「モノアミン仮説」の版間の差分

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(ページの作成:「モノアミン仮説 英語名monoamine hypothesis  モノアミンとはドパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニン、ヒスタミ...」)
 
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 紙幅の関係でこの仮説については簡単に述べるに留める。統合失調症の治療薬である抗精神病薬はすべてドパミン2受容体遮断薬である。さらにドパミンを過剰に刺激する薬物(覚せい剤、コカイン、高用量のドパミン・アゴニスト)は慢性投与で幻聴、被害妄想などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状(特に認知機能障害と陰性症状)を説明することは難しい。さらにドパミン2受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。
 紙幅の関係でこの仮説については簡単に述べるに留める。統合失調症の治療薬である抗精神病薬はすべてドパミン2受容体遮断薬である。さらにドパミンを過剰に刺激する薬物(覚せい剤、コカイン、高用量のドパミン・アゴニスト)は慢性投与で幻聴、被害妄想などの統合失調症類似の症状を惹起する。これらのことから統合失調症の特に急性増悪期ではドパミンの機能亢進が想定されている。しかし、ドパミン機能のみでは統合失調症の治療・症状(特に認知機能障害と陰性症状)を説明することは難しい。さらにドパミン2受容体遮断薬だけでは治療効果に限界がある。
 「過剰なdopamine放出に伴うglutamate放出増加とその反復の結果,NMDA 受容体機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている(安部川)。
 「過剰なdopamine放出に伴うglutamate放出増加とその反復の結果,NMDA 受容体機能低下が惹起される」という「dopamine to glutamate仮説」も最近提案されている(安部川)。
(執筆者:井上 猛 担当編集委員:加藤忠史)
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