「重症筋無力症」の版間の差分

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==== モノクローナル抗体による新たな治療法 ====
==== モノクローナル抗体による新たな治療法 ====
既存の免疫治療では十分な効果が得られない症例に対して、新たな作用機序を持つモノクローナル抗体製剤の開発が進んでいる<ref name=Imai2019><pubmed>Imai T. Why is development of new treatments necessary for myasthenia gravis? - recent advances in clinical trials - Neurol Clin Neurosci 2019; 7: 161-5.
 既存の免疫治療では十分な効果が得られない症例に対して、新たな作用機序を持つモノクローナル抗体製剤の開発が進んでいる<ref name=Imai2019>'''Imai T. (2019).'''<br>Why is development of new treatments necessary for myasthenia gravis? - recent advances in clinical trials - ''Neurol Clin Neurosci'' 7: 161-5.
https://doi.org/10.1111/ncn3.12301</pubmed></ref> 。
[https://doi.org/10.1111/ncn3.12301 [DOI]]</pubmed></ref> 。


エクリズマブ(eculizumab)とラブリズマブ(ravulizumab)は補体C5に対するヒト化モノクローナル抗体であり、補体介在性の運動終板の破壊を阻止し、AChR数を回復させる作用を持っている。Eculizumab よりも血中半減期が長く、より長時間作用型であるRavulizumabは現在治験中である。
 エクリズマブ(eculizumab)とラブリズマブ(ravulizumab)は補体C5に対するヒト化モノクローナル抗体であり、補体介在性の運動終板の破壊を阻止し、AChR数を回復させる作用を持っている。Eculizumab よりも血中半減期が長く、より長時間作用型であるRavulizumabは現在治験中である。


エフガルチギモド(efgartigimod)とロザノリキズマブ(rozanolixizumab)を含む胎児性Fc受容体(neonatal Fc receptor: FcRn)に対するモノクローナル抗体は、現在臨床治験が進行中である。FcRn抗体はIgGの分解抑制に関わるFcRnを介したリサイクリング機構を抑制することによって重症筋無力症の病原性自己抗体を含む全てのIgG濃度を低下させる。
 エフガルチギモド(efgartigimod)とロザノリキズマブ(rozanolixizumab)を含む胎児性Fc受容体(neonatal Fc receptor: FcRn)に対するモノクローナル抗体は、現在臨床治験が進行中である。FcRn抗体はIgGの分解抑制に関わるFcRnを介したリサイクリング機構を抑制することによって重症筋無力症の病原性自己抗体を含む全てのIgG濃度を低下させる。


リツキシマブ(rituximab)などのヒトBリンパ球表面に存在する分化抗原に結合するモノクローナル抗体の有効性が検討されている。
 リツキシマブ(rituximab)などのヒトBリンパ球表面に存在する分化抗原に結合するモノクローナル抗体の有効性が検討されている。


=== 小児期発症重症筋無力症 ===
=== 小児期発症重症筋無力症 ===