血液脳関門
英語名:Blood-brain barrier (BBB)
血液脳関門(Blood-brain barrier, BBB)の解剖学的実体は脳毛細血管であり、脳室周囲器官を除いては、内皮細胞同士が密着結合で連結している。当初BBBは、この構造的特徴によって、細胞間隙を介した非特異的な中枢への侵入や、脳内産生物質の流出を阻止している物理的障壁と考えられてきた。しかし現在では、BBBは脳に必要な物質を血液中から選択して脳へ供給し、逆に脳内で産生された不要物質を血中に排出する「動的インターフェース」であるという新たな概念が確立している。BBBには、多様なトランスポーターや受容体が内皮細胞の脳血液側と脳側の細胞膜に極性をもって発現し、協奏的に働くことによって、循環血液と脳実質間でのベクトル輸送を厳密に制御している。中枢作用薬の開発には、良好な脳移行性を持った候補化合物の選択が必要であり、ヒトBBBの解明が不可欠である。近年、「機能タンパク質の絶対定量法(Quantitative Targeted Absolute Proteomics (QTAP)」によって、ヒト、サル、マウスのBBBにおけるトランスポーター・受容体の質的及び量的な種差が解明された。BBB研究は、げっ歯類を中心とした発現の有無、BBBを透過するか否かといった定性的解析から、発現量、透過速度、輸送速度およびヒト-動物間の種差や正常-病態間の差などに基づく定量的解析へと大きく舵を切りつつある。
歴史
細菌学者Paul Ehrlichは当時流行り始めた生体染色色素に興味を持ち、生きたウサギの血管内に色素を注射したところ、多くの臓器の組織染色に成功したが、中枢だけが染色できないことに気付いた。1885年に、この結果を「脳組織は染色色素を吸着する化学成分が欠乏している」と解釈した論文を発表した[1]。その後、弟子のEdwin Goldmanが、トリパンブルー(酸性色素)を脳室内に投与したところ、中枢組織は染まるが他の末梢臓器は染まらないことを見出した。Goldmanは、この結果を「中枢組織は染色し難い性質を持つという解釈は誤りで、脳は血管との間に色素を隔離する特性を有している」と解釈し、1913年に” Blut-Gehirn-Schranke”仮説を提唱した[2]。この史実に基づき、「血液脳関門(Blood-Brain Barrier, BBB)の概念の提唱者はPaul Ehrlichである」と多くの教科書に書かれている。一方、Ridleyは、Ehrlichの実験から190年も遡った1695年に著書'The Anatomy of the Brain[3]'を発表し、その中で「水銀を血液内に投与すると、神経組織へ移行せずに血管内に留まっている。その原因は脳血管の密着性が、他の血管と大きく異なるからである。」と述べている。この歴史的発見を無視する訳にはいかない。「血液脳関門の最初の発見は、1695年、英国人の生理学者Humphrey Ridleyである」[4]という説に教科書を訂正する必要がある。このように320年前に英国で始まった血液脳関門の研究は、当初、「血液と脳を隔てる単なる物理的障壁」と考えられてきた。
しかし近年では、分子生物学や、in vitroモデル細胞株の樹立など細胞生物的な手法の導入によって、BBBの機能は分子レベルでの解明が飛躍的に進んでいる。現在では、BBBは脳に必要な物質を血液中から選択して脳へ供給し、逆に脳内で産生された不要物質を血中に排出する「動的インターフェース」であるという新たな概念へと塗り替えられている[5]。このBBBの機能は、薬という異物の脳移行を制限することから、中枢作用薬の開発成功率を大幅に下げる一因と位置づけられている。特に、がん細胞において抗がん剤耐性因子として同定されたP-糖タンパク(P-glycoprotein/ P-gp/ ABCB1/MDR1/mdr1a)が、「脳血管内皮細胞でエネルギーを消費して薬物を排出するポンプとして働いていること」を見出し、それまでの「400Daの分子篩説」[6]あるいは600Daの分子篩説」[7]に対して「能動的排出輸送担体説」[8]を提唱したことは、血液脳関門研究の歴史において重要な意義がある。