「ホスファチジルイノシトール」の版間の差分

170行目: 170行目:
=== OCRL  ===
=== OCRL  ===


OCRLは約20万人に1人の割合で見られる発達障害であるLowe症候群の原因遺伝子である。Lowe症候群は白内障や認知障害など多くの症状を伴う疾患である。OCRLはPI(4,5)P<sub>2</sub>を特異的な基質とする5−ホスファターゼである。OCRLはクラスリン被覆小胞に局在しており、トランスゴルジと初期エンドソーム間の小胞輸送をコントロールしている。OCRLによって産生されたPI(4)PはAP1, OSBP, CERTなどのエフェクター分子と結合して、ステロールやタンパク質の輸送を促進する。一方、PI(4,5)P<sub>2</sub>は細胞膜からのクラスリン被覆小胞によるエンドサイトーシスを促進する。OCRLはPI(4)PとPI(4,5)P<sub>2</sub>量を間接的に調節することによって細胞内の小胞輸送をコントロールしていると考えられている。  
[[wikipedia:OCRL|OCRL]]は約20万人に1人の割合で見られる発達障害であるLowe症候群の原因遺伝子である。Lowe症候群は[[wikipedia:白内障|白内障]]や[[wikipedia:認知障害|認知障害]]など多くの症状を伴う疾患である。OCRLはPI(4,5)P<sub>2</sub>を特異的な基質とする5−ホスファターゼである。OCRLはクラスリン被覆小胞に局在しており、[[トランスゴルジ]]と初期エンドソーム間の小胞輸送をコントロールしている。OCRLによって産生されたPI(4)Pは[[wikipedia:AP1G1|AP1]], OSBP, [[wikipedia:COL4A3BP|CERT]]などのエフェクター分子と結合して、ステロールやタンパク質の輸送を促進する。一方、PI(4,5)P<sub>2</sub>は細胞膜からのクラスリン被覆小胞によるエンドサイトーシスを促進する。OCRLはPI(4)PとPI(4,5)P<sub>2</sub>量を間接的に調節することによって細胞内の小胞輸送をコントロールしていると考えられている。


=== Synaptojanin  ===
=== Synaptojanin  ===