「ナトリウムチャネル」の版間の差分

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=== 立体構造  ===
=== 立体構造  ===


 2011年、Catterallらは[[wikipedia:ja:真正細菌|真正細菌]]の一種であるArcobacter butzleri由来の電位依存性ナトリウムチャネル(NachBac)を用いてX線結晶構造解析を行い、その三次元構造を明らかにした1。[[wikipedia:ja:真核生物|真核生物]]のNavチャネルが1分子に4つのリピート構造を含んでいるのに対して、NachBacはホモ4量体として機能する。電位依存性のカリウムチャネルの構造と同様に、αサブユニットの各リピートのS5およびS6が集まってポアドメインを形成し、その四隅にS1からS4によって構成される電位センサーが配置する(図2参照)。  
 2011年、Catterallらは[[wikipedia:ja:真正細菌|真正細菌]]の一種であるArcobacter butzleri由来の電位依存性ナトリウムチャネル(NachBac)を用いてX線結晶構造解析を行い、その三次元構造を明らかにした<ref><pubmed> 21743477 </ref></pubmed>。[[wikipedia:ja:真核生物|真核生物]]のNavチャネルが1分子に4つのリピート構造を含んでいるのに対して、NachBacはホモ4量体として機能する。電位依存性のカリウムチャネルの構造と同様に、&alpha;サブユニットの各リピートのS5およびS6が集まってポアドメインを形成し、その四隅にS1からS4によって構成される電位センサーが配置する(図2参照)。  


 イオン選択性は孔が一番狭くなっているselective filterと呼ばれる部分で行われている。Navチャネルはグアニジウムなどの[[wikipedia:ja:イオン半径|イオン半径]]の大きいイオンに対してもある程度の透過性を持つことから、Navチャネルのselective filterの幅はナトリウムイオンよりも大きく、ナトリウムイオン1分子に対し、1分子の水を配位した状態で、孔を選択的に透過するという考えが提唱されてきた2。実際、NachBacの立体構造を見てみると、selective filterの一番狭くなっている部分の幅は、ちょうどナトリウムイオンに水分子が1つ配位したときのサイズに近いことが明らかになった。  
 イオン選択性は孔が一番狭くなっているselective filterと呼ばれる部分で行われている。Navチャネルはグアニジウムなどの[[wikipedia:ja:イオン半径|イオン半径]]の大きいイオンに対してもある程度の透過性を持つことから、Navチャネルのselective filterの幅はナトリウムイオンよりも大きく、ナトリウムイオン1分子に対し、1分子の水を配位した状態で、孔を選択的に透過するという考えが提唱されてきた2。実際、NachBacの立体構造を見てみると、selective filterの一番狭くなっている部分の幅は、ちょうどナトリウムイオンに水分子が1つ配位したときのサイズに近いことが明らかになった。  
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