その後、mdr1a knockout mouseを用いた研究によって[9]その排出輸送機能の生理的な重要性や薬物動態における重要性が明らかになった。その後、mdr1a以外にBreast Cancer Resistance Protein (BCRP/ABCG2/MXR/ABCP)[10][11][12][13]やMultidrug Resistance-associated Protein 4 (MRP4/ABCC4)[14][15][16]が、薬物や内因性物質などの排出ポンプとして重要な働きを担っていることが明らかになった。BBBに発現して物質輸送を担う多様なトランスポーターや受容体の分子レベルでの同定が進み、脳機能を支援・防御する動的インターフェースの一躍を担っていることが明らかにされ[5]、BBBの受容体を標的とした薬物送達システムの開発も進んだ[17]。そして今、寺崎らが2008年に開発した機能性タンパク質の標的絶対定量法(Quantitative Targeted Absolute Proteomics (QTAP)」[18]によって、BBBに発現するトランスポーターの定量アトラスが、マウス[18][19]、サル[20]、ヒト[21]で完成し、これらの定量情報を基にBBBのヒトと動物との種差が解明された。さらに、BBBにおけるトランスポーターの発現量とin vitroで計測可能な単分子活性を基にしたBBB物質輸送の再構築法[22]の開発が進んでおり、ヒトBBBにおける薬物を含めた物質輸送の予測系の基盤技術が構築されつつある。
構造と役割
脳は、高度な神経活動のためシナプス周辺の環境が、BBBによって厳密に制御されている。BBBの解剖学的実体は脳毛細血管であり、内皮細胞同士が密着結合(tight junction)で連結している (図1)。密着結合構成タンパク質には、クローディン、オクルディンなどが知られている。一部の内皮細胞には、周皮細胞pericyteが接着し、その大部分を星状膠細胞の足突起が覆っている (図1)。このようなBBBの構造的特徴によって、血液構成成分や投与薬物の内皮細胞間隙を介した非特異的な中枢への侵入や、脳内産生物質の流出を阻止している。ただし例外的として、終校器官、脳弓下器官、交連下器官、視床下部正中隆起、松果体、下垂体後葉、最終野では、毛細血管内皮細胞が密着結合で連結していないため、末梢血管と同様に血液とこれらの組織間の物質の移動は比較的自由である。これは、ゴールドマンがトリパンブルーを血管内に投与した実験において、一部の脳内部位が染色された要因であった可能性が高い。ヒトの脳毛細血管の全長は約650km、表面積は約9m2である一方、全脳に占める脳毛細血管内皮細胞の容積はわずか0.1%である。脳の毛細血管は平均40µmの間隔で網目状に張り巡らされていることから、分子量数百程度の物質は脳毛細血管を通過後、速やかに拡散して、脳実質細胞に到達可能である。血液と脳実質細胞間液の物質交換は、様々な輸送システムによって制御されている (図2)。この輸送系の分子的実体は、多様なトランスポーターや受容体、及びその複合体であり、脳毛細血管内皮細胞の脳血液側と脳側の細胞膜に極性をもって発現する。トランスポーターは、脳血液側と脳側の細胞膜のどちらか一方又は、両方の細胞膜に局在し、細胞外から細胞内、又は細胞内から細胞外へ、特定の基質を輸送する能力を有している。トランスポーターは、大きく2つのファミリーに分類される。1つは、ATP-binding cassette (ABC) transporterファミリーで、ATPの加水分解エネルギーを直接利用して、主に細胞内から細胞外への輸送を担う。 もう1つは、solute carrier (SLC)ファミリーで、エネルギーを消費しないで濃度勾配に従って下り坂輸送を行う促進拡散や、無機イオンや有機イオンの濃度勾配を利用して、濃度勾配に逆らった基質輸送を行う2次性能動輸送に関与する。受容体はトランスサイトーシスによって、リガンドを輸送する機能を有している。これらのトランスポーターや受容体が協同的に働くことによって、循環血液から脳への供給方向及び、脳から循環血液への排出方向の物質のベクトル輸送を厳密に制御している。
