「電位依存性カルシウムチャネル」の版間の差分

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=== Ca<sub>v</sub>2 (N, P/Q, R型)<br>  ===
=== Ca<sub>v</sub>2 (N, P/Q, R型)<br>  ===


 N、P/Q、R型は主に神経系に発現し、神経伝達物質放出を始めとする神経機能を制御する<sup>[24][25]</sup>。活動電位がシナプス前終末に達すると、N、P/Q、R型などのVDCCを介したCa<sup>2+</sup>流入が引き起こされ、神経伝達物質が放出される。シナプス前終末において神経伝達物質放出を効率的に制御するため、シナプス小胞の膜融合を制御するSNARE (soluble N-ethylmaleimide-sensitive factor attachment protein receptor ) タンパク質 (syntaxin、SNAP-25、VAMP/synaptobrevin)やCa<sup>2+</sup>センサーと考えられているsynaptotagmin、足場タンパク質として働くRIM (Rab-3 interacting molecule) ファミリー、CAST、Munc13、Bassoon、Piccoloといったタンパク質群とVDCCは巨大タンパク質複合体である、アクティブゾーンを形成している。N、P/Q型のα<sub>1</sub>サブユニットのII-IIIリンカーにはアクティブゾーンに存在するタンパク質との相互作用部位 (Synprint&nbsp;; synaptic protein interaction) が保存されており、syntaxinやSNAP-25、CSP (cysteine string protein)、RIM、synaptotagminと相互作用する (図2) <sup>[4][26]</sup>。syntaxinやSNAP-25はsynprint領域を介してVDCCと相互作用し、チャネルの不活性化状態を安定化させることでチャネル活性を抑制することが報告されている<sup>[26]</sup>。また、βサブユニットもCASTやRIM、synaptotagminといったアクティブゾーンに存在するタンパク質と相互作用する (図2) <sup>[27][28][29]</sup>。これらのタンパク質との相互作用は、神経伝達物質放出複合体を形成し、VDCCの機能修飾も担う。RIM1のα型バリアント (RIM1α) はシナプス小胞のRab3と相互作用する足場タンパク質であることから、VDCCとシナプス小胞の距離を規定する分子である可能性が高い<sup>[30]</sup>。4種類のRIM (RIM1~4) はどれもVDCCの不活性化を著しく遅らせることでCa<sup>2+</sup>流入量を増加させる<sup>[28]</sup>。このように、VDCCはアクティブゾーンのタンパク質と共役して働くことで、高効率的に神経伝達物質放出やシナプス可塑性を制御すると考えられる。<br>  
 N、P/Q、R型は主に神経系に発現し、神経伝達物質放出を始めとする神経機能を制御する<ref name=ref24><pubmed>7901765</pubmed></ref><ref name=ref25><pubmed>7832825</pubmed></ref>。活動電位がシナプス前終末に達すると、N、P/Q、R型などのVDCCを介したCa<sup>2+</sup>流入が引き起こされ、神経伝達物質が放出される。シナプス前終末において神経伝達物質放出を効率的に制御するため、シナプス小胞の膜融合を制御するSNARE (soluble N-ethylmaleimide-sensitive factor attachment protein receptor ) タンパク質 (syntaxin、SNAP-25、VAMP/synaptobrevin)やCa<sup>2+</sup>センサーと考えられているsynaptotagmin、足場タンパク質として働くRIM (Rab-3 interacting molecule) ファミリー、CAST、Munc13、Bassoon、Piccoloといったタンパク質群とVDCCは巨大タンパク質複合体である、アクティブゾーンを形成している。N、P/Q型のα<sub>1</sub>サブユニットのII-IIIリンカーにはアクティブゾーンに存在するタンパク質との相互作用部位 (Synprint&nbsp;; synaptic protein interaction) が保存されており、syntaxinやSNAP-25、CSP (cysteine string protein)、RIM、synaptotagminと相互作用する (図2) <ref name=ref4 /><ref name=ref26><pubmed>16942804</pubmed></ref>。syntaxinやSNAP-25はsynprint領域を介してVDCCと相互作用し、チャネルの不活性化状態を安定化させることでチャネル活性を抑制することが報告されている<ref name=ref26 />。また、βサブユニットもCASTやRIM、synaptotagminといったアクティブゾーンに存在するタンパク質と相互作用する (図2) <ref name=ref27><pubmed>22577167</pubmed></ref><ref name=ref28><pubmed>17496890</pubmed></ref><ref name=ref29><pubmed>16525042</pubmed></ref>。これらのタンパク質との相互作用は、神経伝達物質放出複合体を形成し、VDCCの機能修飾も担う。RIM1のα型バリアント (RIM1α) はシナプス小胞のRab3と相互作用する足場タンパク質であることから、VDCCとシナプス小胞の距離を規定する分子である可能性が高い<ref name=ref30><pubmed>    9252191</pubmed></ref>。4種類のRIM (RIM1~4) はどれもVDCCの不活性化を著しく遅らせることでCa<sup>2+</sup>流入量を増加させる<ref name=ref28 />。このように、VDCCはアクティブゾーンのタンパク質と共役して働くことで、高効率的に神経伝達物質放出やシナプス可塑性を制御すると考えられる。<br>  


=== Ca<sub>v</sub>3 (T型)<br>  ===
=== Ca<sub>v</sub>3 (T型)<br>  ===
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