「IPS細胞」の版間の差分

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== 細胞移植治療への挑戦  ==
== 細胞移植治療への挑戦  ==


 一方、細胞移植治療に向けたより実践的な基礎研究も活発に進められている。iPS細胞を用いた最初の自家移植治療モデルとして、Rudolf Jaenisch博士らは鎌状赤血球貧血症マウスからiPS細胞を作成して疾患原因遺伝子の修復を施し、そこから分化誘導した造血幹細胞による自家移植治療の実例を示した<ref><pubmed> 18063756 </pubmed></ref>。同グループは、パーキンソン病についても報告している<ref><pubmed> 18391196 </pubmed></ref>。慶應義塾大学の岡野栄之博士のグループでは、マウスおよびヒトiPS細胞から分化誘導したNeurosphereを脊髄損傷モデルマウスに移植することで下肢運動機能の改善が認められることを報告している<ref><pubmed> 20615974 </pubmed></ref><ref><pubmed> 21949375 </pubmed></ref>。細胞移植治療が見込まれる。また、最近ではiPS細胞を介さずに任意の細胞種を直接誘導する「ダイレクトリプログラミング」の研究も盛んに進められており、iPS細胞以外の選択肢も並行して開発されることが期待される。  
 一方、細胞移植治療に向けたより実践的な基礎研究も活発に進められている。iPS細胞を用いた最初の自家移植治療モデルとして、Rudolf Jaenisch博士らは鎌状赤血球貧血症マウスからiPS細胞を作成して疾患原因遺伝子の修復を施し、そこから分化誘導した造血幹細胞による自家移植治療の実例を示した<ref><pubmed> 18063756 </pubmed></ref>。同グループはマウスiPS細胞から分化誘導したドーパミン神経をパーキンソン病モデルラット成体脳に移植し、機能回復がみられることについても報告している<ref><pubmed> 18391196 </pubmed></ref>。慶應義塾大学の岡野栄之博士のグループでは、マウスおよびヒトiPS細胞から分化誘導したNeurosphereを脊髄損傷モデルマウスに移植することで下肢運動機能の改善が認められることを報告している<ref><pubmed> 20615974 </pubmed></ref><ref><pubmed> 21949375 </pubmed></ref>。細胞移植治療が見込まれる。また、最近ではiPS細胞を介さずに任意の細胞種を直接誘導する「ダイレクトリプログラミング」の研究も盛んに進められており、iPS細胞以外の選択肢も並行して開発されることが期待される。  


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