「カルシウムカルモジュリン依存性タンパク質キナーゼ」の版間の差分

50行目: 50行目:


=== CaMKI ===
=== CaMKI ===
  CaMKIの局在はアイソフォームによって異なっており、CaMKI&alpha;が細胞質に存在するのに対し、CaMKI&gamma;はC末端のパルミトイル化、プレニル化2重脂質修飾による膜アンカー型キナーゼである。上述の、記憶学習・神経可塑性など高次脳機能における研究が著しく進むCaMKIIやCaMKIVに比べ、CaMKIファミリーの神経機能は長年全く不明で、“orphan kinase”とも呼ばれていたが、神経初代培養やスライス培養系の研究が近年進み神経細胞形態制御に深く寄与することが示されている。これらには、軸索樹状突起伸、極性制御、スパイン形成制御などが含まれ、神経回路形成において重要な役割を担うと考えられる。一方個体行動や情動制御における寄与は未だ不明である<ref><PubMed>18817731</pubmed></ref><ref><PubMed>20946112</pubmed></ref>。
  CaMKIの局在はアイソフォームによって異なっており、CaMKI&alpha;が細胞質に存在するのに対し、CaMKI&gamma;はC末端のパルミトイル化、プレニル化2重脂質修飾による膜アンカー型キナーゼである。上述の、記憶学習・神経可塑性など高次脳機能における研究が著しく進むCaMKIIやCaMKIVに比べ、CaMKIファミリーの神経機能は長年全く不明で、“orphan kinase”とも呼ばれていたが、神経初代培養やスライス培養系の研究が近年進み神経細胞形態制御に深く寄与することが示されている。これらには、軸索樹状突起伸<ref><PubMed>16772171</pubmed></ref><ref><PubMed>17553424</pubmed></ref><ref><PubMed>19864584</pubmed></ref>、スパイン形成制御<ref><PubMed>18184567</pubmed></ref>などが含まれ、神経回路形成において重要な役割を担うと考えられる。一方個体行動や情動制御における寄与は未だ不明である<ref><PubMed>18817731</pubmed></ref><ref><PubMed>20946112</pubmed></ref>。


== 参考文献  ==
== 参考文献  ==
<references />
<references />
111

回編集