内因性物質の輸送システム
図3(a)-(c)に、BBBにおける内因性物質の輸送システムをまとめた[5][23]。BBB供給輸送系の最も重要な役割の一つは、エネルギー源となるグルコースや乳酸及びタンパク質や神経伝達物質の原料となるアミノ酸の循環血液から脳への供給である。グルコーストランスポーター 1 (GLUT1/SLC2A1)は、促進拡散型のトランスポーターで、脳毛細血管内皮細胞の両側の細胞膜に局在し、循環血液中から脳方向へのグルコースの供給輸送を担う。この他、モノカルボン酸トランスポーター (MCT1/SLC16A1) は、乳酸などのケトン体エネルギー源の供給に関与し、L型アミノ酸トランスポーター(LAT1/SLC7A5)は、4F2抗原重鎖4F2hc (CD98/SLC3A2)とヘテロダイマーを形成して、主にチロシンやフェニルアラニンなどの大型の中性アミノ酸を脳内に供給する役割を果たす。この他に、エネルギー貯蔵物質クレアチン、浸透圧調節物質タウリンの輸送系などが知られている。
BBB排出輸送系の主要な役割は、脳内で産生される神経伝達物質、メディエーターや代謝物の循環血液中へのくみ出しであり、SLCファミリーである神経伝達物質トランスポーター、アミノ酸トランスポーター、有機アニオントランスポーターや、ABCトランスポーターファミリーであるMRP4などがそれぞれ関与している。これらの輸送系は、脳細胞間隙中の神経伝達物質の第二のクリアランス機構や、脳内不要物質の脳内蓄積を防止する機構として、機能している。さらに、BBBには、アルツハイマー病で脳内に蓄積するベータ-アミロイド(1-40)の排出輸送系が存在する)[24][25][26]。この分子的実体には、P-糖タンパク[27]、BCRP[28]、lipoprotein receptor related protein-1(LRP-1) [29]など諸説あるが、現時点で結論が出ていない。
薬物の輸送システム
図3(d)に、BBBにおける薬物の輸送システムをまとめた[5][23]。脂質二重膜で構成される細胞膜は、脂溶性の物質はBBBを透過しやすいとされる。しかし、脳毛細血管内皮細胞の血液側膜に局在するP-糖タンパクやBCRPは広範な基質認識性を示す。これらの基質となる物質は、内皮細胞内に侵入した際に速やかに細胞外へ排出輸送されるため、循環血液から脳への移行性が著しく制限される。中枢作用薬の開発段階においてP-糖タンパクやBCRPの基質となるか否かは脳移行性を予測する重要な指標となる。さらに、内因性代謝物質の排出輸送にも関与するOAT3やMRP4は、比較的水溶性の高いアニオン性薬物の脳内移行性を制限している。これらのトランスポーターを介した内因性物質と薬物間の相互作用が起こると、内因性物質の脳内挙動が変化し、副作用に繋がる可能性がある。脳移行性の優れた中枢作用薬の開発に当たっては、排出輸送に関与するトランスポーターの高親和性基質にならないことが望まれている。一方、供給輸送に関与するBBBのトランスポーターを利用して、内因性物質類似の薬物を脳に輸送させる試みもなされている。例えば、パーキンソン病治療薬であるL-ドーパはL-チロシンに構造が類似しており、LAT1を介して脳内に輸送される。これまで知られている脳内移行性の高い薬物の多くは有機カチオン性物質であり、BBBには未同定の有機カチオントランスポーターの存在が示唆されている[23]。
実験手法
表1に、BBB研究で用いられる実験手法をまとめた。BBBにおける輸送システムを解明する研究は、functional genomicsを背景に、多様な実験手法が開発されたことで飛躍的に進んだ。主な研究手法は、以下の様に大別される。詳細は、総説[30]を参照されたい。
