「フグ毒」の版間の差分

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== TTXによる中毒  ==
== TTXによる中毒  ==


 TTX LD50はマウスでは10 ng/g、ヒトでは2 mg/human といわれている。中毒の第1期は神経筋で起こり、唇や舌の[[wikipedia:jp:痺れ|痺れ]]、流涎や腹痛からなる。第2期には痺れが広がり手足(extremity)の麻痺が起こる。第3期には麻痺が神経筋肉系および呼吸器系にひろがって、[[構音障害]](dysarthria)、[[筋線維性攣縮]]、[[wikipedia:jp:低血圧|低血圧]] (hypotension)、血管運動ブロック、[[wikipedia:jp:不整脈]] を伴う。第4期の末期には呼吸麻痺、極度の低血圧、[[痙攣]]、[[脊髄反射]]の消失を経て死にいたる。
 TTX LD50はマウスでは10 ng/g、ヒトでは2 mg/human といわれている。中毒の第1期は神経筋で起こり、唇や舌の[[wikipedia:jp:痺れ|痺れ]]、流涎や腹痛からなる。第2期には痺れが広がり手足(extremity)の麻痺が起こる。第3期には麻痺が神経筋肉系および呼吸器系にひろがって、[[構音障害]](dysarthria)、[[筋線維性攣縮]]、[[wikipedia:jp:低血圧|低血圧]] (hypotension)、血管運動ブロック、[[wikipedia:jp:不整脈|不整脈]] を伴う。第4期の末期には呼吸麻痺、極度の低血圧、[[痙攣]]、[[脊髄反射]]の消失を経て死にいたる。


 解毒剤は知られていない。[[wikipedia:jp:対症療法|対症療法]]としては[[wikipedia:jp:人工呼吸|人工呼吸]]が有効である。心筋のNa<sup>+</sup>チャネルはTTXに対する感受性が低く中毒中も働いているので、人工呼吸を施せばTTXが徐々に解毒されて患者は回復に向かう。[[wikipedia:jp:胃洗浄|胃洗浄]]は有効で、[[アトロピン]]も低血圧や徐脈に対症療法的に使われる。
 解毒剤は知られていない。[[wikipedia:jp:対症療法|対症療法]]としては[[wikipedia:jp:人工呼吸|人工呼吸]]が有効である。心筋のNa<sup>+</sup>チャネルはTTXに対する感受性が低く中毒中も働いているので、人工呼吸を施せばTTXが徐々に解毒されて患者は回復に向かう。[[wikipedia:jp:胃洗浄|胃洗浄]]は有効で、[[アトロピン]]も低血圧や徐脈に対症療法的に使われる。