「スペクトリン」の版間の差分

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| ''SPTA1''
| ''SPTA1''
| αI-spectrin
| αI-スペクトリン
| 哺乳類の赤血球
| 哺乳類の赤血球
| 遺伝性球状赤血球症
| 遺伝性球状赤血球症
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| ''SPTAN1''
| ''SPTAN1''
| αII-spectrin
| αII-スペクトリン
| 脳を含む多くの組織
| 脳を含む多くの組織
| West症候群、発達性てんかん性脳症、一部では小脳性運動失調や痙性対麻痺
| West症候群、発達性てんかん性脳症、一部では小脳性運動失調や痙性対麻痺
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| ''SPTB''
| ''SPTB''
| βI-spectrin
| βI-スペクトリン
| 赤血球、骨格筋、心筋<br>神経細胞では樹状突起領域およびシナプス後肥厚部
| 赤血球、骨格筋、心筋<br>神経細胞では樹状突起領域およびシナプス後肥厚部
| 遺伝性球状赤血球症
| 遺伝性球状赤血球症
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| ''SPTBN1''
| ''SPTBN1''
| βII-spectrin
| βII-スペクトリン
| 発生期の骨格筋<br>神経細胞では軸索
| 発生期の骨格筋<br>神経細胞では軸索
| 自閉スペクトラム症および注意欠如・多動症(ADHD)、発達遅滞、知的発達症、てんかん
| 自閉スペクトラム症および注意欠如・多動症(ADHD)、発達遅滞、知的発達症、てんかん
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| ''SPTBN2''
| ''SPTBN2''
| βIII-spectrin
| βIII-スペクトリン
| 主に脳。他に膵臓、腎臓、生殖器系組織、皮膚<br>小脳プルキンエ細胞では細胞体、樹状突起領域、樹状突起スパイン
| 主に脳。他に膵臓、腎臓、生殖器系組織、皮膚<br>小脳プルキンエ細胞では細胞体、樹状突起領域、樹状突起スパイン
| 脊髄小脳失調症
| 脊髄小脳失調症
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| ''SPTBN4''
| ''SPTBN4''
| βIV-spectrin
| βIV-スペクトリン
| 転写産物:脳および膵島<br>タンパク質:神経細胞の軸索起始部、ランヴィエ絞輪
| 転写産物:脳および膵島<br>タンパク質:神経細胞の軸索起始部、ランヴィエ絞輪
| 知的発達症、先天性筋緊張低下、運動神経の軸索障害
| 知的発達症、先天性筋緊張低下、運動神経の軸索障害
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| ''SPTBN5''
| ''SPTBN5''
| βV-spectrin
| βV-スペクトリン
| 小脳、脊髄、心臓、胃、光受容細胞
| 小脳、脊髄、心臓、胃、光受容細胞
| 知的発達症や発達遅滞、てんかん発作を特徴とする症候群
| 知的発達症や発達遅滞、てんかん発作を特徴とする症候群
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 βI-スペクトリンは赤血球や骨格筋、心筋に存在し、神経細胞では樹状突起領域およびシナプス後肥厚部に局在する<ref name=Bennett2001><pubmed>11427698</pubmed></ref><ref name=Baines2005><pubmed>15970557</pubmed></ref><ref name=Lorenzo2023><pubmed>36697767</pubmed></ref>。βI-スペクトリンは、樹状突起スパインにおける形態的および機能的な調節に関与する<ref name=Lorenzo2023><pubmed>36697767</pubmed></ref>。βII-スペクトリンは発生期の骨格筋に発現しており、神経細胞では軸索に広く分布する<ref name=Liu2019><pubmed>31191255</pubmed></ref><ref name=Zhou1998><pubmed>9436990</pubmed></ref>。βIII-スペクトリンは主に脳で高発現しているが、膵臓、腎臓、生殖器系組織、皮膚においても発現が認められる<ref name=Lorenzo2023><pubmed>36697767</pubmed></ref>。βIII-スペクトリンは小脳プルキンエ細胞では細胞体および樹状突起領域に存在し、樹状突起スパインに局在する<ref name=Perkins2010><pubmed>20371805</pubmed></ref><ref name=Gao2011><pubmed>22090485</pubmed></ref>。βIII-スペクトリンは樹状突起スパインの基部およびネックに局在し、スパインネックのくびれ構造の形成ならびにシナプス活動の調節に関与する<ref name=Efimova2017><pubmed>28576936</pubmed></ref>。βIV-スペクトリンの転写産物は脳および膵島で認められ、タンパク質は神経細胞において軸索起始部およびランヴィエ絞輪に集積している<ref name=Berghs2000><pubmed>11086001</pubmed></ref>。巨大βV-スペクトリンは小脳や脊髄、心臓、胃、光受容細胞などで発現している<ref name=Stabach2000><pubmed>10764729</pubmed></ref><ref name=Papal2013><pubmed>23704327</pubmed></ref>。
