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3:脱髄性疾患(Demyelination)<br> | 3:脱髄性疾患(Demyelination)<br> |
2012年7月11日 (水) 06:23時点における版
英語1: Myelinated nerve 英語2: Medullated nerve
中枢神経系では希突起膠細胞(あるいはオリゴデンドロサイト[oligodendrocyte])、末梢神経系ではシュワン細胞(Schwann cell)というグリア細胞の形成する髄鞘(ミエリン)[参照:「髄鞘」[1]]が神経軸索[参照:「軸索」[[2]]]の周囲に形成された神経のことをいう。神経軸索は樹状突起と比べると細く、長く、平滑な細胞突起である。ミエリン鞘は等間隔にあるランヴィエの絞輪(node of Ranvier)で途切れていて、軸索中のNa+チャネルはほぼこの節に集中している。
髄鞘はリン脂質に富んだタンパク質で層構造を形成しているため、髄鞘は絶縁体の役割を果たし、軸索膜を絶縁して膜からの電流のもれをほぼ完全に防ぎ、神経細胞からの電気信号を跳躍伝導させることができる。
1:跳躍伝導(saltatory conduction)
神経軸索の起始部で髄鞘に覆われていない部分は初節(axon initial segment; よくAISと略される)とよばれ、電位依存性のナトリウムチャネルが高密度に集中しており、活動電位が最初に発火する部分である。AIS以降の神経軸索の遠位部では、ほぼ等間隔に髄鞘が途切れる節があり、その部分をランヴィエの絞輪とよぶ。髄鞘間のランヴィエの絞輪にも電位依存性ナトリウムチャネルが存在し、ここで活動電位は再生される。ある節に起こった脱分極は、受動的伝播によって即座に次の節に伝わり、活動電位は髄鞘化された神経軸索上を節から節へ伝わっていくので、跳躍伝導と呼ばれる。この伝播様式は活動電位が速く伝わるうえ、興奮が軸索の細胞膜上の狭いランヴィエの絞輪に限定されるので、代謝エネルギーの節約にもなる。
2:ランヴィエの絞輪周辺のノード等のイオンチャネルの分布など。
→電位作動型イオンチャネルNav1.2やNav1.6がノードに発現する。また、パラノードにはCaspr,ジャクスタパラノードにはKv1.2などのカリウムチャネルが分布する。ここはあまり丁寧に説明せずとも論文の引用で済ます。Oriのpaperを参照する。
3:脱髄性疾患(Demyelination)
正常な発生における髄鞘形成がなされたのち、神経軸索から髄鞘が脱落すること。この疾患を脱髄性疾患(demyelinating disease)といい、中枢神経系では多発性硬化症(Multiple sclerosis)、末梢神経系ではギラン・バレー症候群(Guillain-Barré syndrome)などがある。また、髄鞘形成が不完全な髄鞘形成不全疾患(dysmyelination disease)とは区別される。
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