「脂肪酸結合タンパク質7型」の版間の差分

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  | Hs_RefseqmRNA = NM_001446.3
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  | Hs_RefseqProtein = NP_001437.1
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  | Hs_GenLoc_chr = 6
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  | Hs_GenLoc_start = 123100646
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  | Mm_RefseqmRNA = NM_021272.3
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  | Mm_RefseqProtein = NP_067247.1
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  | Mm_GenLoc_chr = 10
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  | Mm_GenLoc_start = 57504729
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  | Mm_GenLoc_end = 57508256
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  | Mm_Uniprot = P51880
  | Mm_Uniprot = P51880
}} BLBPはFABPファミリーの中で7番目に脳から単離されたため、FABP7もしくはB-FABPとも呼ばれる(本稿では、最近一般的に使用されているFABP7を用いる)。  
}} BLBPはFABPファミリーの中で7番目に脳から単離されたため、FABP7もしくはB-FABPとも呼ばれる(本稿では、最近一般的に使用されているFABP7を用いる)。  


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 FABP7遺伝子はヒトで6番染色体短腕22-23、マウスでは10番染色体に存在している (NCBI website, http://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/?term=FABP7)。 発達期の脳のFABP7を制御する転写因子としてNotchシグナル経路、Reelin-[[DAB1]]、[[PAX]]6、NF-1、[[POU]]ドメインタンパク質が知られている。マウスではNotchシグナル経路、ラットではPAX6が特に重要な役割を果たすと考えられている <ref name="ref3" /><ref name="ref4"><pubmed> 16237179 </pubmed></ref>。  
 FABP7遺伝子はヒトで6番染色体短腕22-23、マウスでは10番染色体に存在している (NCBI website, http://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/?term=FABP7)。 発達期の脳のFABP7を制御する転写因子としてNotchシグナル経路、Reelin-[[DAB1]]、[[PAX]]6、NF-1、[[POU]]ドメインタンパク質が知られている。マウスではNotchシグナル経路、ラットではPAX6が特に重要な役割を果たすと考えられている <ref name="ref3" /><ref name="ref4"><pubmed> 16237179 </pubmed></ref>。  


 FABPファミリーは、脂肪酸などのリガンドを細胞質から核に輸送し、proliferator-activated receptor ([[wikipedia:ja:PPAR|PPAR]])などの[[wikipedia:ja:核内受容体|核内受容体]]を活性化することによって遺伝子を制御していると考えられている。事実、肝臓型FABP1がPPARαとPPARγ、脂肪細胞型FABP4と表皮型FABP5がPPARγおよびPPARβに結合することが明らかにされている<ref name="ref3" />。FABP7と核内受容体との結合や転写調節の詳細は明らかになっていないが、最近の知見では、悪性膠芽腫(U87細胞)や乳がん細胞(MDA-MB-435S細胞とBT20細胞)において、FABP7がDHAの核内輸送を介してPPARγやretinoid X receptorβ (RXRβ)の活性制御を行い、腫瘍細胞の浸潤・増殖に関与している可能性が示唆されている<ref name="ref5"><pubmed> 20834042 </pubmed></ref><ref name="ref6"><pubmed> 22322885 </pubmed></ref>。  
 FABPファミリーは、脂肪酸などのリガンドを細胞質から核に輸送し、proliferator-activated receptor ([[wikipedia:ja:PPAR|PPAR]])などの[[wikipedia:ja:核内受容体|核内受容体]]を活性化することによって遺伝子を制御していると考えられている。事実、肝臓型FABP1がPPARαとPPARγ、脂肪細胞型FABP4と表皮型FABP5がPPARγおよびPPARβに結合することが明らかにされている<ref name="ref3" />。FABP7が直接結合する核内受容体やその転写調節機構の詳細は明らかになっていないが、最近の知見では、悪性膠芽腫(U87細胞)や乳がん細胞(MDA-MB-435S細胞とBT20細胞)において、FABP7がDHAの核内輸送を介してPPARγやretinoid X receptorβ (RXRβ)の活性制御を行い、腫瘍細胞の浸潤・増殖に関与している可能性が示唆されている<ref name="ref5"><pubmed> 20834042 </pubmed></ref><ref name="ref6"><pubmed> 22322885 </pubmed></ref>。  


== 神経系での局在と機能  ==
== 神経系での局在と機能  ==