「内側視索前野」の版間の差分

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===体温調節===
===体温調節===
 ウレタン麻酔下のネコの前交連の前腹側に局所の加温により放電頻度を増す温感受性ニューロンが存在する。反応の特異性は周辺のニューロンが反応しないので特異的であるという中山らの先駆的報告が行われている<ref name=Hardy1962><pubmed>17745919</pubmed></ref> (Hardy et al., 1962)。 ラットでは視索前野の片側破壊により散熱の抑制(尾血管の収縮、酸素消費の亢進、体温保持姿勢)による致死的な高体温が急速に生じる。術後強制的な冷却により生存した個体は体温の恒常性を維持できず変温動物となったという<ref name=Szymusiak1982><pubmed>7079312</pubmed></ref>。。ウレタン麻酔下のウサギでプロゲステロンの全身投与は視索前野の温感受性ニューロンを抑制し、ひいては個体の体温上昇を起す<ref name=Nakayama1975><pubmed>1186885</pubmed></ref>。ヒト女性の排卵と黄体期における約0.5°Cの基礎体温の上昇は<ref name=Buxton1948><pubmed>18939188</pubmed></ref>この機序による。
 ウレタン麻酔下のネコの内側視索前野、中でも前交連の前腹側に局所の加温により放電頻度を増す温感受性ニューロンが存在する。反応の特異性は周辺のニューロンが反応しないので特異的であるという中山らの先駆的報告が行われている<ref name=Hardy1962><pubmed>17745919</pubmed></ref> (Hardy et al., 1962)。 ラットでは内側視索前野の片側破壊により散熱の抑制(尾血管の収縮、酸素消費の亢進、体温保持姿勢)による致死的な高体温が急速に生じる。術後強制的な冷却により生存した個体は体温の恒常性を維持できず変温動物となる<ref name=Szymusiak1982><pubmed>7079312</pubmed></ref>。。ウレタン麻酔下のウサギでプロゲステロンの全身投与は視索前野の温感受性ニューロンを抑制し、ひいては個体の体温上昇を起す<ref name=Nakayama1975><pubmed>1186885</pubmed></ref>。ヒト女性の排卵と黄体期における約0.5°Cの基礎体温の上昇は<ref name=Buxton1948><pubmed>18939188</pubmed></ref>この機序による。
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