「フグ毒」の版間の差分

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== Chemical toolとしての利用  ==
== Chemical toolとしての利用  ==


 TTXは実験室で広く利用されている。2、3の例を次に挙げる。神経や筋肉では通常Na<sup>+</sup>チャネルとK+チャネルが共存しているので、K+チャネルの由来の電流を測定するためにはNa<sup>+</sup>チャネルをTTXで完全に阻害すればよい。シナプス後電位膜のチャネル、例えば[[アセチルコリン受容体]]チャネルや[[グルタミン酸受容体]]チャネルはTTXによって阻害されないので、[[節前繊維]]の興奮をTTXでとめて受容体の働きを調べることができる。その他[[神経興奮]]や[[活動電位]]を止めて実験することが多々あるが、このような場合にはTTXが広く使われている。Na<sup>+</sup>チャネルの密度もTTX あるいは同様なNa<sup>+</sup>チャネル阻害作用のある[[wikipedia:jp:サキシトキシン|サキシトキシン]](saxitoxin、STX)の結合によって測定された。無髄神経線維では通常1 µm<sup>2</sup>あたり100-300個のNa<sup>+</sup>チャネルが存在する。有髄神経線維の[[ランヴィエ絞輪]]では[[跳躍伝導]]のために密度が高く、1 µm<sup>2</sup>あたり12000個と測定されている。
 TTXは実験室で広く利用されている。2、3の例を次に挙げる。神経や筋肉では通常Na<sup>+</sup>チャネルとK+チャネルが共存しているので、K+チャネルの由来の電流を測定するためにはNa<sup>+</sup>チャネルをTTXで完全に阻害すればよい。シナプス後電位膜のチャネル、例えば[[アセチルコリン受容体]]チャネルや[[グルタミン酸受容体]]チャネルはTTXによって阻害されないので、[[節前繊維]]の興奮をTTXでとめて受容体の働きを調べることができる。その他[[神経興奮]]や[[活動電位]]を止めて実験することが多々あるが、このような場合にはTTXが広く使われている。Na<sup>+</sup>チャネルの密度もTTX あるいは同様なNa<sup>+</sup>チャネル阻害作用のある[[wikipedia:jp:サキシトキシン|サキシトキシン]](saxitoxin、STX)の結合によって測定された。[[無髄神経線維]]では通常1 µm<sup>2</sup>あたり100-300個のNa<sup>+</sup>チャネルが存在する。[[有髄神経線維]]の[[ランヴィエ絞輪]]では[[跳躍伝導]]のために密度が高く、1 µm<sup>2</sup>あたり12000個と測定されている。


== TTX抵抗性Na<sup>+</sup>チャネル ==
== TTX抵抗性Na<sup>+</sup>チャネル ==