トリプレット病
ナビゲーションに移動
検索に移動
トリプレット病 英語名:Triplet Repeat Diseases; Trinucleotide Repeat Disorders とはゲノム内の遺伝子に存在する3塩基の繰り返し配列(トリプレット・リピート)が異常に伸長することによっておこる一群の遺伝性神経疾患のことである。これらの疾患においては、リピート長が遺伝学的に不安定で、親から子孫への疾患遺伝子の伝播に伴ってリピート長が変動することが多い。リピート長が長いほど患者は若年で発症し、疾患の病態はより重篤になる傾向があり、従って一般にそれぞれの疾患の表現型は多様である。現在までに典型的なトリプレット病として、若年性発症の精神遅滞を主徴とする疾患から中年期以降に発症する神経変性疾患まで少なくとも16種類の疾患が知られている。それらの疾患におけるリピート長の伸長は、遺伝子産物(タンパク・RNA)の機能喪失(loss of function)または機能獲得(gain of function)の機構を介して、病態を発症させると考えられる。