「電流源密度推定法」の版間の差分

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ここで<math>\Phi(\mathbf{r})</math>と<math>I(\mathbf{r})</math>はそれぞれ位置<math>\mathbf{r}</math>における電位と電流源密度、<math>\sigma</math>は細胞外空間の電気伝導度であり、積分は細胞外空間全体にわたる。式(1)は電流源密度分布と電位分布の1対1対応関係を記述しており、電流源の密度分布が既知であれば、電位の空間分布はこの式より容易に計算できる。 しかしながら、それとは逆に、既知の電位分布から未知の電流源密度分布を求めたい場合、この式は容易な計算方法を与えない。 この場合、式(1)が以下のポワソン方程式の解となっていることを利用する。  
ここで<math>\Phi(\mathbf{r})</math>と<math>I(\mathbf{r})</math>はそれぞれ位置<math>\mathbf{r}</math>における電位と電流源密度、<math>\sigma</math>は細胞外空間の電気伝導度であり、積分は細胞外空間全体にわたる。式(1)は電流源密度分布と電位分布の1対1対応関係を記述しており、電流源の密度分布が既知であれば、電位の空間分布はこの式より容易に計算できる。 しかしながら、それとは逆に、既知の電位分布から未知の電流源密度分布を求めたい場合、この式は容易な計算方法を与えない。 この場合、式(1)が以下のポワソン方程式の解となっていることを利用する。  


<math>\nabla \Phi(\mathbf{r}) = - \frac{I(\mathrf{r})}{\sigma} \ \cdots \ \mbox{(1)}</math>
<math>\Delta \Phi(\mathbf{r}) = - \frac{I(\mathbf{r})}{\sigma} \ \cdots \ \mbox{(2)}</math>


式(1)が式(2)の解となっていることは、直接代入により確認できる。 式(2)が意味するのは、(式(1)に従って発生した)電位の空間分布が与えられれば、その原因である電流源の密度分布は、与えられた電位の空間分布に微分操作(空間二階微分)を施すことで得られるということである。 この原理に基づき、実験的に測定されたLFP信号の空間分布から、神経活動に由来する電流源の分布を推定する手法が電流源密度推定法である。  
式(1)が式(2)の解となっていることは、直接代入により確認できる。 式(2)が意味するのは、(式(1)に従って発生した)電位の空間分布が与えられれば、その原因である電流源の密度分布は、与えられた電位の空間分布に微分操作(空間二階微分)を施すことで得られるということである。 この原理に基づき、実験的に測定されたLFP信号の空間分布から、神経活動に由来する電流源の分布を推定する手法が電流源密度推定法である。