「視覚運動性眼振」の版間の差分

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== 視覚運動性眼振と視機性眼球反応  ==
== 視覚運動性眼振と視機性眼球反応  ==
[[Image:図3 OKN rev.jpg|thumb|250px|'''図3.視運動性眼振(OKN)の特徴'''<br>(A)ウサギの周りのドラム状のスクリーンを左方向に一定速度(30°/s)で回転させると、ウサギの左眼には、回転と同じ方向の緩徐相と、逆の方向の急速相が生じる。緩徐相が一定の速度に達するには時間がかかり、かつその最高速度はスクリーンの回転速度に比べて小さい。<br>(B)Aと同様の実験をヒトで行なったときに観察されるOKN。ただしドラムの回転速度を一定の加速度(2°/s2)で増加させた。ウサギの時に比べて、OKNはすぐに立ち上がり、そのあとやや遅れてスクリーンの速度と同じ速度に達する。▲でその時点でのスクリーンの回転速度を示す。<br>(C)OKNとOKANの緩徐相の速度(ドラムの速度に対するパーセント比率)の時間経過をヒト、サル、ネコ,ウサギで比べたもの。AとBは<ref name=ref10 />を改変。Cは<ref name=ref9>'''篠田義一'''<br>視運動性眼振の動特性と神経機構. 眼球運動の生理学(小松崎, 篠田,丸尾編)<br>''医学書院'',東京, 1985.</ref>を改変。
[[Image:図3 OKN rev.jpg|thumb|250px|'''図3.視運動性眼振(OKN)の特徴'''<br>(A)ウサギの周りのドラム状のスクリーンを左方向に一定速度(30°/s)で回転させると、ウサギの左眼には、回転と同じ方向の緩徐相と、逆の方向の急速相が生じる。緩徐相が一定の速度に達するには時間がかかり、かつその最高速度はスクリーンの回転速度に比べて小さい。<br>(B)Aと同様の実験をヒトで行なったときに観察されるOKN。ただしドラムの回転速度を一定の加速度(2°/s2)で増加させた。ウサギの時に比べて、OKNはすぐに立ち上がり、そのあとやや遅れてスクリーンの速度と同じ速度に達する。▲でその時点でのスクリーンの回転速度を示す。<br>(C)OKNとOKANの緩徐相の速度(ドラムの速度に対するパーセント比率)の時間経過をヒト、サル、ネコ,ウサギで比べたもの。AとBは<ref name=ref10 />を改変。Cは<ref name=ref9>'''篠田義一'''<br>視運動性眼振の動特性と神経機構. 眼球運動の生理学(小松崎, 篠田,丸尾編)<br>''医学書院'',東京, 1985.</ref>を改変。]]


 臨床医学の前庭や視覚の機能の検査に、ドラム状の縞模様のスクリーンを定加速度かつ定方向にまわすことで誘発される視覚運動性眼振(OKN)が用いられる。OKNは、1820年に、小脳のプルキンエ細胞の命名者である[[wikipedia:Jan Evangelista Purkyně|J. E. Purkinje]](1787-1869)によって初めて記載された。図3Aと図3BにウサギとヒトのOKNの例をそれぞれ示す。  
 臨床医学の前庭や視覚の機能の検査に、ドラム状の縞模様のスクリーンを定加速度かつ定方向にまわすことで誘発される視覚運動性眼振(OKN)が用いられる。OKNは、1820年に、小脳のプルキンエ細胞の命名者である[[wikipedia:Jan Evangelista Purkyně|J. E. Purkinje]](1787-1869)によって初めて記載された。図3Aと図3BにウサギとヒトのOKNの例をそれぞれ示す。