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==== GluN1/GluN3型NMDA受容体 ==== | ==== GluN1/GluN3型NMDA受容体 ==== | ||
GluN1、GluN3サブユニットから成るNMDA受容体は、グルタミン酸には応答せずグリシンや<small>D</small>-セリン単独で活性化される興奮性グリシン受容体(eGlyR)を構成することが報告された<ref name=Chatterton2002><pubmed>11823786</pubmed></ref> | GluN1、GluN3サブユニットから成るNMDA受容体は、グルタミン酸には応答せずグリシンや<small>D</small>-セリン単独で活性化される興奮性グリシン受容体(eGlyR)を構成することが報告された<ref name=Chatterton2002><pubmed>11823786</pubmed></ref><ref name=Pina-Crespo2010><pubmed>20739572</pubmed></ref><ref name=Bossi2022><pubmed>35700736</pubmed></ref>。<small>D</small>-セリンはeGlyRの弱い部分アゴニストとして作用し、グリシンにより前活性化されたeGlyRを抑制する<ref name=Chatterton2002><pubmed>11823786</pubmed></ref><ref name=Pina-Crespo2010><pubmed>20739572</pubmed></ref><ref name=Bossi2022><pubmed>35700736</pubmed></ref>。本受容体は、ミエリンに存在するだけでなく<ref name=Pina-Crespo2010><pubmed>20739572</pubmed></ref>、大脳皮質・手綱核・扁桃体において内在性グリシンが持続的に神経細胞を脱分極させることによってその興奮性を調節すると考えられている<ref name=Bossi2022><pubmed>35700736</pubmed></ref>。セリンラセマーゼ欠損マウスでは、このような持続性脱分極が影響を受けないことから、<small>D</small>-セリンの生理的役割についてはさらに検討が必要である<ref name=Bossi2022><pubmed>35700736</pubmed></ref>。 | ||
==== δ受容体リガンド ==== | ==== δ受容体リガンド ==== | ||