(1) 主にげっ歯類で開発されたin vivo解析系を用いて、循環血液から脳方向及び脳から循環血液方向の物質輸送を速度論的に解析する方法。 (2) 単離脳毛細血管やin vitro BBBモデルとして脳毛細血管内皮細胞株を樹立して、詳細な輸送特性(基質の親和性、駆動力、基質選択性)を解析し、トランスポーターを同定する方法。既知のトランスポーターの特性と一致しない場合は、遺伝子クローニングを行う方法。(3) トランスポーター発現系を用いて、in vivo解析系やin vitro解析で得られた輸送特性と一致することを実証する方法。新たなトランスポーター輸送機能の解明のために、新規基質をスクリーニングする方法。 (4) RT-PCR法やin situ hybridization法を用いたmRNAレベルか、抗体を用いたウエスタンブロット法及び免疫染色法を用いたタンパク質レベルでの発現局在解析。 (5) QTAPの手法を用いて、BBBトランスポーターの定量的アトラスを作成する。絶対定量値と単分子活性を基に、ヒトin vivo BBBにおける物質透過速度を予測する方法 (後述)。
動物種差
研究動向
PET, SPECTおよびMRIなどのイメージング技術を利用することによって、ヒトのBBBにおける物質の透過速度やトランスポーターの輸送活性が測定され、ヒトと実験動物の間の違いが定量的に解析されている。合成可能なリガンド数が少ないこと、特定のトランスポーターだけに輸送される物質がほとんどないことから、現在、一部の化合物やトランスポーターを対象とした解析に限られている。一方、寺崎らが開発した「機能性分子のタンパク質絶対定量法(Quantitative Targeted Absolute Proteomics (QTAP)」によって、ヒト、サル、マウスのBBBにおける複数のトランスポーターのタンパク質発現量が解明された(図4)[18][19][20][21]。これら2つの手法によって、ヒト血液脳関門研究およびヒト-動物間の種差研究は、発現の有無、BBBを透過する・しないなどといった定性的解析から、発現量(mol)、透過速度、輸送速度およびその差などに基づく定量的解析へと大きく舵を切りつつある。
P-glycoprotein (P-gp/MDR1/mdr1a)
Syvänenらは、P-gpの基質である[11C]GR205171と[18F]Altanserinの脳への移行性(脳対血漿中薬物濃度比、Kp brain)は、齧歯類と比較してヒトではそれぞれ4.5倍および8.6倍大きいことを報告している[31]。従って、ヒトBBBにおけるP-gpの薬物排出機能は齧歯類と比較して小さいことが示唆されている。ヒトの脳毛細血管におけるP-gpのタンパク質発現量はマウスに比べて2.33倍小さいことから(図4)[21]、ヒトではP-gpの発現量の低下に伴ってP-gpの排出機能が低下していることが示唆される。一方、カニクイザルのP-gpのタンパク質発現量はヒトと有意な差はなかった。
Breast cancer resistance protein (BCRP/ABCG2/MXR/ABCP)
これまでのげっ歯類を用いた研究から、BBBの薬物トランスポーターの中で、P-gpが輸送機能及び発現量ともに最大であることが示されてきた。しかし、ヒトの脳毛細血管では、BCRPのタンパク質発現量がP-gpに比べてやや大きいことが示された(図4)[21]。従って、げっ歯類に比べて、ヒトのBBBでは薬物排出へのBCRPの寄与が大きいことを推察される。
有機アニオントランスポーター群
