「覚醒剤」の版間の差分

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 なかには6ヶ月以上の長期にわたって症状の小康と増悪を繰り返すものなどある。  
 なかには6ヶ月以上の長期にわたって症状の小康と増悪を繰り返すものなどある。  


== 標的分作用メカニズム ==
== 標的分子と作用メカニズム ==


   [[ドーパミン]]、[[ノルエピネフリン]]、[[セロトニン]]の[[トランスポーター]]および[[シナプス小胞モノアミントランスポーター]](VMAT)2は覚せい剤の標的分子であり、特に[[ドーパミントランスポーター]](DAT)は重要な役割を担っていると考えられている (図2)。主な作用機序は、[[腹側被蓋野]]から[[大脳皮質]]と[[辺縁系]]に投射するドーパミン作動性神経の[[シナプス前終末]]からのドーパミン放出を促進しながらDATや[[ノルエピネフリントランスポーター]]の再取り込みを阻害することで、特に[[側坐核]]内のA10神経付近に細胞質内のドーパミンをシナプス間隙に放出させ、当該部位のドーパミン受容体に大量のドーパミンが曝露することで覚醒作用や快の気分を生じさせることである。 覚せい剤は、DATに作用して交換拡散によってドーパミンを細胞外に放出させることで細胞外ドーパミン濃度を増加させ、また、VMAT2に作用して小胞内のドーパミンを細胞質へ放出させる<ref><pubmed>8494354</pubmed></ref><ref><pubmed>15955613</pubmed></ref><ref><pubmed>11099463</pubmed></ref>。  
   [[ドーパミン]]、[[ノルエピネフリン]]、[[セロトニン]]の[[トランスポーター]]および[[シナプス小胞モノアミントランスポーター]](VMAT)2は覚せい剤の標的分子であり、特に[[ドーパミントランスポーター]](DAT)は重要な役割を担っていると考えられている (図2)。主な作用機序は、[[腹側被蓋野]]から[[大脳皮質]]と[[辺縁系]]に投射するドーパミン作動性神経の[[シナプス前終末]]からのドーパミン放出を促進しながらDATや[[ノルエピネフリントランスポーター]]の再取り込みを阻害することで、特に[[側坐核]]内のA10神経付近に細胞質内のドーパミンをシナプス間隙に放出させ、当該部位のドーパミン受容体に大量のドーパミンが曝露することで覚醒作用や快の気分を生じさせることである。 覚せい剤は、DATに作用して交換拡散によってドーパミンを細胞外に放出させることで細胞外ドーパミン濃度を増加させ、また、VMAT2に作用して小胞内のドーパミンを細胞質へ放出させる<ref><pubmed>8494354</pubmed></ref><ref><pubmed>15955613</pubmed></ref><ref><pubmed>11099463</pubmed></ref>。