「カルパイン」の版間の差分

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{{box|text= カルパインは非リソソームシステインプロテアーゼファミリーに属し、Ca<sup>2+</sup>依存的に基質の限定的な分解を行うことでその下流シグナルを制御する「モジュレータ・プロテアーゼ」として知られている。神経系においては、アルツハイマー病やハンチントン病、パーキンソン病などの神経変性疾患にみられる神経細胞死に関与する可能性が報告されているほか、LTP誘導などの生理的機能においても重要な役割を担っていることが示唆されている。また、組織特異的に発現を示すカルパインの中には肢帯型筋ジストロフィーや胃潰瘍などに関与するものが報告されている。以下、哺乳類のカルパインについて記述する。}}
{{box|text= カルパインは非リソソームシステインプロテアーゼファミリーに属し、Ca<sup>2+</sup>依存的に基質の限定的な分解を行うことでその下流シグナルを制御する「モジュレータ・プロテアーゼ」として知られている。神経系においては、アルツハイマー病やハンチントン病、パーキンソン病などの神経変性疾患にみられる神経細胞死に関与する可能性が報告されているほか、LTP誘導などの生理的機能においても重要な役割を担っていることが示唆されている。また、組織特異的に発現を示すカルパインの中には肢帯型筋ジストロフィーや胃潰瘍などに関与するものが報告されている。以下、哺乳類のカルパインについて記述する。}}
 
{{Infobox protein family
| Symbol = Calpain
| Name = Calpain
| image = 1MDW.pdb
| width =
| caption = カルパイン2のプロテアーゼ活性中心 ({{PDB|1MDW}}による)
| Pfam = PF00648
| Pfam_clan = CL0125
| InterPro = IPR001300
| SMART = CysPc
| MEROPS = C2
| PROSITE = PDOC50203
| SCOP = 1mdw
| TCDB =
| OPM family =
| OPM protein =
| PDB = {{PDB2|1tl9}} A:55-354; {{PDB2|1kxr}} B:55-354; {{PDB2|1tlo}} A:55-354; {{PDB2|2ary}} B:55-354; {{PDB2|1zcm}} A:55-353; {{PDB2|1mdw}} B:45-344; {{PDB2|1u5i}} A:45-344; {{PDB2|1kfx}} L:45-344; {{PDB2|1kfu}} L:45-344; {{PDB2|1ziv}} A:42-337
}}
== カルパインとは ==
== カルパインとは ==
 カルパインは、[[カルシウム]]により活性化される細胞内[[プロテアーゼ]]として1960~70年代に[[wj:東京大学|東京大学]]の[[wj:今堀和友|今堀]]・鈴木らによってCANP(calcium-activated neutral protease)として精製・同定され[1][3, 4, 5]、1980年に[[wj:京都大学|京都大学]]の村地によりカルパイン(calcium-dependent papain-like enzyme)と命名された[6]。
 カルパインは、[[カルシウム]]により活性化される細胞内[[プロテアーゼ]]として1960~70年代に[[wj:東京大学|東京大学]]の[[wj:今堀和友|今堀]]・鈴木らによってCANP(calcium-activated neutral protease)として精製・同定され[1][3, 4, 5]、1980年に[[wj:京都大学|京都大学]]の村地によりカルパイン(calcium-dependent papain-like enzyme)と命名された[6]。