「シナプスタグ仮説」の版間の差分

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[[Image:図1二経路実験.jpg|thumb|500px|'''図1 二経路実験の配置'''<br>海馬急性切片に刺激電極S1、S2と記録電極Rを置く。]]
[[Image:図1二経路実験.jpg|thumb|500px|'''図1 二経路実験の配置'''<br>海馬急性切片に刺激電極S1、S2と記録電極Rを置く。]]
[[Image:図2連合性後期可塑性.jpg|thumb|600px|'''図2 連合性後期可塑性'''<br>左図はS1に持続的可塑性を起こす刺激(太矢印)、S2に一過性可塑性を起こす刺激(細矢印)を与えた時の集合シナプス後電位の時間変化で、両経路で持続的なLTPが起きている(S1が実線、S2が破線)。右図はS2だけを刺激した時の様子で、一過性のLTPがおきている。]]
[[Image:図2連合性後期可塑性.jpg|thumb|1000px|'''図2 連合性後期可塑性'''<br>左図はS1に持続的可塑性を起こす刺激(太矢印)、S2に一過性可塑性を起こす刺激(細矢印)を与えた時の集合シナプス後電位の時間変化で、両経路で持続的なLTPが起きている(S1が実線、S2が破線)。右図はS2だけを刺激した時の様子で、一過性のLTPがおきている。]]


 二経路実験で、S1に後期長期増強を起こす刺激を与えた後、タンパク質合成を阻害した状態でS2に初期長期増強を起こす刺激を与えた場合も、両経路に後期長期増強が見られた('''図3''')。つまり、S2シナプス近傍の局所合成は不要であること、及び、S1刺激で合成されたタンパク質がS2シナプスに運ばれたことを示している。細胞体で合成されたタンパク質は全てのシナプスに使用のチャンスがある状態で輸送されることになるので、メイル仮説は否定される。
 二経路実験で、S1に後期長期増強を起こす刺激を与えた後、タンパク質合成を阻害した状態でS2に初期長期増強を起こす刺激を与えた場合も、両経路に後期長期増強が見られた('''図3''')。つまり、S2シナプス近傍の局所合成は不要であること、及び、S1刺激で合成されたタンパク質がS2シナプスに運ばれたことを示している。細胞体で合成されたタンパク質は全てのシナプスに使用のチャンスがある状態で輸送されることになるので、メイル仮説は否定される。