「運動前野」の版間の差分

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(ページの作成:「<div align="right"> <font size="+1">中山 義久、[http://researchmap.jp/hoshie 星 英司]</font><br> ''東京都医学総合研究所 前頭葉機能プロジ...」)
 
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==運動前野背側部==
==運動前野背側部==
[[IMAGE:運動前野1.png|thumb|300px|'''図1.運動前野の位置'''<br>マカクザルの左半球の外側面を示す。運動前野はPMd(背側部)とPMv(腹側部)に分けられる。PMd(緑色)の前方には、pre-PMd(前背側運動前野;青色)がある。PMvはさらに、後方部(F4;赤色)と前方部(F5;黄色)に分けられる。]]
 運動前野背側部(PMd)(図1、緑色の領域)の細胞の特徴として、運動の準備状態にあるときにその活動を上昇させることが挙げられる。Wiseらは、到達するターゲットを提示し、遅延期間後のGOシグナルとともに運動を実行する課題を開発した [7]。この課題を行っている最中にサルのPMdから細胞活動を記録したところ、運動実行の際に上昇する活動(運動関連活動)に加えて、運動を指示されてからGOシグナルが提示される間に持続的に上昇する活動(準備関連活動)を多数見出した。この持続的な活動は行われる運動の内容(運動方向)を反映していたので、運動の準備状態の形成に関与すると考えられた。
 運動前野背側部(PMd)(図1、緑色の領域)の細胞の特徴として、運動の準備状態にあるときにその活動を上昇させることが挙げられる。Wiseらは、到達するターゲットを提示し、遅延期間後のGOシグナルとともに運動を実行する課題を開発した [7]。この課題を行っている最中にサルのPMdから細胞活動を記録したところ、運動実行の際に上昇する活動(運動関連活動)に加えて、運動を指示されてからGOシグナルが提示される間に持続的に上昇する活動(準備関連活動)を多数見出した。この持続的な活動は行われる運動の内容(運動方向)を反映していたので、運動の準備状態の形成に関与すると考えられた。