「水道周囲灰白質」の版間の差分

編集の要約なし
23行目: 23行目:
 視床下部、不確帯、脳幹網様体、上丘、外側脚傍核、縫線核群、脊髄などに投射する。また、これらの領域からは、いずれも求心性投射を受けており、これらの領域からさまざまな情報を統合して、適切な行動様式や、自律神経系活動を発現させるための情報を延髄や脊髄に送っている。
 視床下部、不確帯、脳幹網様体、上丘、外側脚傍核、縫線核群、脊髄などに投射する。また、これらの領域からは、いずれも求心性投射を受けており、これらの領域からさまざまな情報を統合して、適切な行動様式や、自律神経系活動を発現させるための情報を延髄や脊髄に送っている。
   
   
== おもな神経伝達物質<ref>遠山正彌 編<br>分子脳・神経機能解剖学 3章 脳の構造と化学的神経回路 B延髄・橋・中脳 p.59-113<br>金芳堂:2004</ref> ==
== おもな神経伝達物質<ref>遠山正彌 編<br>分子脳・神経機能解剖学 3章 脳の構造と化学的神経回路 B延髄・橋・中脳 p.59-113<br>金芳堂:2004</ref> ==


[[Image:Yoshimasakoyama_Table_1.pdf|thumb|right|400px|'''表1.中脳周囲灰白質に存在するペプタイド'''<br>存在が確認されているペプタイドニューロンの細胞体、神経線維、受容体のサブタイプを示す]]
{| width="691" height="454" cellspacing="1" cellpadding="1" border="1"
|-
| 物質名
| 略号
| 細胞体
| 神経線維
| 受容体
|-
| ソマトスタチン
| SOM
| +<sup>(1)</sup>
| +
|
|-
| サブスタンスP
| SP
| +
| +
| +(NK1)
|-
| エンケファリン
| Enk
| +
| +
| +(μ)
|-
| ダイノルフィン
| Dyn
| +
| +
| +()
|-
| コレシストキニン
| CCK
| +<sup>(2)</sup>
| +
| +(CCK-A)
|-
| ニューロペプタイドY
| NPY
|
| +
| +(Y2)
|-
| ニューロテンシン
| NT
| +
| +
| +
|-
| カルシトニン遺伝子関連ペプチド
| CGRP
| -
| +
|
|-
| γメラニン細胞刺激ホルモン
| γMSH
| -
| +
|
|-
| コルチコトロピン放出ホルモン
| CRF
| +
| +
| +(CRF1)
|-
| ガラニン放出ペプタイド
| GRP
| +
|
| +
|-
| ニューロメジンB
| NMB
| -
|
| +
|-
| ガラニン
| Gal
| +
| +
| +
|-
| バソプレシン
| VP
| -
| +
| +(V2)
|-
| オキシトシン
| Ox
| -
| +
| +
|-
| オレキシン
| Orx
| -
| +
| +(1R, 2R)
|-
| 甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン
| TRH
| +
| +
| +
|-
| 甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン
| LHRH
| -
| +
|
|}
<sup>(1)</sup> おもに外背側被蓋核に存在
<sup>(2)</sup> おもに背側縫線核に存在
 
'''表1.中脳周囲灰白質に存在するペプタイド'''<br>存在が確認されているペプタイドニューロンの細胞体、神経線維、受容体のサブタイプを示す  
 
<br>  主な興奮性伝達物質としてグルタミン酸、抑制性伝達物質としてGABA、グリシンをもつ。一酸化窒素(NO)産生ニューロンも存在し、特に背側縫線核のセロトニン作動性ニューロン、外背側被蓋核のアセチルコリン作動性ニューロンは、高いNO合成酵素活性をもつ。表1に示すように、さまざまなペプタイドを含有するニューロンと、その受容体を発現するニューロンが分布する。  


 主な興奮性伝達物質としてグルタミン酸、抑制性伝達物質としてGABA、グリシンをもつ。一酸化窒素(NO)産生ニューロンも存在し、特に背側縫線核のセロトニン作動性ニューロン、外背側被蓋核のアセチルコリン作動性ニューロンは、高いNO合成酵素活性をもつ。表1に示すように、さまざまなペプタイドを含有するニューロンと、その受容体を発現するニューロンが分布する。
 
== おもな機能 ==
== おもな機能 ==