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==エフリン-Eph受容体型チロシンキナーゼ== | ==エフリン-Eph受容体型チロシンキナーゼ== | ||
[[エフリン]]-[[Eph受容体]]型[[チロシンキナーゼ]] | [[エフリン]]-[[Eph受容体]]型[[チロシンキナーゼ]]は、リガンドと受容体の関係にあるシグナル誘導タンパク質であるが、シナプスにおける機能も示されている。 | ||
===エフリン=== | |||
エフリンは哺乳類では8種類のメンバーがあり、これらは構造の違いからAとBの二つのサブファミリーに分けられる。[[エフリンA]] (エフリンA1-5) は、[[GPI (glycosylphosphatidylinositol)リンカー]]によって細胞膜に結合しているタイプで、[[エフリンB]] (エフリンB1-3) は、1回膜貫通型タンパク質である。 | |||
===Eph受容体型チロシンキナーゼ=== | |||
Eph 受容体型チロシンキナーゼは16個のメンバー(哺乳類では14個)から成る1回膜貫通型タンパク質で、これらのうち、エフリンAと相互作用するものを[[EphA]] (EphA1-8, EphA10), エフリンBと相互作用するものを[[EphB]] (EphB1-4, EphB6)として分けられている。EエフリンAはGPIアンカーで細胞膜に付着しているため細胞内ドメインが無いが、エフリンB, EphAおよびEphBは細胞内領域を介してシグナル伝達に関わる。特にエフリンBとEphBは、双方向性にシグナル伝達をするため、どちらも受容体とリガンドの両方の側面を有していることになる。またこれらのC末にPDZ結合配列があり、これを介して[[PICK1]], [[syntenin]], [[GRIP]], [[PDZ-RGS]]などと結合する。 | |||
EphBは、シナプス後部に局在し、シナプス前終末のエフリンBと結合することによりシナプス後終末で、[[RhoA]]や[[Rac1]]を含むいくつかの[[Rhoファミリー小分子GTP結合タンパク質]]と連動し、[[スパイン]]の[[アクチン]][[細胞骨格]]を再構築することが知られている。EphB1-3の複合欠損マウスでは、シナプス密度の減少と、[[樹状突起]]のスパインの形態異常がみられる <ref><pubmed>14691139</pubmed></ref>。[[海馬]]ニューロンの[[初代培養|培養]]系において、EphB2はエフリンとの結合を介してシナプス前終末の分化を誘導することが示されている<ref><pubmed> 17122040</pubmed></ref>。更にシナプス後終末のEphB2はNMDA型グルタミン酸受容体とシスに相互作用することも示唆されている <ref><pubmed>11136979</pubmed></ref>。一方、リガンドであるエフリンBはシナプス前終末だけでなく興奮性のシナプス後終末にも存在することが示されており、スパインの密度と成熟やAMPA型グルタミン酸受容体の輸送を促進していると思われる <ref><pubmed>17310244</pubmed></ref>。 | |||
==インテグリン (integrin)== | ==インテグリン (integrin)== |