが、カリウムチャネルの4つのサブユニットが直列につながったような、24回膜貫通型のタンパク質である(図3)。それぞれドメインI~IVと呼ばれ、それぞれに電位センサードメインとポアドメインが含まれる。ヒトにはαサブユニットとしてNaV1.1~1.9まで9種類の遺伝子が存在し、さらに修飾サブユニットとしてβサブユニットが存在する。活動電位を起こす機能が有名で、Hodgkin-Huxleyの時代からよく研究されているチャネルファミリーの一つである。膜電位が脱分極すると、電位依存性カリウムチャネルと同様にS4セグメントが細胞外側に動くと考えられる。続いてゲートが開いてナトリウムイオンを流入させ、細胞を脱分極させる。特徴的なのは、その後すぐに不活性化という状態に入ってしまい、その後一定時間活性化しなくなることである。この不活性化は活動電位を軸索に沿って一方向に進めるために重要な性質である。フグ毒として有名なテトロドトキシン(TTX)は電位依存性ナトリウムチャネルの阻害剤である。


====電位依存性カルシウムチャネル====
====電位依存性カルシウムチャネル====
 電依依存性ナトリウムチャネルと同様、24回膜貫通型のタンパク質であり、さらにCaV1~3まで3種類のサブファミリーに分類される(ヒトの遺伝子としては10種類)。βサブユニット、α2δサブユニット、γサブユニットなど、複数種類の修飾サブユニットが存在する。脱分極により開き、カルシウムイオンを選択的に透過する。カルシウムイオンの生理的重要性ゆえに、神経伝達物質の放出、心筋や骨格筋の収縮、ホルモン分泌などさまざまな生理現象にとって非常に重要なイオンチャネルである。
 電依依存性ナトリウムチャネルと同様、24回膜貫通型のタンパク質であり、さらにCaV1~3まで3種類のサブファミリーに分類される(ヒトの遺伝子としては10種類)。βサブユニット、α2δサブユニット、γサブユニットなど、複数種類の修飾サブユニットが存在する。脱分極により開き、カルシウムイオンを選択的に透過する。カルシウムイオンの生理的重要性ゆえに、神経伝達物質の放出、心筋や骨格筋の収縮、ホルモン分泌などさまざまな生理現象にとって非常に重要なイオンチャネルである。


====カルシウム活性化型カリウムチャネル====
====カルシウム活性化型カリウムチャネル====
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====電位依存性プロトンチャネル====
====電位依存性プロトンチャネル====
 2006年に発見された電位依存性プロトンチャネルは、電位依存性カリウムチャネルの電位センサードメイン(S1~S4)のみでポアドメイン(S5~S6)を欠いたような構造の4回膜貫通型タンパク質である(図3)(Ramsey et al., 2006; Sasaki et al., 2006)。単体でプロトンを透過することができるが、二量体で機能していると考えられている。
 2006年に発見された電位依存性プロトンチャネルは、電位依存性カリウムチャネルの電位センサードメイン(S1~S4)のみでポアドメイン(S5~S6)を欠いたような構造の4回膜貫通型タンパク質である(図3)(Ramsey et al., 2006; Sasaki et al., 2006)。単体でプロトンを透過することができるが、二量体で機能していると考えられている。


===内向き整流性カリウムチャネル (2回膜貫通型)===
===内向き整流性カリウムチャネル (2回膜貫通型)===
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