「Gastrulation brain homeoboxファミリー」の版間の差分

183行目: 183行目:


 つまり、''Gbx'' タンパク質は状況に応じて転写活性化因子、転写抑制因子の両方の機能を有する可能性がある。実際、''Gbx2'' 下流遺伝子に関する網羅的解析でも、''Gbx'' が遺伝子発現の活性化、抑制の両方に関与することが示されている<ref name=Mallika2015><pubmed>26297811</pubmed></ref><ref name=Roeseler2012><pubmed>23144817</pubmed></ref><ref name=Nakayama2017><pubmed>28756106</pubmed></ref>。''Gbx'' で見られる保存領域の役割については、ゼブラフィッシュ胚で欠失導入の効果が検討されており<ref name=Nakayama2013><pubmed>23933069</pubmed></ref>、''Gbx2'' の前・中脳の形成抑制活性には NCR 内の Eh1 配列と CD4 配列の双方が寄与することが示された。''Gbx2'' による前方脳抑制活性に Eh1 配列が必要であることはメダカでも観察されており、この場合、Groucho/Tle4 との結合が必要とされた<ref name=Heimbucher2007><pubmed>17060451</pubmed></ref>。''Gbx2'' は神経堤細胞の形成にも関与するが、これに由来する色素細胞の分化制御には ''Gbx2'' の N 末領域の関与が報告されている。
 つまり、''Gbx'' タンパク質は状況に応じて転写活性化因子、転写抑制因子の両方の機能を有する可能性がある。実際、''Gbx2'' 下流遺伝子に関する網羅的解析でも、''Gbx'' が遺伝子発現の活性化、抑制の両方に関与することが示されている<ref name=Mallika2015><pubmed>26297811</pubmed></ref><ref name=Roeseler2012><pubmed>23144817</pubmed></ref><ref name=Nakayama2017><pubmed>28756106</pubmed></ref>。''Gbx'' で見られる保存領域の役割については、ゼブラフィッシュ胚で欠失導入の効果が検討されており<ref name=Nakayama2013><pubmed>23933069</pubmed></ref>、''Gbx2'' の前・中脳の形成抑制活性には NCR 内の Eh1 配列と CD4 配列の双方が寄与することが示された。''Gbx2'' による前方脳抑制活性に Eh1 配列が必要であることはメダカでも観察されており、この場合、Groucho/Tle4 との結合が必要とされた<ref name=Heimbucher2007><pubmed>17060451</pubmed></ref>。''Gbx2'' は神経堤細胞の形成にも関与するが、これに由来する色素細胞の分化制御には ''Gbx2'' の N 末領域の関与が報告されている。
{| class="wikitable" style="font-size:90%;"
|+ 表3. Gbxタンパク質による転写制御
! Gbx !! 標的配列 !! コア結合配列 !! アッセイ法 !! 細胞 !! 転写調節機能 !! 出典
|-
| Gbx1
|
| TAATTA
| 物理化学的手法
|
| N/A
| <ref name=Proudfoot2016><pubmed>27396829</pubmed></ref>
|-
| rowspan="7" | Gbx2
| ChIP-Seqで網羅的に同定されたGBX2結合配列
| ATWWWH<br>WWWAYW
| ChIP-Seq, Motif Sampler
| 前立腺がん細胞
| N/A
| <ref name=Roeseler2012></ref>
|-
| ニワトリ MGF プロモーター
| ATTAA
| レポーターアッセイ
| 繊維芽細胞
| 活性化
| <ref name=Kowenz-Leutz1997></ref>
|-
| ヒト IL-6 プロモーター
| ATTA
| レポーターアッセイ
| 前立腺がん細胞
| 活性化
| <ref name=Gao2000></ref>
|-
| EEF1A1 プロモーター
| TATATAA
| レポーターアッセイ
| HEK293FT
| 活性化
| <ref name=Roeseler2012b></ref>
|-
| ゼブラフィッシュ fgf8a MHB エンハンサー
| TAATTA
| レポーターアッセイ
| 胚
| 抑制(活性化)
| <ref name=Inoue2008></ref>
|-
| マウス Otx2 前中脳エンハンサー
| TAATTA
| レポーターアッセイ
| 胚、P19細胞
| 抑制
| <ref name=Inoue2012></ref>
|-
| マウス Lmo3 プロモーター
| CTAATTAG
| レポーターアッセイ
| P19細胞
| Lhx2による活性化を抑制
| <ref name=Chatterjee2012><pubmed>23136391</pubmed></ref>
|}


== 生理機能 ==
== 生理機能 ==