「ジストロフィン」の版間の差分
細編集の要約なし |
細編集の要約なし |
||
| 1行目: | 1行目: | ||
<div align="right"> | |||
<font size="+1">[https://researchmap.jp/ono_hiro 小野 洋也]、[https://researchmap.jp/634?lang=ja 青木 吉嗣]</font><br> | |||
''国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 神経研究所遺伝子疾患治療研究部''<br> | |||
DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2025年5月15日 原稿完成日:2026年5月16日<br> | |||
担当編集委員:[https://researchmap.jp/shinsuke.ishigaki 石垣 診祐](滋賀医科大学 神経難病研究センター)<br> | |||
</div> | |||
英:dystrophin<br> | |||
{{box|text= ジストロフィンはDMD遺伝子にコードされる巨大な細胞骨格関連タンパク質であり、骨格筋、心筋、中枢神経系などに発現する。骨格筋では、細胞内のF-アクチンと基底板を含む細胞外マトリックスを、ジストロフィン糖タンパク質複合体を介して連結し、筋収縮に伴う機械的ストレスから筋線維膜(筋形質膜)を保護する。DMD遺伝子には複数のプロモーターが存在し、全長型Dp427に加えて、Dp260、Dp140、Dp116、Dp71などの短縮型アイソフォームが産生される[1]<ref name=Muntoni2003><pubmed>14636778</pubmed></ref>。これらは網膜、末梢神経、中枢神経系などに組織特異的に発現する。中枢神経系では、Dp427、Dp140、Dp71が主に発現し、抑制性シナプスの安定化、神経発達、血液脳関門周囲の水・カリウム恒常性に関与すると考えられている。ジストロフィンの欠損または異常は、デュシェンヌ型筋ジストロフィーおよびベッカー型筋ジストロフィーの分子基盤であり、脳内ジストロフィン・アイソフォームの欠損は、発達・認知・行動面の症状の一因となりうる。}} | {{box|text= ジストロフィンはDMD遺伝子にコードされる巨大な細胞骨格関連タンパク質であり、骨格筋、心筋、中枢神経系などに発現する。骨格筋では、細胞内のF-アクチンと基底板を含む細胞外マトリックスを、ジストロフィン糖タンパク質複合体を介して連結し、筋収縮に伴う機械的ストレスから筋線維膜(筋形質膜)を保護する。DMD遺伝子には複数のプロモーターが存在し、全長型Dp427に加えて、Dp260、Dp140、Dp116、Dp71などの短縮型アイソフォームが産生される[1]<ref name=Muntoni2003><pubmed>14636778</pubmed></ref>。これらは網膜、末梢神経、中枢神経系などに組織特異的に発現する。中枢神経系では、Dp427、Dp140、Dp71が主に発現し、抑制性シナプスの安定化、神経発達、血液脳関門周囲の水・カリウム恒常性に関与すると考えられている。ジストロフィンの欠損または異常は、デュシェンヌ型筋ジストロフィーおよびベッカー型筋ジストロフィーの分子基盤であり、脳内ジストロフィン・アイソフォームの欠損は、発達・認知・行動面の症状の一因となりうる。}} | ||