「ディファレンシャルディスプレイ」の版間の差分

編集の要約なし
24行目: 24行目:


# アンカープライマーによるmRNAの選択的逆転写(第1鎖合成)  
# アンカープライマーによるmRNAの選択的逆転写(第1鎖合成)  
#:比較したい2種類(またはそれ以上)の細胞からそれぞれ抽出したmRNAを、ポリ(A)鎖と結合するアンカープライマーと逆転写酵素を用いた逆転写反応によってcDNAに変換する。アンカープライマーとしはT(チミジン)12個からなる[[wikipedia:ja:オリゴヌクレオチド|オリゴヌクレオチド]]の3’端に1個の任意の塩基を付加したものを用いる。
#:比較したい2種類(またはそれ以上)の細胞からそれぞれ抽出したmRNAを、ポリ(A)鎖と結合するアンカープライマーと逆転写酵素を用いた逆転写反応によってcDNAに変換する。アンカープライマーとしはT(チミジン)12個からなる[[wikipedia:ja:オリゴヌクレオチド|オリゴヌクレオチド]]の3’端に1個の任意の塩基を付加したものを用いる。
# 任意プライマーによるmRNAの選択的第2鎖合成とPCRによる増幅  
# 任意プライマーによるmRNAの選択的第2鎖合成とPCRによる増幅  
#:次に、合成されたcDNAを鋳型に、アンカープライマーと任意の混成塩基配列を持つ(通常10merの)オリゴヌクレオチド群をプライマーとしてPCRを行う。これによって任意の共通塩基配列をもつ複数のcDNA断片を、同時にPCR増幅する。この結果、両端をアンカープライマーと任意プライマーの配列で置換された分子が生じる。
#:次に、合成されたcDNAを鋳型に、アンカープライマーと任意の混成塩基配列を持つ(通常10merの)オリゴヌクレオチド群をプライマーとしてPCRを行う。これによって任意の共通塩基配列をもつ複数のcDNA断片を、同時にPCR増幅する。この結果、両端をアンカープライマーと任意プライマーの配列で置換された分子が生じる。
30行目: 30行目:
#:反応生成物を[[wikipedia:ja:ポリアクリルアミド|ポリアクリルアミド]]電気泳動で展開すると、複数のcDNA断片からなるフィンガープリントが得られる。この中から、強度に変化のある、または特異的な泳動パターンを示すバンドの切り出しを行う。  
#:反応生成物を[[wikipedia:ja:ポリアクリルアミド|ポリアクリルアミド]]電気泳動で展開すると、複数のcDNA断片からなるフィンガープリントが得られる。この中から、強度に変化のある、または特異的な泳動パターンを示すバンドの切り出しを行う。  
#バンドの再増幅およびクローン化  
#バンドの再増幅およびクローン化  
#:ゲルからサンプルを回収し、それを鋳型としてPCRを繰り返し行い、再現性を高めて、cDNA[[wikipedia:ja:クローン|クローン]]を回収する。  
#:ゲルからサンプルを回収し、それを鋳型としてPCRを繰り返し行い、再現性を高めて、cDNA[[wikipedia:ja:クローン|クローン]]を回収する。


== 参考文献 ==
== 参考文献 ==