 βI-スペクトリンは赤血球や骨格筋、心筋に存在し、神経細胞では樹状突起領域およびシナプス後肥厚部に局在する<ref name=Bennett2001><pubmed>11427698</pubmed></ref><ref name=Baines2005><pubmed>15970557</pubmed></ref><ref name=Lorenzo2023><pubmed>36697767</pubmed></ref>。βI-スペクトリンは、樹状突起スパインにおける形態的および機能的な調節に関与する<ref name=Lorenzo2023><pubmed>36697767</pubmed></ref>。βII-スペクトリンは発生期の骨格筋に発現しており、神経細胞では軸索に広く分布する<ref name=Liu2019><pubmed>31191255</pubmed></ref><ref name=Zhou1998><pubmed>9436990</pubmed></ref>。βIII-スペクトリンは主に脳で高発現しているが、膵臓、腎臓、生殖器系組織、皮膚においても発現が認められる<ref name=Lorenzo2023><pubmed>36697767</pubmed></ref>。βIII-スペクトリンは小脳プルキンエ細胞では細胞体および樹状突起領域に存在し、樹状突起スパインに局在する<ref name=Perkins2010><pubmed>20371805</pubmed></ref><ref name=Gao2011><pubmed>22090485</pubmed></ref>。βIII-スペクトリンは樹状突起スパインの基部およびネックに局在し、スパインネックのくびれ構造の形成ならびにシナプス活動の調節に関与する<ref name=Efimova2017><pubmed>28576936</pubmed></ref>。βIV-スペクトリンの転写産物は脳および膵島で認められ、タンパク質は神経細胞において軸索起始部およびランヴィエ絞輪に集積している<ref name=Berghs2000><pubmed>11086001</pubmed></ref>。巨大βV-スペクトリンは小脳や脊髄、心臓、胃、光受容細胞などで発現している<ref name=Stabach2000><pubmed>10764729</pubmed></ref><ref name=Papal2013><pubmed>23704327</pubmed></ref>。
 
[[ファイル:Yamanoi Spectrin Figure2.jpg|サムネイル|'''図2.軸索起始部におけるスペクトリン膜骨格と関連分子群'''<br>軸索起始部において、アンキリン-Gはイオンチャネル(Nav1やKCNQ2/3)や接着分子(NF186やNrCAM)などと結合し、それらを軸索起始部に集積させる。αII-スペクトリンとβIV-スペクトリンからなるスペクトリン四量体は、アクチンリングを連結し、アンキリン-GはβIV-スペクトリンとの結合を介して、軸索起始部における周期的な膜骨格構造を構築する。]]
== 構造 ==
== 構造 ==
 いずれも弾性に富むスペクトリンリピートと呼ばれる特徴的な繰り返し配列を有する<ref name=Speicher1983><pubmed>6654896</pubmed></ref><ref name=Speicher1984><pubmed>6472478</pubmed></ref>。
 いずれも弾性に富むスペクトリンリピートと呼ばれる特徴的な繰り返し配列を有する<ref name=Speicher1983><pubmed>6654896</pubmed></ref><ref name=Speicher1984><pubmed>6472478</pubmed></ref>。
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* [[アンキリン]]
* [[アンキリン]]
== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
<references />
<references />
== 図表のタイトル ==
'''図1. 赤血球のスペクトリン膜骨格'''
赤血球の溶血過程と、赤血球膜骨格を形成する分子群を示す。α-スペクトリンとβ-スペクトリン からなるスペクトリン複合体は、赤血球膜直下でアクチンなどの分子と結合し、網目状の膜骨格構造を形成する。
'''図2. 軸索起始部におけるスペクトリン膜骨格と関連分子群'''
軸索起始部において、ankyrin-Gはイオンチャネル(Nav1やKCNQ2/3)や接着分子(NF186やNrCAM)などと結合し、それらを軸索起始部に集積させる。αII-スペクトリンとβIV-スペクトリンからなるスペクトリン四量体は、アクチンリングを連結し、ankyrin-GはβIV-スペクトリンとの結合を介して、軸索起始部における周期的な膜骨格構造を構築する。