MRP4、OAT3、OATP1A2、OATP2B1およびoatp1a4など、脳毛細血管内皮細胞に発現することが報告されている有機アニオントランスポーターについて、輸送活性の種差はまだ明かとなっていないが、タンパク質発現量の種差の程度が解明されている(図4)[21]。ヒト脳毛細血管におけるMRP4の発現量は、カニクイザルと比べて有意な差はないが、マウスに比べて有意に8.15倍小さい。ヒトのOAT3の発現量は、マウスの5.66倍以下である。さらに、ヒトのOATP1A2およびOATP2B1の発現量は、マウスのoatp1a4の発現量に比べて、それぞれ3.04倍以下および6.26倍以下である。従って、マウスに比べて、ヒトではMRP4、OAT3、OATP1A2およびOATP2B1を介した有機アニオン性物質の輸送は制限されていることが示唆されている。
グルコース輸送
ヒトにおいてBBBを介した脳へのグルコース供給速度の最大値は0.4–2.0 μmol/min/g brainであり、げっ歯類(1.42 μmol/min/g brain)と同程度であることが報告されている[32][33]。この報告に一致して、脳へのグルコース供給を担うGLUT1のタンパク質発現量に顕著な種差はない(図4))[21] BBBにおいて、GLUT1に加えてGLUT3の発現も認められている。タンパク質発現量に顕著な種差があるが、GLUT1に比べて絶対量が極めて小さいため(図4)、その種差はBBBにおけるグルコース供給速度に影響しないと考えられる。
アミノ酸輸送
ヒト脳毛細血管におけるLAT1および4f2hcのタンパク質発現量はともに、マウスに比べて5倍小さい(図4)。L-[1-11C]leucineとthree-compartment modelを用いたPET解析によって、ヒトの脳内のタンパク質合成速度(0.345-0.614 nmol/min/g)は、げっ歯類(3.38 nmol/min/g)に比べて顕著に小さいことが報告されている[34]。脳内タンパク質合成は、脳内のアミノ酸濃度によって影響され、アミノ酸濃度はBBBを介したアミノ酸供給速度に依存している[34] [35]。従って、ヒトBBBではLAT1および4f2hcの発現量の低下に伴って、アミノ酸供給速度がげっ歯類に比べて小さいことが示唆される。
トランスポーターの輸送活性の再構築法
トランスポーターの輸送活性を構成する個々の要素(分子数、1分子あたりの輸送活性)をin vitro実験等で解明し、それらのデータを統合することによってin vivoのトランスポーターの輸送活性を解析する手法である。イメージング技術と異なり、ヒトにプローブ化合物を投与することなく、ヒトBBBにおけるトランスポーターの輸送活性を解析することが理論的に可能であり、現在、この実現を目指している。理論的に、全てのトランスポーターに適用可能であり、有用な解析手法として期待されている。トランスポーターの輸送活性は、トランスポーター1分子あたりの輸送活性と分子数(タンパク質発現量, mol)の積に分解できる(図5)。従って、トランスポーター1分子あたりの輸送活性をin vitro実験によって測定し、ヒト死後脳から単離した脳毛細血管におけるトランスポーターのタンパク質発現量と統合することによって、in vivoのヒトBBBにおける輸送活性を再構築できる。この考え方を実証するために、マウスmdr1a発現細胞単層膜で測定したmdr1aの輸送活性をそのmdr1a発現量で除することによってmdr1a 1分子あたりの輸送活性を算出した。これをマウス脳毛細血管におけるmdr1a発現量と統合することによって、BBBのmdr1a輸送活性を再構築した。その結果、異なる輸送活性を示す全11基質について再構築された輸送活性は実測値と良好に一致した(図5)[22] 。このように、in vivoのBBBにおける輸送活性を再構築できることが実験的に証明されている。この再構築の考え方をヒトに適用し、ヒトのトランスポーターの発現培養細胞における1分子輸送活性およびヒト脳毛細血管における発現量を測定することによって、ヒトBBBにおける種々のトランスポーターの輸送活性を解析できるようになると考えられている。
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(執筆者:立川正憲, 内田康雄, 寺崎哲也, 担当編集委員:河西春郎)