恐れ

2016年2月1日 (月) 13:11時点におけるTfuruya (トーク | 投稿記録)による版 (ページの作成:「<div align="right"> <font size="+1">[http://researchmap.jp/tatsushionaka 尾仲 達史]</font><br> ''自治医科大学 医学部''<br> DOI:<selfdoi /> 原稿受...」)

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尾仲 達史
自治医科大学 医学部
DOI:10.14931/bsd.6775 原稿受付日:2016年2月1日 原稿完成日:2016年月日
担当編集委員:藤田 一郎(大阪大学 大学院生命機能研究科)

 基本的な情動の一つと考えられている。外的な特定の危険な対象に対して誘発される嫌悪的な感情で、その対象となるものを避ける行動、神経内分泌反応、自律神経反応を誘発させる。これに対し、不安は対象の無い漠然とした未分化な恐れと言われている。恐れは、身体に対して或いは社会的な自己の存在に対して危害を加えるもの、あるいは危害を加えると判断されるものに対して、誘発される。

 動物実験としては、「恐れ」を誘発させるのに、高所、突然の揺れ、突然で強度が強く新奇な刺激(音、光)、痛み刺激あるいは痛み刺激を予想させるような刺激(条件恐怖刺激)、あるいは社会的な強者への暴露・攻撃(社会的敗北)、捕食者との遭遇あるいは捕食者を予測させる刺激(匂いなど)が用いられている。「恐れ」により起こる反応には、その対象を避ける行動、すくみ行動、自律神経系(特に交感神経系)の活性化、神経内分泌系(視床下部-下垂体前葉-副腎皮質系の賦活化、交感神経系-副腎髄質系の賦活化を含む)の反応がある。恐怖刺激は扁桃体を活性化させる。条件恐怖学習は外側基底扁桃体で起きることが示されている。