「細胞接着分子」の版間の差分

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=== インテグリン・ファミリー(Integrin family)  ===
=== インテグリン・ファミリー(Integrin family)  ===


 インテグリンはαサブユニットとβサブユニットのヘテロ2量体からなる2価カチオン(Mg2+あるいはCa2+)依存性の接着分子である。マウスでは16種類のαサブユニットと8種類のβサブユニット遺伝子が存在し、図4に示す組み合わせにより機能的なヘテロ2量体を形成する。多くのインテグリンは、Collagen, Vitronectin, Laminin, Fibronectinなどの細胞外マトリックス蛋白質をリガンドとして細胞−基質間の接着を司る。一方、一部のインテグリンはIgSFやカドヘリンと結合することで細胞間接着を担う。例えばβ2サブユニットを含むインテグリンLFA-1(αLβ2; CD11a/CD18)は、Telencephalin(ICAM-5)などのICAMファミリーIgSF分子群と結合し、免疫系および神経系における細胞間認識・接着において機能することが報告されている(Luo et al., 2007; Gahmberg et al., 2008)。インテグリンの細胞内領域はTalin, &alpha-Actinin, Vinculinなどと結合し、アクチン細胞骨格系や様々な細胞内シグナル伝達系を制御する(Hynes, 2002)。神経系におけるインテグリンの機能として、ニューロンの移動、軸索の伸長、シナプスの形成、神経可塑性の制御などが報告されている(Gall and Lynch, 2006; Milner and Campbell, 2006; Kramer et al., 2006; Wang et al., 2008; Cingolani and Goda, 2008; Pozo et al., 2012; Sekine et al., 2012)。  
 インテグリンはαサブユニットとβサブユニットのヘテロ2量体からなる2価カチオン(Mg2+あるいはCa2+)依存性の接着分子である。マウスでは16種類のαサブユニットと8種類のβサブユニット遺伝子が存在し、図4に示す組み合わせにより機能的なヘテロ2量体を形成する。多くのインテグリンは、Collagen, Vitronectin, Laminin, Fibronectinなどの細胞外マトリックス蛋白質をリガンドとして細胞−基質間の接着を司る。一方、一部のインテグリンはIgSFやカドヘリンと結合することで細胞間接着を担う。例えばβ2サブユニットを含むインテグリンLFA-1(αLβ2; CD11a/CD18)は、Telencephalin(ICAM-5)などのICAMファミリーIgSF分子群と結合し、免疫系および神経系における細胞間認識・接着において機能することが報告されている<ref><pubmed>17201681</pubmed></ref><ref><pubmed>18367254</pubmed></ref>(Luo et al., 2007; Gahmberg et al., 2008)。インテグリンの細胞内領域はTalin, &alpha-Actinin, Vinculinなどと結合し、アクチン細胞骨格系や様々な細胞内シグナル伝達系を制御する<ref><pubmed>12297042</pubmed></ref>(Hynes, 2002)。神経系におけるインテグリンの機能として、ニューロンの移動、軸索の伸長、シナプスの形成、神経可塑性の制御などが報告されている<ref><pubmed>15250583</pubmed></ref><ref><pubmed>17049262</pubmed></ref><ref><pubmed>16567651</pubmed></ref><ref><pubmed>19047646</pubmed></ref><ref><pubmed>197584854</pubmed></ref><ref><pubmed>22232691</pubmed></ref><ref><pubmed>23083738</pubmed></ref>(Gall and Lynch, 2006; Milner and Campbell, 2006; Kramer et al., 2006; Wang et al., 2008; Cingolani and Goda, 2008; Pozo et al., 2012; Sekine et al., 2012)。  


=== その他のシナプス接着分子  ===
=== その他のシナプス接着分子  ===