「中間径フィラメント」の版間の差分

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== '''概要''' ==
== '''概要''' ==


細胞骨格(cytoskeleton)と呼ばれる細胞質内の蛋白性の線維系のひとつ。ミオシンフィラメントとアクチンフィラメントの中間の径8~11nmであることから中間径フィラメント(Intermediate filament)と呼ばれる。細胞間で非常によく保存されている微小管やアクチン線維と異なり、相同性はあるが細胞の種類によって異なる蛋白が発現するので、細胞分化のマーカーとして病理診断にも用いられる。
細胞骨格(cytoskeleton)と呼ばれる細胞質内の蛋白性の線維系のひとつ。ミオシンフィラメントとアクチンフィラメントの中間の径10nmであることから中間径フィラメント(Intermediate filament)と呼ばれる。細胞間でよく保存されている微小管やアクチン線維と異なり、相同性はあるが細胞の種類によって異なる蛋白が発現するので、細胞分化のマーカーとして病理診断等にも用いられる。


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== '''中間径フィラメントの種類''' ==
== '''中間径フィラメントの種類''' ==


六つのクラスに分けられている。クラスI,IIは,酸性および塩基性のサイトケラチン(cytokeratin)で上皮細胞に発現し、爪や毛の大部分を成す。クラスIIIはビメンチン(vimentin)、デスミン、GFAPで、ビメンチンは線維芽細胞など間葉系細胞に発現している。筋細胞にはデスミン(desmin)、星状細胞ではGFAP(glial fibrillary acidic proteinが発現する。クラスIVは、ニューロフィラメント(neurofilament)で、H,M,Lの3種のポリペプチドで構成され、神経細胞に発現する。クラスVは、核膜を裏打ちするラミン(lamin)である。クラスVIは、ネスチン(nestin)で、神経性幹細胞のマーカーとしてよく用いられる。  
六つのクラスに分けられている。クラスI,IIは,酸性および塩基性のサイトケラチン(cytokeratin)で上皮細胞に発現し、爪や毛の大部分を成す。クラスIIIはビメンチン(vimentin)、デスミン、GFAPで、ビメンチンは線維芽細胞など間葉系細胞に発現している。筋細胞にはデスミン(desmin)、星状細胞ではGFAP(glial fibrillary acidic protein)、ペリフェリン(peripherin)が発現する。クラスIVは、ニューロフィラメント(neurofilament)で、H,M,Lの3種のポリペプチドで構成され、神経細胞に発現する。クラスVは、核膜を裏打ちするラミン(lamin)である。クラスVIは、ネスチン(nestin)で、神経性幹細胞のマーカーとしてよく用いられる。  


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