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== L1の構造 == | == L1の構造 == | ||
L1は、6個の免疫グロブリン様ドメインと5個のフィブロネクティンIII型様ドメインからなる細胞外領域、1回膜貫通領域および細胞内領域からなる構成される細胞接着分子である。L1遺伝子を構成する28個のエクソンのうち、2番目と27番目のエクソンが選択的スプライシングを受ける。主として、神経細胞には全長型L1が発現し、非神経細胞には両エクソン配列を含まないL1が発現する。2番目のエクソンがコードするアミノ酸配列YEGHHVはL1細胞外領域に存在し、L1同士の結合(ホモフィリック結合)および他の接着分子との結合(ヘテロフィリック結合)を増強する。27番目のエクソンがコードするアミノ酸配列RSLEはL1細胞内領域に存在し、クラスリンアダプターAP2と結合してL1のエンドサイト−シスを引き起こす。 | L1は、6個の免疫グロブリン様ドメインと5個のフィブロネクティンIII型様ドメインからなる細胞外領域、1回膜貫通領域および細胞内領域からなる構成される細胞接着分子である。L1遺伝子を構成する28個のエクソンのうち、2番目と27番目のエクソンが選択的スプライシングを受ける。主として、神経細胞には全長型L1が発現し、非神経細胞には両エクソン配列を含まないL1が発現する。2番目のエクソンがコードするアミノ酸配列YEGHHVはL1細胞外領域に存在し、L1同士の結合(ホモフィリック結合)および他の接着分子との結合(ヘテロフィリック結合)を増強する。27番目のエクソンがコードするアミノ酸配列RSLEはL1細胞内領域に存在し、クラスリンアダプターAP2と結合してL1のエンドサイト−シスを引き起こす。 | ||
== L1の発現 == | |||
L1は発生段階の神経組織に強く発現し、成体になると発現量は減少する。さまざまな種類の神経細胞、シュワン細胞とオリゴデンドロサイトがL1を発現する。脊髄後根神経節神経細胞では細胞体から神経突起先端部まで比較的均一に存在するが、海馬神経細胞のように極性化した細胞では、軸索遠位部から成長円錐に集積し、細胞体と樹状突起での発現は低い。したがって、神経細胞の極性化の解析において、 L1はしばしば軸索マーカーとして利用される。 | |||
== L1の機能 == |
2012年3月5日 (月) 11:50時点における版
英語名:L1
L1の構造
L1は、6個の免疫グロブリン様ドメインと5個のフィブロネクティンIII型様ドメインからなる細胞外領域、1回膜貫通領域および細胞内領域からなる構成される細胞接着分子である。L1遺伝子を構成する28個のエクソンのうち、2番目と27番目のエクソンが選択的スプライシングを受ける。主として、神経細胞には全長型L1が発現し、非神経細胞には両エクソン配列を含まないL1が発現する。2番目のエクソンがコードするアミノ酸配列YEGHHVはL1細胞外領域に存在し、L1同士の結合(ホモフィリック結合)および他の接着分子との結合(ヘテロフィリック結合)を増強する。27番目のエクソンがコードするアミノ酸配列RSLEはL1細胞内領域に存在し、クラスリンアダプターAP2と結合してL1のエンドサイト−シスを引き起こす。
L1の発現
L1は発生段階の神経組織に強く発現し、成体になると発現量は減少する。さまざまな種類の神経細胞、シュワン細胞とオリゴデンドロサイトがL1を発現する。脊髄後根神経節神経細胞では細胞体から神経突起先端部まで比較的均一に存在するが、海馬神経細胞のように極性化した細胞では、軸索遠位部から成長円錐に集積し、細胞体と樹状突起での発現は低い。したがって、神経細胞の極性化の解析において、 L1はしばしば軸索マーカーとして利用される。