「嚥下障害」の版間の差分

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 食物の通路の形態的異常、たとえば唇顎口蓋裂・口腔咽頭領域の腫瘍や潰瘍、術後の欠損など、また食物移送運動の異常、たとえば脳卒中・神経筋疾患が原因となる。その他、呼吸不全・加齢・栄養不良などの体力低下・薬剤の副作用などの合併症としても見られる。
 食物の通路の形態的異常、たとえば唇顎口蓋裂・口腔咽頭領域の腫瘍や潰瘍、術後の欠損など、また食物移送運動の異常、たとえば脳卒中・神経筋疾患が原因となる。その他、呼吸不全・加齢・栄養不良などの体力低下・薬剤の副作用などの合併症としても見られる。


==診断・検査==       
==診断・検査==
 
 むせる、痰の増加、痰に食物が混じる、声の変化(湿性嗄声)、咽頭違和感の訴え、食欲低下、食事中の疲労、食事時間の延長、食事内容の変化(水分は避けるなど)、食べ方の変化(上を向いてのみ込むなど)、体重減少の症状がある場合には、摂食嚥下障害を疑う。
 むせる、痰の増加、痰に食物が混じる、声の変化(湿性嗄声)、咽頭違和感の訴え、食欲低下、食事中の疲労、食事時間の延長、食事内容の変化(水分は避けるなど)、食べ方の変化(上を向いてのみ込むなど)、体重減少の症状がある場合には、摂食嚥下障害を疑う。


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Modified water swallowing test :MWST
Modified water swallowing test :MWST


 冷水3 mlを口腔底に注ぎ、嚥下を指示する。咽頭に直接水が流れこむのを防ぐため、舌背ではなく口腔底に水を注ぐ。以下の表により評価点が4点以上であれば、さらにテストを2回繰り返し、最も悪い場合を評価点とする。カットオフ値を3とすると、誤嚥有無別の感度は0.70、特異度は0.88と報告されている(文献3)。
 冷水3 mlを口腔底に注ぎ、嚥下を指示する。咽頭に直接水が流れこむのを防ぐため、舌背ではなく口腔底に水を注ぐ。以下の'''表2'''により評価点が4点以上であれば、さらにテストを2回繰り返し、最も悪い場合を評価点とする。カットオフ値を3とすると、誤嚥有無別の感度は0.70、特異度は0.88と報告されている(文献3)。


{| class="wikitable"
|+表2. 改訂水のみテスト
|-
!style="text-align:left;"| 評価基準
|-
|
1. 嚥下なし、むせる and/or 呼吸切迫<br>
2. 嚥下あり、呼吸切迫<br>
3. 嚥下あり、呼吸良好、むせる and/or 湿性嗄声<br>
4. 嚥下あり、呼吸良好、むせなし
|}




評価基準
1 嚥下なし、むせる and/or 呼吸切迫
1 嚥下なし、むせる and/or 呼吸切迫
2 嚥下あり、呼吸切迫
2 嚥下あり、呼吸切迫
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==== 筋電図 シンチグラフィー ====
==== 筋電図 シンチグラフィー ====
などを用いた検査も行われる。詳細は(文献1)参照
などを用いた検査も行われる。詳細は(文献1)参照


==合併症==
==合併症==